10 / 47
第一章
第5話:襲撃
しおりを挟む
「新之丞様、御食事の用意ができました。
そちらに運ばせて頂いて宜しいですか?」
「それは面倒だろう?
それに、房殿が私の食事を世話してくれる間、仙吉はどうするのだ?」
「仙吉は後で私と一緒に食べさせていただきます」
「武家勤めしているのならともかく、まだ幼いうちから我慢させる事はない。
私も幼い頃は自由にさせてもらっていたし、父と並んで食べていた。
何より仙吉を待たしていては何を食べても味がしない。
私がそちらに行くか、仙吉をこちらに呼ぶかしてくれ」
「あの、では、こちらに呼んでやってください」
「そうだな、食事の準備を房殿に頼むのは大丈夫だが、房殿の部屋に私が入り込むのは外聞が悪いからな」
そう言われた房は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「仙吉、こちらで一緒に食べるから来なさい」
「はい!」
新之丞に呼ばれた仙吉は満面の笑みを浮かべて新之丞の部屋に行った。
その喜びようは、笑顔だけでなく、長屋の通りを駆ける速さからも分かる。
新之丞が部屋の入り口の方を向いて、膳の前に胡坐している。
仙吉も新之丞に言われて房が用意した、新之丞の右斜め前に置かれた膳の前に胡座する。
「しっかり食べて、武士に相応しい身体を作るのだぞ」
「はい、若様」
滅多に、いや、生まれて初めて食べる鮴の煮付と白魚の卵とじに、仙吉の食はとてもすすんだ。
いや、おかず以前の問題で、普段は玄米飯なのに今日は白米飯なのだ。
食が進まない方がおかしい。
「母上、お代わりを下さい」
「これ、新之丞様が先です!」
「いいのだ、房殿。
先に仙吉の分をよそってやってくれ」
実の親子のように食事をする二人を見て、房は顔を赤らめるばかりだった。
新之丞に厳しく言われて、房も仕方なく一緒に食事をした。
仙吉は生まれて初めて男性と並んで食べるご馳走にとても興奮していた。
ついつい食べ過ぎてしまって、苦しくなるほどだった。
そんな仙吉の腹を、新之丞が私も父にこうしてもらったと擦ってやった。
そんな夢のような時を過ごした房と仙吉も、満腹に苦しみが軽くなった頃に自分達の部屋に戻って行った。
裏長屋の木戸は新之丞達が食事を取っていた暮れ六つには閉められている。
その長屋木戸に一番近い棟割長屋の部屋には伊之助達がいる。
伊之助達に気付かれずに新之丞を襲うには、町内の塀を乗り越えないといけない。
今が暮れ六つ半で大通りの町木戸が閉められるのが夜四つ。
襲撃後に逃げる事を考えれば、今から一刻の間に襲撃される可能性がとても高い。
新之丞がそう考えていた通りに襲撃者が現れた。
「強盗だ、強盗だぞ!
出るな、部屋から出るんじゃないぞ!」
襲撃者達が大木槌を振るって長屋木戸を破壊して入ってきたのだ。
伊之助が大声で長屋中に注意をしている。
九尺二間の二十軒棟割長屋が二棟に二間二間の割長屋が一棟。
大小の表長屋が十棟の町内である。
貧富の差はあっても結束は強い。
危険だから家から出るなと言われたら誰もでない。
憶病者は神仏に祈り、気の強い奴は戸の内側で包丁を握っている。
大半の人間は鍋釜を叩い周りに知らせている。
「覆面をして夜陰に紛れて襲うとは、武士の風上に置けぬ卑怯者。
覆面を取って剣客を気取ろうとも、神仏の目はもちろん私の目も欺けぬぞ。
何より犯した罪は未来永劫消えぬ。
取り押さえやるから、一族連座で磔獄門になるのだな」
伊之助の声を聞いて素早く自分の部屋を出た新之丞は、そう言って襲撃者達を挑発すると、長屋の奥に駆けて行った。
襲撃者達は急いで新之丞の後を追ったが、既に幾人かは伊之助達に打ち据えられ、更に伊之助達に背中を向けた事で数人が手酷く打ち据えられていた。
新之丞は聖天社の境内と聖天町の境になっている塀を軽々と飛び越えた。
襲撃者の中に同じように塀を身軽に乗り越えられる者などいるはずもない。
無様な姿で塀をよじ登るか、長屋木戸の方に戻るか迷っていた。
「碌な修行をしていないから、追剥に身をやつしても碌な仕事ができない。
剣客にもなれず追剥にもなれず、三尺高い木の上に載る事になる。
親不孝の極みだな!」
「おのれ、言わしておけば好き勝手に言いやがって!」
手拭いを盗人被りにした襲撃者達は後先も考えずに次々と塀によじ登った。
新之丞は、そんな愚か者達を聖天社側で待ち構えていた。
ばらばらに塀を乗り越えてくる襲撃者達を鉄扇で各個撃破する。
何とか塀を乗り越えた所を鉄扇でしたたかに叩かれ骨が砕けては、もう戦えない。
骨を砕かれた所を押さえて呻く襲撃者達を残して、新之丞は聖天社の境内を突っ切り、大通りに出た。
そのままぐるりと大通りを右に曲がって自分達の住む長屋木戸がある方に向かう。
