土魔法で富国強兵?

克全

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発展の章

尖閣島基地化(第三者視点)

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 尖閣島の隆起を知った日本政府は狂喜乱舞した。
 長年沖縄の基地問題に悩まされていたからだ。
 尖閣島に米軍基地を移転出来れば、全て解消される。
 基地問題との兼ね合いで出していた、沖縄振興予算を取り止める事が出来る。
 今迄散々ごねてきたのだから、少々痛い思いは当然だと、官僚も政治家も考えた。

 しかも本来なら尖閣島は個人資産なので、用地買収か用地賃貸の厳しい交渉が必要な所を、全く何の交渉の必要もない。
 持ち主である佐藤一朗が、莫大な個人資産を投入して基地化してくれる。
 本来必要な助成金や援助金が全くいらないだけでなく、裏金すら必要ないのだ。
 これほど楽なことはないのだ。

 佐渡島と北海道、与那国島と西表島と同じように、地対艦ミサイルと地対空ミサイルが大量に配備された。
 それとほぼ同時に、F三五B戦闘機とヘリコプターを運用する臨時基地が建設された。
 アメリカ海軍艦隊と海上自衛隊が周辺海域を防衛しているが、その後方支援策だった。
 綿密なローテーションを組んでいるものの、実際に戦争になった場合、民間人に被害を出さないためには、まだまだ時間がかかる。

 今は臨時の仮桟橋しかないが、横須賀基地すら超える海軍基地が建設中である。
 世界最大のフォート・ブラッグ基地を超える航空基地も建設中だ。
 その端緒が、F三五B戦闘機とヘリコプターを運用する臨時基地なのだが、それ米軍用と航空自衛隊用と佐藤財閥用の三カ所も建設中なのだ。

 それと同時に、民間用として国際規模の港湾施設の建設は当然だが、ハブ空港として使用出来るくらいの国際空港もいずれは必要になる。
 だから尖閣島には、佐藤財閥傘下の企業が多数の社員を送り込んでいた。
 百パーセント佐藤一朗個人が所有する島なのだから、開発にも力が入りるというモノだ。

 情けない話だが、佐藤財閥系の社員とは言え、宮仕えに違いはない。
 忖度が働くのも当然だし、いいところを見せようとする気持ちも芽生える。
 中には純粋に国防を考えて働く者もいるが、普通は欲得の気持ちがある。
 それに、当然出張手当がふんだんに支給される。
 身元の信用出来ない者は、例え単純労働作業員でも、尖閣島には上陸させられないからだ。

 その社員達の中には、資源調査の為の人員も多数参加していた。
 今迄は電子や中性子の数を変える事で石油や天然ガス、金銀財宝を創り出していた桃と緑だが、今回は噴火に力を使い過ぎていたので、意識して価値あるモノは創り出していなかったのだ。
 だが、地下奥深くから湧き出したマグマなので、何が含まれているか調査する必要があったのだ。
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