38 / 47
第二章
第33話:謀叛
しおりを挟む
「何事でございますか?」
正月の行事がある程度終わった頃、家晴、新之丞、家重の3人は将軍吉宗に急に呼び出され、中奥にある御休息之間にいた。
この部屋に呼び出されるという事は、極々内輪に話だと言う事だった。
或いは、政策を決定する前に話し合いをするのかもしれない。
「うむ、とんでもない事が起こってしまったのだ、天一坊」
吉宗は家晴と家重を官職で呼んでしまうと同じ大納言なので、家晴を修験者時代の通称名で呼ぶようにしていた。
だがそれは家晴を疎んじている訳でも蔑んでいる訳でもない。
もしそうなら、3人の中で家晴に返事をする訳がないのだ。
「我ら3人を私室に呼び出し内々の話をされるのです。
老中にも相談できない大事なのは分かっています」
家晴だけでなく、家重も吉継も真剣な表情で2人の会話を聞いている。
もっとも家重だけは、脳性麻痺による歯軋りと顔面麻痺による顔の歪みがあって、家晴と吉継以外には色々と誤解されてしまうのだが、今は極親しい家族だけなので大丈夫だった。
「うむ、正直どのような落としどころにするか迷っておる。
それほど天下を揺るがす一大事なのだ」
果断な吉宗が決断できずに次代を担う3人に意見を求めるほどの一大事だ。
処断次第では、次代にまで大きな影響を及ぼす事なのだろう。
3人は黙って吉宗が続きを話すのを待った。
「実は、尾張藩で謀叛があった。
竹腰を中心とする領内の重臣共が尾張領を掌握し、今まで宗春が発した政策は全て無効だと言っておるのだ。
謀叛人共の言い分を認めて宗春を処断すべきか、或いは主君に背いた罪で謀叛人共を処断すべきか、3人の意見を聞きたい」
家晴、新之丞、家重の3人は顔を見合わせ、家晴が話し始めた。
「まず最初に、上様は既にどうするか決めておられると思います。
尾張にいる重臣達を謀叛人と申されました。
それが全てでございます」
「うむ、確かに余の本心は主君を裏切った家臣を処断したいと思っている。
だが同時に、余の政策に逆らう宗春を処罰する好機だとも思っておる。
どちらを優先すべきか、迷っておるのだ」
「我らの事を気にしておられるのなら、お気遣いは無用でございます。
我らの内の誰が将軍位を継ぐにしても、残された者は粉骨砕身将軍となった者を手伝うと約束しております。
無理に宗春殿から尾張藩主の座を奪う必要はありません」
「……」
「ご安心ください、上様」
「3人がそう言ってくれるのなら、憎き謀叛人共を処断してくれる。
あの連中は、牢人共に新之丞を襲わせるという失態を犯しおった。
襲われたのが新之丞でなければ、皇女殿下共々首を取られておったわ!
だが、宗春に何の処分もできないのは少々腹立たしい。
何かいい思案はないか?」
「上様が新之丞を危険に晒した尾張の重臣共を処断されるのなら、新しい付家老や幕府附属衆に上様の意を汲む者を派遣されればいいのです。
宗春殿が行き過ぎそうになったら、厳しく意見されればいいのです」
「ふむ、確かにそう言う方法もあるな。
直接被害を受けた新之丞はどう思う?」
「今までと同じような形で、付家老や幕府附属衆を変えるだけでは、代替わりした時に上様の意向に背く可能で意があります。
現にもう1人の付家老成瀬は上様よりも宗春殿に忠誠を誓っております。
ですので、上様が考えられた足高を活用され、尾張藩の監視に派遣する者達は、尾張藩から受ける領地は任期中だけとするのです」
「ほう!