「大給松平家宗家の者か?!」
「何奴!」
「たわけめ!」
新之丞が、途中に潜んでいた見張りであろう者の背後から厳しく問うと、刀を抜いて振り向うとするから、鉄扇で手足の骨を砕いて身動きできないようにした。
新之丞は安全を確保してから自分達の長屋に戻った。
「無事か、誰も怪我人はいないか?」
「こんな連中に怪我させられる私たちじゃあありませんや。
長屋の者達も私の友達も、誰一人怪我しちゃいません」
「それならいい、倒れている連中を駕籠で運んでくれ」
「どこに運ぶんですか?」
(御老中の手の者が見張っているかもしれません)
伊之助が囁くように注意する。
「御嶽山でも高尾山でも日光山でも何処でもいい。
伊之助達に伝手のある寺社に放り込んでおいてくれ」
「面倒になられましたか、新之丞様?」
「ああ、段々面倒になってきた」
「何でしたら、ばっさりと全て断ち切る事もできますが?」
伊之助は囁くような声で言った。
「そうだな、あまり面倒をかけるようなら代わりの老中を選んだ方がいいかもしれないが、今暫くは上様が選ばれた侍従を信じてやろう」
新之丞も囁くような声で答える。
「御意」
「長屋の衆、今回の件は私が長命寺で女駕籠を助けたのが原因のようだ。
これ以上問題が起きないように、談判に行ってくる。
狼藉者達は証人として連れて行くので、御上の役人が来たら、そう言ってくれればいい」
新之丞はそう言うと、誰にも分からないように伊之助達に指示した。
「じゃあ俺達が手伝いましょう。
流石にこれだけ多いと新之丞様だけでは大変だ。
新之丞様は駕籠で運べと申されましたが、この夜分にこれだけの怪我人を運ぶ駕籠を見つけるのも大変ですぜ。
幸い俺の友達が川舟を使ってここまで来ています。
少々多くても川船なら運べますぜ」
「だったら俺っちの友達の船も使ってください。
丁度日暮里に住む友達が川舟を使って遊びに来ていたんです」
「そうか、雉之助の友達も川舟で遊びに来ていたのか。
だったら礼金を払うので、談判相手の所まで運んでくれ」
「「「「「よろこんで!」」」」」
そちらに運ばせて頂いて宜しいですか?」
「それは面倒だろう?
それに、房殿が私の食事を世話してくれる間、仙吉はどうするのだ?」
「仙吉は後で私と一緒に食べさせていただきます」
「武家勤めしているのならともかく、まだ幼いうちから我慢させる事はない。
私も幼い頃は自由にさせてもらっていたし、父と並んで食べていた。
何より仙吉を待たしていては何を食べても味がしない。
私がそちらに行くか、仙吉をこちらに呼ぶかしてくれ」
「あの、では、こちらに呼んでやってください」
「そうだな、食事の準備を房殿に頼むのは大丈夫だが、房殿の部屋に私が入り込むのは外聞が悪いからな」
そう言われた房は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「仙吉、こちらで一緒に食べるから来なさい」
「はい!」
新之丞に呼ばれた仙吉は満面の笑みを浮かべて新之丞の部屋に行った。
その喜びようは、笑顔だけでなく、長屋の通りを駆ける速さからも分かる。
新之丞が部屋の入り口の方を向いて、膳の前に胡坐している。
仙吉も新之丞に言われて房が用意した、新之丞の右斜め前に置かれた膳の前に胡座する。
「しっかり食べて、武士に相応しい身体を作るのだぞ」
「はい、若様」
滅多に、いや、生まれて初めて食べる鮴の煮付と白魚の卵とじに、仙吉の食はとてもすすんだ。
いや、おかず以前の問題で、普段は玄米飯なのに今日は白米飯なのだ。
食が進まない方がおかしい。
「母上、お代わりを下さい」
「これ、新之丞様が先です!」
「いいのだ、房殿。
先に仙吉の分をよそってやってくれ」
実の親子のように食事をする二人を見て、房は顔を赤らめるばかりだった。
新之丞に厳しく言われて、房も仕方なく一緒に食事をした。
仙吉は生まれて初めて男性と並んで食べるご馳走にとても興奮していた。
ついつい食べ過ぎてしまって、苦しくなるほどだった。
そんな仙吉の腹を、新之丞が私も父にこうしてもらったと擦ってやった。
そんな夢のような時を過ごした房と仙吉も、満腹に苦しみが軽くなった頃に自分達の部屋に戻って行った。
裏長屋の木戸は新之丞達が食事を取っていた暮れ六つには閉められている。
その長屋木戸に一番近い棟割長屋の部屋には伊之助達がいる。
伊之助達に気付かれずに新之丞を襲うには、町内の塀を乗り越えないといけない。
今が暮れ六つ半で大通りの町木戸が閉められるのが夜四つ。
襲撃後に逃げる事を考えれば、今から一刻の間に襲撃される可能性がとても高い。
新之丞がそう考えていた通りに襲撃者が現れた。
「強盗だ、強盗だぞ!
