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進撃の章
新島
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「上陸する。
準備をしてくれ」
「危険です、社長」
「この島の所有権は、俺に名義にしなければならないのだ」
「それは分かっておりますが」
「自衛官に上陸させたら、噴火が起こって全滅するぞ」
「それは、この噴火が社長の力だと言われるのですか」
「今迄の事を考えれば、俺に神意が宿っていることくらい、分かっているだろう」
「……」
「日本政府が欲をかくと、冗談ではなく日本沈没が起こるぞ」
「……分かりました。
東郷君、兵を率いてくれ」
「はい」
訓練の教官名目で乗艦していた現役海上自衛官達が、俺達の護衛も兼ねて同行してくれるようだ。
既にタワラ級強襲ヘリコプター揚陸艦からは、LCACホバークラフトが我が艦に接舷し、俺の決断を待っている。
そういう意味では、総理を始めとする内閣は、理性的だと言えるだろう。
まあ、俺を怒らせたら、全力で倒閣運動や政権交代運動をすると言うのは馬鹿でも分かるから、悪辣な真似は控えて当然かもしれない。
この場所に新島を創り出したのは、考えに考えての決断だ。
今後の方針を考えれば、赤道周辺に日本の領土が必要だったのだ。
単に海上資源を確保するだけなら、日本周辺の公海でも構わなかった。
その方が安全だし短期間で済む。
だがそれでは、俺の夢が実現出来ないのだ。
だから手間がかかる方法をとった。
事前に桃と緑に大規模な海底火山を創り出してもらい、時が来たら一気に海上に隆起させる段取りを整えた。
干潮時間に合わせて、八丈島規模の島を一気に海上に隆起させ、俺達が上陸して実効支配する事にしたのだ。
しかもその時期は、北東大国と大陸大国の潜水艦が、交代して帰国する日数を計算した上で計画し、実施するのは実際の潜水艦の動向に合わせて変えるというモノだった。
陽動作戦として、北東大国と半島国との海上領海線で、漁船団による領海紛争を起こさせ、両国の軍用艦艇を領海に貼り付けるという方法をとった。
安全確保の為に、日米安全保障条約を利用して、アメリカ海軍艦艇も同行させたが、その為に随分と裏金を使い、金塊の一部をアメリカ合衆国政府に売ることになったが、それに見合う価値は十分あった。
どこの国の艦艇もいない空白期間に、新島を発見して上陸実効支配をしたのだ。
ネット動画を使い、俺が新島を発見して上陸実効支配したことを世界中に発信した。
既に俺と桃と緑は、世界一視聴者が多いから、世界中で承認されたことになる。
日本政府も即座に新島の領有を宣言し、国連に登録すべく動き出している。
この時の為に、国連に多くの日本人を送り込んでいたのだ。
「公海上の新島発見」
公海とは,いずれの国の内水や領海,群島水域,排他的経済水域にも含まれない海洋のすべての部分。
国際法上は「その国が領有の意志をもってその土地を実効的に支配する必要がある」といわれている。
準備をしてくれ」
「危険です、社長」
「この島の所有権は、俺に名義にしなければならないのだ」
「それは分かっておりますが」
「自衛官に上陸させたら、噴火が起こって全滅するぞ」
「それは、この噴火が社長の力だと言われるのですか」
「今迄の事を考えれば、俺に神意が宿っていることくらい、分かっているだろう」
「……」
「日本政府が欲をかくと、冗談ではなく日本沈没が起こるぞ」
「……分かりました。
東郷君、兵を率いてくれ」
「はい」
訓練の教官名目で乗艦していた現役海上自衛官達が、俺達の護衛も兼ねて同行してくれるようだ。
既にタワラ級強襲ヘリコプター揚陸艦からは、LCACホバークラフトが我が艦に接舷し、俺の決断を待っている。
そういう意味では、総理を始めとする内閣は、理性的だと言えるだろう。
まあ、俺を怒らせたら、全力で倒閣運動や政権交代運動をすると言うのは馬鹿でも分かるから、悪辣な真似は控えて当然かもしれない。
この場所に新島を創り出したのは、考えに考えての決断だ。
今後の方針を考えれば、赤道周辺に日本の領土が必要だったのだ。
単に海上資源を確保するだけなら、日本周辺の公海でも構わなかった。
その方が安全だし短期間で済む。
だがそれでは、俺の夢が実現出来ないのだ。
だから手間がかかる方法をとった。
事前に桃と緑に大規模な海底火山を創り出してもらい、時が来たら一気に海上に隆起させる段取りを整えた。
干潮時間に合わせて、八丈島規模の島を一気に海上に隆起させ、俺達が上陸して実効支配する事にしたのだ。
しかもその時期は、北東大国と大陸大国の潜水艦が、交代して帰国する日数を計算した上で計画し、実施するのは実際の潜水艦の動向に合わせて変えるというモノだった。
陽動作戦として、北東大国と半島国との海上領海線で、漁船団による領海紛争を起こさせ、両国の軍用艦艇を領海に貼り付けるという方法をとった。
安全確保の為に、日米安全保障条約を利用して、アメリカ海軍艦艇も同行させたが、その為に随分と裏金を使い、金塊の一部をアメリカ合衆国政府に売ることになったが、それに見合う価値は十分あった。
どこの国の艦艇もいない空白期間に、新島を発見して上陸実効支配をしたのだ。
ネット動画を使い、俺が新島を発見して上陸実効支配したことを世界中に発信した。
既に俺と桃と緑は、世界一視聴者が多いから、世界中で承認されたことになる。
日本政府も即座に新島の領有を宣言し、国連に登録すべく動き出している。
この時の為に、国連に多くの日本人を送り込んでいたのだ。
「公海上の新島発見」
公海とは,いずれの国の内水や領海,群島水域,排他的経済水域にも含まれない海洋のすべての部分。
国際法上は「その国が領有の意志をもってその土地を実効的に支配する必要がある」といわれている。
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