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解説・人物紹介

大給松平家宗家

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家老は常設しない

今井嘉兵衛
杉戸次郎右衛門
水野主米介   二十人扶持
今井数馬

「年寄」
水野織衛:十四名 千石
矢野雲八:十一名

水野宗右衛門 千石
水野善次兵衛 二十五人扶持
乙部要人   六石三人扶持
水野主米助  二十人扶持
水野省恩   三十人扶持


伊賀平八郎:江戸留守居役

今井)嘉兵衛、(杉戸)次郎右衛門、(水野)主米介、(今井)数馬の四名で、向後家老(*1)という名目を仰せ付けられ、これによって、その外の年寄が列座するときは、間を明けで着座する決まりであった。
 馬廻については、明治分限帳では、馬廻三十三名中、年寄の水野織衛組が十四名矢野雲八組が十一名に分けられ、番頭を兼ねる年寄水野織衛と矢野雲八とに統率されている。両組にはそれぞれ馬廻組頭が一名ずつ配置され、水野組は二十五人扶持の水野善次兵衛と記されている。
中小姓については、馬廻と同様な任務を果たしており、明治分限帳では水野組十七名、矢野組十九名で、それぞれ中小姓組頭を戴いており、水野組頭は、六石三人扶持の乙部要人が勤めている。
知行取りについては、当藩では頭階を二十二段階に分け、頭階1が禄種千石で、禄高は千石である。本来ならば石高千石の領地を宛行われ、実権はそこからあがる貢納米であるが、その原則が当時は擬制化(*2)、形骸化して、実際では米で給付されていた。藩では四公六民(*3)を建前としていたことから、千石の知行取りの実収入はその四割の四百石となる。これが蔵米取(*4)と異なるところで、名目と実質が甚だしく相違する藩士に極めて不利な禄高制度となっており、これは二十二段階全てに一率であった。後出水野織衛の場合については、高千石で実禄四百石取りとなるが、財政に苦しむ藩では、藩士の封禄の減額支給を行っていたので、実際の収入は手取り六十四石余であったという。
 扶持米取りについては、知行取りに対して下級職や新参者に与えられる給与方法であり、壱人扶持は一日五合の割合で、一年一石八斗余となり、切り上げて二石を支給される。最高の三十人扶持は六十石にあたり、知行百五十石に相当するから、二十人扶持以上の扶持米取りは相当高級職に就いていたことになる。高禄は医師のような特殊技術者で、しかも主従関係の比較的薄く、譜代的でないないもの、重役の隠居者などであり、段階1の三十人扶持は、医師と隠居の二名に留まっており、一人扶持の段階11までがある。後出の水野省恩の三十人扶持がその例であり、段階2の、二五人扶持水野善次兵衛は、新参か家格の低いものの抜擢とみられている。
 以下は各分限帳から「水野氏」のみを抜粋したものである。
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