代々引き継ぐ領地ではなく、任期中だけの役高とするのか。
それならば、将軍や幕府よりも尾張藩に忠誠を尽くす者がいなくなる」
「はい、それと、率直にお聞きしますが、今回の謀叛は、上様や幕閣がやらせた事ではないのですね?」
「それはない。
少なくとも余は関知しておらぬ!」
「では、遠慮する事なく宗春殿を隠居させられませ。
謀叛人が最も悪いとはいえ、家中の取り締まりが悪かったのは間違いありません。
これが上様や幕閣が仕掛けた事ならば、味方として働いた武腰達を処断する事ができませんが、そうでないのなら遠慮せずに両者を厳罰に処すべきです」
「……幕閣の連中に厳しく問いただしておく。
それで、宗春を隠居させるとして、誰に跡を継がせるのだ?
長福丸や小五郎に継がせるのではないのだろう?」
「はい、叔父上達には他に継いでいただきたい家がございますので、尾張徳川家は高須藩の松平但馬守に任せればいいのではありませんか?」
「ふむ、だが、将軍家名代と皇女殿下の行列を領内で襲われると言う失態を犯し、その罪を糊塗しようと家臣が謀叛を起こすような藩だ。
そのまま跡を継がせるのは、他藩の処罰に比べて軽すぎるが……」
「では一旦尾張藩を取り潰した形にしましょう。
取り潰したうえで、東照神君が御三家として御造りに成られた尾張藩を潰したままにはできないので、松平但馬守に新恩として与える形にされては如何ですか?」
「もう少し厳しくした方がいいのではないか?」
吉宗はお気に入りの新之丞が尾張藩再興に尽力した形に持ち込もうとした。
吉宗が潰す気だった尾張藩を、新之丞の言葉で取りやめた事にしようとした。
「では、1万石か2万石の領地を削り、御三家筆頭の座を取り上げましょう。
御三家筆頭を紀州藩にするのです。
ただ、紀州藩については別に重要な話しがございます」
「ふむ、紀州藩についての重要な話しは後で聞くとして、新之丞の献策はとても的を得たよきものだ。
尾張藩六十一万九千五百石から七万石召し上げて、紀州藩五十五万五千石よりも少ない五十四万九千五百石とする。
石高的にも格式的にの筆頭の座から引きずり降ろす」
「はい」
この場の話し合いが幕府の方針となった。
将軍と幕府執事で長男の家晴、まだ嫡男となっている家重が決めた事なのだ。
誰も逆らう事などできない。
最初に尾張藩の近隣諸藩に謀叛人の討伐が命じられた。
尾張藩内の意思が籠城や合戦に統一されていたら、名古屋城を落とすのは至難の業だっただろう。
だが今回は上級藩士と下級藩士が反目している状況だった。
将軍家の命令に抵抗するにしても、愚かな藩主に対する謀叛としても、下級藩士を味方につけて幕府軍と戦う事などできなかった。
だが、厳しい処罰を受けたのは謀叛を企てた武腰達だけではなかった。
宗春も、行列の襲撃を許した罪と家中の取り締まりができなかった罪で強制隠居させられ、松平但馬守が徳川宗勝と名を改めて藩主となった。
尾張藩は長嶋藩と木曽川を挟んで続く領地を七万石も召し上げられ、五十四万九千五百石の領地となり、名実ともに御三家筆頭の座から落ちた。
それだけでなく、竹腰正武を筆頭とする幕府から付けられた家臣領五万七千四百石、尾張藩の家臣領五万八千六百石を失う事になった。
しかもその合計十一万六千石分の付家老と幕府附属衆を目付け役として押し付けられ、吉宗や幕府に逆らえない藩となってしまった。
「一連の処分で転封させられた藩、尾張付きとされた藩」
遠江浜松藩七万石:松平伊豆守信祝・老中首座が
伊勢長島藩九万石:松平伊豆守信祝・老中首座のまま尾張藩監視を兼任
:遠江浜松藩七万石は大番組預かり
伊勢長島藩二万石:増山河内守正任・奏者番が
美濃今尾藩三万石:増山河内守正任・尾張藩付家老へ
美濃大垣新田藩一万石:戸田淡路守氏房・大番頭から幕府附属衆として役料一万石
常陸下妻藩一万石:井上遠江守正敦・大番頭から幕府附属衆として役料一万石
大和柳生藩一万石:柳生飛騨守俊平・幕府附属衆として役料五千石
下総生実藩一万石:森川兵部少輔俊方・幕府附属衆として役料五千石
