土魔法で富国強兵?

克全

文字の大きさ
上 下
71 / 90
発展の章

軌道エレベータ

しおりを挟む
「パパ広いでしょう」
「ああ、衛星の映像で見てはいたけれど、実際にこの目で見ると、驚くほど大きいな」
「ここだけではないよ、パパ」
「そうか、そうだな。
 桃と緑が精魂込めて創り出してくれた島だから、どこもかしこも素晴らしいのだろうね」
「「うん」」

 桃と緑が力強く返事してくれた。
 尖閣諸島改め尖閣島は、アメリカ軍と自衛隊に任せた。
 大陸大国と半島国に備えるには、格好の立地なのだ。
 まだ隆起してから間がないので、両軍とも完全に信用していないようだが、桃と緑が創り出してくれた島だから、地震や噴火などの心配がない。
 俺達に危害を加えなければだが。

 そして俺達がやってきたのは、傘下の民間海上軍事会社の社員達に任せていた、赤道上の新島だ。
 まだ大陸大国と周辺諸国が認めないので、日本領と確定してはいないが、日本が実効支配している事に間違いはない。
 多くの国が何度も何度も強硬上陸しようとしたが、その度に艦艇や航空もろとも海の藻屑となっていた。

 噴火活動で巨大化した島の面積は、既に四国の一万八二九七平方キロメートルを超えている。
 しかも帯状に広がっている部分も長大なので、領海としても単に固まっているよりも広かった。
 しかもその長大な帯状突起は、本島部分と繋がっている上に、本島を護る環礁状態となっているので、環礁内に広大な海洋牧場を創る事が出来る。

 噴火が収まった本島部分でも、塩分を多分に含んだ火山岩地帯でも育つ牧草を蒔き、牧畜を行う計画を立てている。
 緑肥作物の中でも特に耐塩性の高い飼料イネの試験栽培を始めた。
 だが何より資金を投入したのは、整地作業だった。

 そもそも赤道に島を創り出してもらったのは、軌道エレベータを創り出す為だった。
 地球の表面から軌道以上まで伸びるエレベーターは、日本の宇宙政策に絶対必要だと考えたのだ。
 現在開発されているカーボンナノチューブを使えば、一兆円から二兆円あれば創り出す事が出来る。
 どれほど資金と技術があろうとも、日本の緯度で軌道エレベータを運用する事は不可能だ。
 まずは種子島のJAXA(ジャクサ)を移転させ、スペースシャトルを打ち上げる所までもっていきたい

 その為の資金として、地質改良に一兆円を準備した。
 鉱山や油田の基地や住宅地の建設の為にも一兆円を準備した。
 宇宙開発基地の建設にも一兆円を準備した。
 スペースシャトルの開発に二兆円を準備した。
 軌道エレベータ建設の為の技術開発に二兆円準備した。
 軌道エレベータ建設自体には五兆円準備した。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

(完)なにも死ぬことないでしょう?

青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。 悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。 若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。 『亭主、元気で留守がいい』ということを。 だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。 ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。 昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」にも掲載。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

従妹を甘やかす婚約者に意趣返しするお話

下菊みこと
恋愛
従兄と結託してやり返すお話。 元サヤではありません。 御都合主義のハッピーエンドです。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

あるところに嫌われ者のお姫様がいた。

下菊みこと
ファンタジー
家族のやり直しのお話。 御都合主義のハッピーエンド。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...