土魔法で富国強兵?

克全

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進撃の章

レアアース

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「社長。
 この山林なんですが、購入して欲しいと依頼がありました」
「何か紐が付いているんじゃないのか」
「いえ、家に煽られた企業が買い漁って試掘したそうなんですが、全く何も出なかったそうです」
「それで資金回収に動いていると言う事かい」
「はい」

 やれやれ。
 俺が百発百中で開発に成功しているのは、土地を見る目が有るのではなく、桃と緑に創り出してもらっているからだ。
 北東大国と大陸大国が、俺の事を地形兵器を操る大悪人と罵っているのだから、真似しても無駄なのは分かっているだろうに。

「買い叩く事は可能かい」
「はい、この会社が購入した金額より安くさせることが出来ます」
「この会社は、山林を購入する時に地主さんに迷惑をかけたのかな」
「いえ、家に煽られていたのもあって、言い値で買ったそうです」
「だったら虐めるのもかわいそうだね」
「その辺は社長の御考え通りに」
「首でもつられたら寝覚めが悪い」
「そうですね」
「生活に困らないような値段で買ってくれ。
 その辺の事は担当によく言い聞かせてくれ」
「了解しました」

 最近頻繁に土地の購入を依頼される。
 俺の触発されて廃鉱山を試掘した企業はもちろん、一から山林を買収して試掘する企業や個人までいた。
 だが皆失敗して、資金繰りが苦しくなってしまい、俺に買収を持ちかけて来るのだ。
 土地の買収時に悪事を働かなかった会社には優しく応じ、悪事を働いた会社は徹底的に追い込みをかけた。
 わが社の傘下にあるテレビ局や新聞社を使って、二度と悪事が出来ないように顔バレさせてやった。

 中には厚かましく共同開発を持ちかける会社もあったが、そんな会社は追い込みをかけてやった。
 俺に嫌われたと分かったら、多くの会社がその会社との取引を控えるようになるので、早晩倒産することになるのだ。
 善良な企業の山林は良心価格で買い取り、桃と緑に必要な金銀宝石や石油天然ガスを創り出してもらった。
 必要に応じて、レアメタルやレアアースも創り出してもらった。

 株式買収した傘下企業には、優先的に安価な資材を販売し、生産した商品をグループ内で優先購入した。
 もちろんそれに応じた品質を保つように厳しく指導したが、親会社・子会社・孫請け曾孫請け会社での差別はさせなかった。
 同一労働同一賃金を守らせて、親会社と孫請け会社間の賃金格差を、他のグループでは考えられないくらいなくした。

 全く賃金差がないとは言わないが、他社の有能な職工が次々と転職してくるくらいの高賃金を、現場の職人に保証した。
 わが社の傘下にある会社員は家族だと思っている。
 特に初期メンバーである予備自衛官は命を助けてくれた恩人でもあるのだ。
 絶対に疎かには扱わない。

 だが、まあ、なんだ。
 これの会社は急激に買収発展したこともあり、戦前の財閥のようになってしまった。

「レアアース」
カンジウム  : 
イットリウム :蛍光物質材料
ランタン   :
セリウム   :触媒、排出物を還元するための燃料への添加剤、ガラス、エナメルの着色剤
プラセオジム :黄色の顔料
ネオジム   :強力な磁性体の材料
プロメチウム :放射性元素
サマリウム  :強力な磁性体の材料
ユウロピウム :蛍光物質の材料
カドリニウム :磁性体材料
テルビウム  :蛍光体材料
ジスプロシウム:蛍光体材料
ホルミウム  :最も高い磁気モーメント
エルビウム  :光ファイバー
ツリウム   :放射線計量
イッテルビウム:顔料・写真フィルタ
ルテチウム  : 
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