河内丹南藩一万石:高木若狭守正恒・幕府附属衆として役料五千石
下総小見川藩一万石:内田出羽守正親・幕府附属衆として役料五千石
駿河小島藩一万石:松平内匠頭昌信・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本五千五百石:松平忠根・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本七千石:石川備中守総為・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本五千石:松平駿河守信望・家重側近から幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本六千石:森川主水俊矩・幕府附属衆として役料五千石
その他旗本御家人が多数尾張藩内につけられる。
一方宗春は領内に帰ることが許されず、江戸麹町の中屋敷に常府とされた。
だが同時に、次期尾張藩主とすべき男子を設けるようにとも言われた。
家晴と新之丞は尾張徳川家の血筋が細くなっている事を気にしていたのだ。
だがこれらは徐々に行われた事であった。
尾張藩への叱責は、天下を二分する大乱を防ぐためにも、慎重の上にも慎重を期して行わなければいけない事だった。
しかも、新之丞によって知らされた紀州藩についての重大な真実があった。
正月の行事がある程度終わった頃、家晴、新之丞、家重の3人は将軍吉宗に急に呼び出され、中奥にある御休息之間にいた。
この部屋に呼び出されるという事は、極々内輪に話だと言う事だった。
或いは、政策を決定する前に話し合いをするのかもしれない。
「うむ、とんでもない事が起こってしまったのだ、天一坊」
吉宗は家晴と家重を官職で呼んでしまうと同じ大納言なので、家晴を修験者時代の通称名で呼ぶようにしていた。
だがそれは家晴を疎んじている訳でも蔑んでいる訳でもない。
もしそうなら、3人の中で家晴に返事をする訳がないのだ。
「我ら3人を私室に呼び出し内々の話をされるのです。
老中にも相談できない大事なのは分かっています」
家晴だけでなく、家重も吉継も真剣な表情で2人の会話を聞いている。
もっとも家重だけは、脳性麻痺による歯軋りと顔面麻痺による顔の歪みがあって、家晴と吉継以外には色々と誤解されてしまうのだが、今は極親しい家族だけなので大丈夫だった。
「うむ、正直どのような落としどころにするか迷っておる。
それほど天下を揺るがす一大事なのだ」
果断な吉宗が決断できずに次代を担う3人に意見を求めるほどの一大事だ。
処断次第では、次代にまで大きな影響を及ぼす事なのだろう。
3人は黙って吉宗が続きを話すのを待った。
「実は、尾張藩で謀叛があった。
竹腰を中心とする領内の重臣共が尾張領を掌握し、今まで宗春が発した政策は全て無効だと言っておるのだ。
謀叛人共の言い分を認めて宗春を処断すべきか、或いは主君に背いた罪で謀叛人共を処断すべきか、3人の意見を聞きたい」
家晴、新之丞、家重の3人は顔を見合わせ、家晴が話し始めた。
「まず最初に、上様は既にどうするか決めておられると思います。
尾張にいる重臣達を謀叛人と申されました。
それが全てでございます」
「うむ、確かに余の本心は主君を裏切った家臣を処断したいと思っている。
だが同時に、余の政策に逆らう宗春を処罰する好機だとも思っておる。
どちらを優先すべきか、迷っておるのだ」
「我らの事を気にしておられるのなら、お気遣いは無用でございます。
我らの内の誰が将軍位を継ぐにしても、残された者は粉骨砕身将軍となった者を手伝うと約束しております。
無理に宗春殿から尾張藩主の座を奪う必要はありません」
「……」
「ご安心ください、上様」
「3人がそう言ってくれるのなら、憎き謀叛人共を処断してくれる。
あの連中は、牢人共に新之丞を襲わせるという失態を犯しおった。
襲われたのが新之丞でなければ、皇女殿下共々首を取られておったわ!
