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9話

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「もっとだ!
 もっと、もっと殴ってくれ!
 いや、殴ってください!」

 全身に鳥肌が立ちました!
 あまりの嫌悪感にその場に立ち尽くしそうになりました。
 王太子が何を言っているのか理解したくない。
 心底そう思いました。

「白王、逃げて!
 ブリジットが固まっちゃったから、白王が判断して逃げて!」

 ヒィィィィイン!

 ペリーヌが!
 ペリーヌが自分から動いてくれました!
 私が頼りないから、自分が何とかしないといけないと、そう思ってくれたのか?
 理由なんかどうでもいいです。
 自分なんかどうなってもいいという態度だったペリーヌが、自分だけでなく、私まで助けようとしてくれているのです!

 それにして、なんなんですか!
 王太子が気持ち悪すぎます!
 一部の貴族の中には、あのような特殊な趣味のモノがいると聞いたことはありますが、それは単なる噂で、実在するとは思っていませんでした。
 私はあのようなモノに側によられるのも嫌です。
 いえ、私の事を考えていると思っただけで怖気に襲われてしまいます!

「ねえ、ブリジット。
 ブリジットは相手が犯罪者ギルドでも、いえ、国が相手でも戦ってくれるの?」

「ええ、戦うわよ。
 相手がどこの誰であろうと関係ないわ。
 正しい事のためなら、命を懸けて戦うわよ」

 ペリーヌが秘密を話そうとしてくれています。
 ここで少しでも躊躇ったら、二度と信じてくれないでしょう。
 だから即答しました。
 即答したからといって、いい加減な気持ちで返事したわけではありません。
 家を出て以来、常在戦場の気持ちでいるのです。

「私の持っている秘密は、大陸中の国やギルドが狙っているの。
 もしかしたら国が同盟して連合軍を編成するほどよ。
 犯罪者ギルドだけじゃないわ。
 職人ギルドや冒険者ギルドまで襲ってくるわ。
 それでも助けてくれるの!」

「ペリーヌ。
 正しい事のためなら、力及ばずとも戦うよ。
 でも悪事には加担できないよ」

「悪事じゃないわ!
 お父さんは、みんなのために役に立つ鉱物を探していただけよ!
 それなのに、役に立つ鉱物を見つけたのに、それを奪おうとする奴らが!」

「よほどのモノを見つけたんだね。
 一体何を見つけたんだい」

「ミスリルよ。
 信じられなくらいの大鉱脈なの。
 この大陸中のミスリル鉱山を併せた何十倍もの……」

「なるほど。
 それでは命を狙われるね。
 うん、私一人では護り切れないね。
 ああ、心配しないで。
 見捨てたりはしないわ。
 信用信頼できる仲間が必要ね。
 それと傭兵を雇う軍資金が必要ね」

「ダメよ!
 冒険者も傭兵も信用できないわ!
 みんなミスリルに目がくらんで裏切ったわ!」

「大丈夫。
 自由戦士ギルドだけは絶対に裏切らないわ。
 でも油断するわけにいかなし、自分も強くならないといけないわ。
 私と一緒に、軍資金稼ぎもかねて修行する覚悟はある?」

「あるわ!
 強くなってお父さんの敵を討つわ!」

「じゃあ行きましょう!」
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みんなの感想(1件)

かきくけお
2020.04.04 かきくけお

いや~へんたい、こんな野郎はアレを切り刻んでやればいいんだ~。

克全
2020.04.04 克全

感想ありがとうございます。

18禁作品で使わせてもらいます。

解除

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