土魔法で富国強兵?

克全

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発展の章

人手不足と失業2

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 だが本当の問題は、人手不足をどうするかだった。
 そもそも俺は、日本の人口は三〇〇〇万人程度でいいと思っていた。
 江戸時代末期の人口がそれくらいで、日本の国土で養える人間はそれくらいなのだ。
 それ以上いるから、あくせくして働かなければいけないのだ。
 晴耕雨読の生活を楽しむには、今の人口は多すぎると考えていた。

 だが、だからと言って、今いる人達を殺す訳にはいかない。
 憲法で、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると規定されているのだ。
 だから、その生活の基となる仕事を創り出した。
 仕事を創り出す為に、日本の産業を創り出した。
 だが、多くの人が現場で汗して働くのを嫌った。

 まず根本的に、大陸大国と半島国の侵攻攻撃の影響で、日本国籍を有していない人間を強制帰国させた影響がある。
 表向き入国していた人間だけでなく、工作員はもちろん、反社会組織が密入国させていた人間も徹底的に摘発して、結局働き盛りの人間三八二万人を強制帰国させているのだ。
 建設現場の人手不足は激しかった。

 いや、それだけではない。
 サービス業での人手不足が激しかった。
 反日マス塵と権利屋の破壊工作で、日本人のモラルが著しく低下していた。
 権利権利と言い立てて、サービス業従事する人間に、パワハラと名誉棄損を繰り返した。
 サービス業に従事する日本人のモラル違反や犯罪も激しかった。

 だから、俺の傘下のサービス業は、防犯カメラという前提で監視カメラを設置し、社員に対する客のパワハラや名誉棄損に対して、徹底的に戦った。
 別にサービス業が倒産しても構わない。
 他の部門でぼろ儲けできているのだ。
 社員は他の部門に移動してもらえばいい。

 だが倒産などしなかった。
 DQNとの同席を怖がっていた人達が、率先して利用してくれた。
 何より他のサービス業が軒並み倒産していて、ライバル店が激減していた。
 在留外国人に頼っていたサービス業は、コンビニを始め、飲食業も次々と倒産していたのだ。
 それに加えて、違法在留外国人を雇用していた企業は、俺が徹底的に叩き潰した。

 俺がサービス業従事者にも真っ当な給与を支払ったから、他社に人間が集まらなくなった。
 俺はサービス業を正したいので、大赤字でも構わないのだ。
 他業種で莫大の利益があるから、誰が相手であろうと負けない。
 仕方なく同業他社も給与を上げた。
 多くの商品が値上げされることになった。

 ある企業は、フランチャイズ店の店主に、傘下保険会社の生命保険に無理入り入らせておいて、回転資金を貸し与えては自殺に追い込んでいた。
 努力に努力を重ねて、黒字を成し遂げたのフランチャイズ店には、その直ぐ側に直営店を出して赤字にするのだ。
 それを聞いた俺は激怒して、莫大な訴訟費用を寄付した。
 フランチャイズを募集していた大企業を徹底的に叩いた。

 営利殺人。
 保険金目当ての自殺強要をとして訴えさせた。
 そしてそれを裏付ける証拠は、傘下企業に全力で調べさせるとともに、ネットを使って懸賞金をかけて証拠を集めた。
 その大企業は俺に買収され、オーナー一族は営利自殺強要で有罪となった。

 二四時間営業のコンビニは営業形態を変え、それこそ午前七時から午後一一時までの営業となった。
 外食と中食の単価は高くなったが、その分日本の平均賃金は高くなった。
 何と言っても、日本の平均賃金を下げていたサービス業の賃金が大きく上昇したのだから。
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