だが、宗春に何の処分もできないのは少々腹立たしい。
何かいい思案はないか?」
「上様が新之丞を危険に晒した尾張の重臣共を処断されるのなら、新しい付家老や幕府附属衆に上様の意を汲む者を派遣されればいいのです。
宗春殿が行き過ぎそうになったら、厳しく意見されればいいのです」
「ふむ、確かにそう言う方法もあるな。
直接被害を受けた新之丞はどう思う?」
「今までと同じような形で、付家老や幕府附属衆を変えるだけでは、代替わりした時に上様の意向に背く可能で意があります。
現にもう1人の付家老成瀬は上様よりも宗春殿に忠誠を誓っております。
ですので、上様が考えられた足高を活用され、尾張藩の監視に派遣する者達は、尾張藩から受ける領地は任期中だけとするのです」
「ほう!
代々引き継ぐ領地ではなく、任期中だけの役高とするのか。
それならば、将軍や幕府よりも尾張藩に忠誠を尽くす者がいなくなる」
「はい、それと、率直にお聞きしますが、今回の謀叛は、上様や幕閣がやらせた事ではないのですね?」
「それはない。
少なくとも余は関知しておらぬ!」
「では、遠慮する事なく宗春殿を隠居させられませ。
謀叛人が最も悪いとはいえ、家中の取り締まりが悪かったのは間違いありません。
これが上様や幕閣が仕掛けた事ならば、味方として働いた武腰達を処断する事ができませんが、そうでないのなら遠慮せずに両者を厳罰に処すべきです」
「……幕閣の連中に厳しく問いただしておく。
それで、宗春を隠居させるとして、誰に跡を継がせるのだ?
長福丸や小五郎に継がせるのではないのだろう?」
「はい、叔父上達には他に継いでいただきたい家がございますので、尾張徳川家は高須藩の松平但馬守に任せればいいのではありませんか?」
「ふむ、だが、将軍家名代と皇女殿下の行列を領内で襲われると言う失態を犯し、その罪を糊塗しようと家臣が謀叛を起こすような藩だ。
そのまま跡を継がせるのは、他藩の処罰に比べて軽すぎるが……」
「では一旦尾張藩を取り潰した形にしましょう。
取り潰したうえで、東照神君が御三家として御造りに成られた尾張藩を潰したままにはできないので、松平但馬守に新恩として与える形にされては如何ですか?」
「もう少し厳しくした方がいいのではないか?」
吉宗はお気に入りの新之丞が尾張藩再興に尽力した形に持ち込もうとした。
吉宗が潰す気だった尾張藩を、新之丞の言葉で取りやめた事にしようとした。
「では、1万石か2万石の領地を削り、御三家筆頭の座を取り上げましょう。
御三家筆頭を紀州藩にするのです。
ただ、紀州藩については別に重要な話しがございます」
「ふむ、紀州藩についての重要な話しは後で聞くとして、新之丞の献策はとても的を得たよきものだ。
尾張藩六十一万九千五百石から七万石召し上げて、紀州藩五十五万五千石よりも少ない五十四万九千五百石とする。
石高的にも格式的にの筆頭の座から引きずり降ろす」
「はい」
この場の話し合いが幕府の方針となった。
将軍と幕府執事で長男の家晴、まだ嫡男となっている家重が決めた事なのだ。
誰も逆らう事などできない。
最初に尾張藩の近隣諸藩に謀叛人の討伐が命じられた。
尾張藩内の意思が籠城や合戦に統一されていたら、名古屋城を落とすのは至難の業だっただろう。
だが今回は上級藩士と下級藩士が反目している状況だった。
将軍家の命令に抵抗するにしても、愚かな藩主に対する謀叛としても、下級藩士を味方につけて幕府軍と戦う事などできなかった。
だが、厳しい処罰を受けたのは謀叛を企てた武腰達だけではなかった。
宗春も、行列の襲撃を許した罪と家中の取り締まりができなかった罪で強制隠居させられ、松平但馬守が徳川宗勝と名を改めて藩主となった。