出るな、部屋から出るんじゃないぞ!」
襲撃者達が大木槌を振るって長屋木戸を破壊して入ってきたのだ。
伊之助が大声で長屋中に注意をしている。
九尺二間の二十軒棟割長屋が二棟に二間二間の割長屋が一棟。
大小の表長屋が十棟の町内である。
貧富の差はあっても結束は強い。
危険だから家から出るなと言われたら誰もでない。
憶病者は神仏に祈り、気の強い奴は戸の内側で包丁を握っている。
大半の人間は鍋釜を叩い周りに知らせている。
「覆面をして夜陰に紛れて襲うとは、武士の風上に置けぬ卑怯者。
覆面を取って剣客を気取ろうとも、神仏の目はもちろん私の目も欺けぬぞ。
何より犯した罪は未来永劫消えぬ。
取り押さえやるから、一族連座で磔獄門になるのだな」
伊之助の声を聞いて素早く自分の部屋を出た新之丞は、そう言って襲撃者達を挑発すると、長屋の奥に駆けて行った。
襲撃者達は急いで新之丞の後を追ったが、既に幾人かは伊之助達に打ち据えられ、更に伊之助達に背中を向けた事で数人が手酷く打ち据えられていた。
新之丞は聖天社の境内と聖天町の境になっている塀を軽々と飛び越えた。
襲撃者の中に同じように塀を身軽に乗り越えられる者などいるはずもない。
無様な姿で塀をよじ登るか、長屋木戸の方に戻るか迷っていた。
「碌な修行をしていないから、追剥に身をやつしても碌な仕事ができない。
剣客にもなれず追剥にもなれず、三尺高い木の上に載る事になる。
親不孝の極みだな!」
「おのれ、言わしておけば好き勝手に言いやがって!」
手拭いを盗人被りにした襲撃者達は後先も考えずに次々と塀によじ登った。
新之丞は、そんな愚か者達を聖天社側で待ち構えていた。
ばらばらに塀を乗り越えてくる襲撃者達を鉄扇で各個撃破する。
何とか塀を乗り越えた所を鉄扇でしたたかに叩かれ骨が砕けては、もう戦えない。
骨を砕かれた所を押さえて呻く襲撃者達を残して、新之丞は聖天社の境内を突っ切り、大通りに出た。
そのままぐるりと大通りを右に曲がって自分達の住む長屋木戸がある方に向かう。
「大給松平家宗家の者か?!」
「何奴!」
「たわけめ!」
新之丞が、途中に潜んでいた見張りであろう者の背後から厳しく問うと、刀を抜いて振り向うとするから、鉄扇で手足の骨を砕いて身動きできないようにした。
新之丞は安全を確保してから自分達の長屋に戻った。
「無事か、誰も怪我人はいないか?」
「こんな連中に怪我させられる私たちじゃあありませんや。
長屋の者達も私の友達も、誰一人怪我しちゃいません」
「それならいい、倒れている連中を駕籠で運んでくれ」
「どこに運ぶんですか?」
(御老中の手の者が見張っているかもしれません)
伊之助が囁くように注意する。
「御嶽山でも高尾山でも日光山でも何処でもいい。
伊之助達に伝手のある寺社に放り込んでおいてくれ」
「面倒になられましたか、新之丞様?」
「ああ、段々面倒になってきた」
「何でしたら、ばっさりと全て断ち切る事もできますが?」
伊之助は囁くような声で言った。
「そうだな、あまり面倒をかけるようなら代わりの老中を選んだ方がいいかもしれないが、今暫くは上様が選ばれた侍従を信じてやろう」
新之丞も囁くような声で答える。
「御意」
「長屋の衆、今回の件は私が長命寺で女駕籠を助けたのが原因のようだ。
これ以上問題が起きないように、談判に行ってくる。
狼藉者達は証人として連れて行くので、御上の役人が来たら、そう言ってくれればいい」
新之丞はそう言うと、誰にも分からないように伊之助達に指示した。
「じゃあ俺達が手伝いましょう。
流石にこれだけ多いと新之丞様だけでは大変だ。
新之丞様は駕籠で運べと申されましたが、この夜分にこれだけの怪我人を運ぶ駕籠を見つけるのも大変ですぜ。
幸い俺の友達が川舟を使ってここまで来ています。
少々多くても川船なら運べますぜ」
「だったら俺っちの友達の船も使ってください。
丁度日暮里に住む友達が川舟を使って遊びに来ていたんです」
「そうか、雉之助の友達も川舟で遊びに来ていたのか。
だったら礼金を払うので、談判相手の所まで運んでくれ」
「「「「「よろこんで!」」」」」
0
お気に入りに追加
213
あなたにおすすめの小説

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

ふたりの旅路
三矢由巳
歴史・時代
第三章開始しました。以下は第一章のあらすじです。
志緒(しお)のいいなずけ駒井幸之助は文武両道に秀でた明るく心優しい青年だった。祝言を三カ月後に控え幸之助が急死した。幸せの絶頂から奈落の底に突き落とされた志緒と駒井家の人々。一周忌の後、家の存続のため駒井家は遠縁の山中家から源治郎を養子に迎えることに。志緒は源治郎と幸之助の妹佐江が結婚すると思っていたが、駒井家の人々は志緒に嫁に来て欲しいと言う。
無口で何を考えているかわからない源治郎との結婚に不安を感じる志緒。果たしてふたりの運命は……。
田楽屋のぶの店先日記〜殿ちびちゃん参るの巻〜
皐月なおみ
歴史・時代
わけあり夫婦のところに、わけあり子どもがやってきた!?
冨岡八幡宮の門前町で田楽屋を営む「のぶ」と亭主「安居晃之進」は、奇妙な駆け落ちをして一緒になったわけあり夫婦である。
あれから三年、子ができないこと以外は順調だ。
でもある日、晃之進が見知らぬ幼子「朔太郎」を、連れて帰ってきたからさあ、大変!
『これおかみ、わしに気安くさわるでない』
なんだか殿っぽい喋り方のこの子は何者?
もしかして、晃之進の…?
心穏やかではいられないながらも、一生懸命面倒をみるのぶに朔太郎も心を開くようになる。
『うふふ。わし、かかさまの抱っこだいすきじゃ』
そのうちにのぶは彼の尋常じゃない能力に気がついて…?
近所から『殿ちびちゃん』と呼ばれるようになった朔太郎とともに、田楽屋の店先で次々に起こる事件を解決する。
亭主との関係
子どもたちを振り回す理不尽な出来事に対する怒り
友人への複雑な思い
たくさんの出来事を乗り越えた先に、のぶが辿り着いた答えは…?
※田楽屋を営む主人公が、わけありで預かることになった朔太郎と、次々と起こる事件を解決する物語です!
※歴史・時代小説コンテストエントリー作品です。もしよろしければ応援よろしくお願いします。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
南町奉行所お耳役貞永正太郎の捕物帳
勇内一人
歴史・時代
第9回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作品に2024年6月1日より新章「材木商桧木屋お七の訴え」を追加しています(続きではなく途中からなので、わかりづらいかもしれません)
南町奉行所吟味方与力の貞永平一郎の一人息子、正太郎はお多福風邪にかかり両耳の聴覚を失ってしまう。父の跡目を継げない彼は吟味方書物役見習いとして南町奉行所に勤めている。ある時から聞こえない正太郎の耳が死者の声を拾うようになる。それは犯人や証言に不服がある場合、殺された本人が異議を唱える声だった。声を頼りに事件を再捜査すると、思わぬ真実が発覚していく。やがて、平一郎が喧嘩の巻き添えで殺され、正太郎の耳に亡き父の声が届く。
表紙はパブリックドメインQ 著作権フリー絵画:小原古邨 「月と蝙蝠」を使用しております。
2024年10月17日〜エブリスタにも公開を始めました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる