土魔法で富国強兵?

克全

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発展の章

軌道エレベータ

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「パパ広いでしょう」
「ああ、衛星の映像で見てはいたけれど、実際にこの目で見ると、驚くほど大きいな」
「ここだけではないよ、パパ」
「そうか、そうだな。
 桃と緑が精魂込めて創り出してくれた島だから、どこもかしこも素晴らしいのだろうね」
「「うん」」

 桃と緑が力強く返事してくれた。
 尖閣諸島改め尖閣島は、アメリカ軍と自衛隊に任せた。
 大陸大国と半島国に備えるには、格好の立地なのだ。
 まだ隆起してから間がないので、両軍とも完全に信用していないようだが、桃と緑が創り出してくれた島だから、地震や噴火などの心配がない。
 俺達に危害を加えなければだが。

 そして俺達がやってきたのは、傘下の民間海上軍事会社の社員達に任せていた、赤道上の新島だ。
 まだ大陸大国と周辺諸国が認めないので、日本領と確定してはいないが、日本が実効支配している事に間違いはない。
 多くの国が何度も何度も強硬上陸しようとしたが、その度に艦艇や航空もろとも海の藻屑となっていた。

 噴火活動で巨大化した島の面積は、既に四国の一万八二九七平方キロメートルを超えている。
 しかも帯状に広がっている部分も長大なので、領海としても単に固まっているよりも広かった。
 しかもその長大な帯状突起は、本島部分と繋がっている上に、本島を護る環礁状態となっているので、環礁内に広大な海洋牧場を創る事が出来る。

 噴火が収まった本島部分でも、塩分を多分に含んだ火山岩地帯でも育つ牧草を蒔き、牧畜を行う計画を立てている。
 緑肥作物の中でも特に耐塩性の高い飼料イネの試験栽培を始めた。
 だが何より資金を投入したのは、整地作業だった。

 そもそも赤道に島を創り出してもらったのは、軌道エレベータを創り出す為だった。
 地球の表面から軌道以上まで伸びるエレベーターは、日本の宇宙政策に絶対必要だと考えたのだ。
 現在開発されているカーボンナノチューブを使えば、一兆円から二兆円あれば創り出す事が出来る。
 どれほど資金と技術があろうとも、日本の緯度で軌道エレベータを運用する事は不可能だ。
 まずは種子島のJAXA(ジャクサ)を移転させ、スペースシャトルを打ち上げる所までもっていきたい

 その為の資金として、地質改良に一兆円を準備した。
 鉱山や油田の基地や住宅地の建設の為にも一兆円を準備した。
 宇宙開発基地の建設にも一兆円を準備した。
 スペースシャトルの開発に二兆円を準備した。
 軌道エレベータ建設の為の技術開発に二兆円準備した。
 軌道エレベータ建設自体には五兆円準備した。
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