尾張藩は長嶋藩と木曽川を挟んで続く領地を七万石も召し上げられ、五十四万九千五百石の領地となり、名実ともに御三家筆頭の座から落ちた。
それだけでなく、竹腰正武を筆頭とする幕府から付けられた家臣領五万七千四百石、尾張藩の家臣領五万八千六百石を失う事になった。
しかもその合計十一万六千石分の付家老と幕府附属衆を目付け役として押し付けられ、吉宗や幕府に逆らえない藩となってしまった。
「一連の処分で転封させられた藩、尾張付きとされた藩」
遠江浜松藩七万石:松平伊豆守信祝・老中首座が
伊勢長島藩九万石:松平伊豆守信祝・老中首座のまま尾張藩監視を兼任
:遠江浜松藩七万石は大番組預かり
伊勢長島藩二万石:増山河内守正任・奏者番が
美濃今尾藩三万石:増山河内守正任・尾張藩付家老へ
美濃大垣新田藩一万石:戸田淡路守氏房・大番頭から幕府附属衆として役料一万石
常陸下妻藩一万石:井上遠江守正敦・大番頭から幕府附属衆として役料一万石
大和柳生藩一万石:柳生飛騨守俊平・幕府附属衆として役料五千石
下総生実藩一万石:森川兵部少輔俊方・幕府附属衆として役料五千石
河内丹南藩一万石:高木若狭守正恒・幕府附属衆として役料五千石
下総小見川藩一万石:内田出羽守正親・幕府附属衆として役料五千石
駿河小島藩一万石:松平内匠頭昌信・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本五千五百石:松平忠根・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本七千石:石川備中守総為・幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本五千石:松平駿河守信望・家重側近から幕府附属衆として役料五千石
寄合旗本六千石:森川主水俊矩・幕府附属衆として役料五千石
その他旗本御家人が多数尾張藩内につけられる。
一方宗春は領内に帰ることが許されず、江戸麹町の中屋敷に常府とされた。
だが同時に、次期尾張藩主とすべき男子を設けるようにとも言われた。
家晴と新之丞は尾張徳川家の血筋が細くなっている事を気にしていたのだ。
だがこれらは徐々に行われた事であった。
尾張藩への叱責は、天下を二分する大乱を防ぐためにも、慎重の上にも慎重を期して行わなければいけない事だった。
しかも、新之丞によって知らされた紀州藩についての重大な真実があった。
0
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
仇討浪人と座頭梅一
克全
歴史・時代
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。
旗本の大道寺長十郎直賢は主君の仇を討つために、役目を辞して犯人につながる情報を集めていた。盗賊桜小僧こと梅一は、目が見えるのに盗みの技の為に盲人といして育てられたが、悪人が許せずに暗殺者との二足の草鞋を履いていた。そんな二人が出会う事で将軍家の陰謀が暴かれることになる。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
架空戦記 旭日旗の元に
葉山宗次郎
歴史・時代
国力で遙かに勝るアメリカを相手にするべく日本は様々な手を打ってきた。各地で善戦してきたが、国力の差の前には敗退を重ねる。
そして決戦と挑んだマリアナ沖海戦に敗北。日本は終わりかと思われた。
だが、それでも起死回生のチャンスを、日本を存続させるために男達は奮闘する。
カクヨムでも投稿しています
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる