59 / 90
進撃の章
上陸
しおりを挟む
俺達が上陸を決行した島は、とても自然に出来たとは思われない島だった。
まあ、当然だろう。
俺の想いを受けて、桃と緑が丹念に創り出してくれた島なのだから。
多くの者は、ムー大陸やアトランティス大陸の遺跡だと思うだろう。
それくらい人工的に見える島だった。
島はエクアドルの沖合にあるガラパゴス諸島の更に沖合にある。
二百海里の領海でもめないように、ガラパゴス諸島から更に五百海里沖合にある。
島の周囲は、一面を除いて標高千メートルの切り立った崖になっていて、何者の侵入も津波の影響も受けない鉄壁の防御を誇っている。
だがガラパゴス諸島の反対面は、絶好の港になっている。
これが人口の島だと疑われる所で、内側は船を接舷出来る絶好の桟橋のような、二本の腕のように飛び出た山脈がある。
左の山脈は標高六百メートルで、縦五キロメートル横五キロメートルのL字となっている。
右の山脈も標高六百メートルで、縦六キロメートル、左の山脈腕を護るように横に六キロメートル、更にのその先も左の山脈腕を護るように、島に戻る形で三キロメートル伸びている。
どう考えても人工物としか思えない、安全な港に入るための水路だ。
子供を抱いて護る左右の腕のような山脈の内側は、何の加工もしないで船を接舷する事が出来る。
しかも、島の崖を内側に突き抜ける洞窟まで、なだらかな道が左右の腕から伸びている。
その道は、大型バスが楽々行き交う事の出来る二車線道路の幅に加え、自転車道と歩道まで設置する余裕がある。
誰がどう考えても人工の島だ。
それも島を造形できるような、現代人を遥かに超える科学文明だ。
俺はほとほと桃と緑の力に感心した。
島の形を考える時には、空想を働かせて色々な要求をした。
だがそれを本当に実現出来るなどとは思っていなかった。
海底面を隆起させて島を創り出すか、火山を噴火させて島を創り出せるくらいだと思っていた。
だがその予想はいい意味で覆された。
何と島の面積は八五四・七八平方キロメートルで、佐渡島に匹敵する。
佐渡島の江戸時代の石高は二万石だ。
耕作地として利用できるのなら、江戸時代の食糧事情なら、二万人を養えることになる。
だがほぼ火山岩で出来た島では、農業など出来るはずもない。
しかし佐渡と同じようの、金銀が大量に埋もれている宝の山だ。
いや、金銀だけではなく、あらゆるレアメタルと宝石が埋まっている。
「桃。
緑。
本当にありがとう。
これほど立派な島が出来るとは思っていなかったよ」
「桃えらい」
「ああ、桃は偉いよ」
「緑は役に立った」
「ああ、緑は凄く役に立ってくれたよ」
自衛隊員と離れて、親子の内緒話をしていると、東郷君が合図を送ってきた。
「どうかしましたか」
「中国の船団が此方に向かって来るようです」
「直ぐに来るのですか」
「漁船団のようですから、途中の給油や補給を含めて、一ヶ月程度だと思われます」
「その間に迎撃の準備を御願いします」
「了解しました」
まあ、当然だろう。
俺の想いを受けて、桃と緑が丹念に創り出してくれた島なのだから。
多くの者は、ムー大陸やアトランティス大陸の遺跡だと思うだろう。
それくらい人工的に見える島だった。
島はエクアドルの沖合にあるガラパゴス諸島の更に沖合にある。
二百海里の領海でもめないように、ガラパゴス諸島から更に五百海里沖合にある。
島の周囲は、一面を除いて標高千メートルの切り立った崖になっていて、何者の侵入も津波の影響も受けない鉄壁の防御を誇っている。
だがガラパゴス諸島の反対面は、絶好の港になっている。
これが人口の島だと疑われる所で、内側は船を接舷出来る絶好の桟橋のような、二本の腕のように飛び出た山脈がある。
左の山脈は標高六百メートルで、縦五キロメートル横五キロメートルのL字となっている。
右の山脈も標高六百メートルで、縦六キロメートル、左の山脈腕を護るように横に六キロメートル、更にのその先も左の山脈腕を護るように、島に戻る形で三キロメートル伸びている。
どう考えても人工物としか思えない、安全な港に入るための水路だ。
子供を抱いて護る左右の腕のような山脈の内側は、何の加工もしないで船を接舷する事が出来る。
しかも、島の崖を内側に突き抜ける洞窟まで、なだらかな道が左右の腕から伸びている。
その道は、大型バスが楽々行き交う事の出来る二車線道路の幅に加え、自転車道と歩道まで設置する余裕がある。
誰がどう考えても人工の島だ。
それも島を造形できるような、現代人を遥かに超える科学文明だ。
俺はほとほと桃と緑の力に感心した。
島の形を考える時には、空想を働かせて色々な要求をした。
だがそれを本当に実現出来るなどとは思っていなかった。
海底面を隆起させて島を創り出すか、火山を噴火させて島を創り出せるくらいだと思っていた。
だがその予想はいい意味で覆された。
何と島の面積は八五四・七八平方キロメートルで、佐渡島に匹敵する。
佐渡島の江戸時代の石高は二万石だ。
耕作地として利用できるのなら、江戸時代の食糧事情なら、二万人を養えることになる。
だがほぼ火山岩で出来た島では、農業など出来るはずもない。
しかし佐渡と同じようの、金銀が大量に埋もれている宝の山だ。
いや、金銀だけではなく、あらゆるレアメタルと宝石が埋まっている。
「桃。
緑。
本当にありがとう。
これほど立派な島が出来るとは思っていなかったよ」
「桃えらい」
「ああ、桃は偉いよ」
「緑は役に立った」
「ああ、緑は凄く役に立ってくれたよ」
自衛隊員と離れて、親子の内緒話をしていると、東郷君が合図を送ってきた。
「どうかしましたか」
「中国の船団が此方に向かって来るようです」
「直ぐに来るのですか」
「漁船団のようですから、途中の給油や補給を含めて、一ヶ月程度だと思われます」
「その間に迎撃の準備を御願いします」
「了解しました」
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」にも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる