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プロローグ
報復
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「大丈夫かい、桃。
無理しなくていいんだよ」
「大丈夫だよ、パパ」
「緑は大丈夫かい。
本当に無理していないかい」
「任せて、パパ」
桃も緑も急激に大人びてきた。
もう耳も尻尾も隠すことが出来るようになった。
人前に出ても、人間として振る舞う事が出来る。
半獣形態を誤魔化すために、コスプレだと擬態する必要もなくなった。
御陰で俺も、似合わないコスプレをしなくて済むようになった。
「あの船は味方なんだよね、パパ」
「ああ、あれは海上自衛隊がアメリカ海軍から譲渡された、強襲揚陸艦だよ」
「あの船も味方ですよね」
「そうだよ。
あの船も海上自衛隊がアメリカ海軍から譲渡された、駆逐艦だよ」
俺達が上陸している島を護るための、元アメリカ海軍のタラワ級強襲揚陸艦、ナッソーとペリリューの二艦と、同じく元アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦が八艦も派遣されている。
俺が政府に働きかけて実現させた、アメリカ海軍退役艦艇を譲渡してもらう政策で得た、全艦艇をここに投入している。
一個護衛隊群が全力派遣されている。
日本政府の本気度がひしひしと感じられるが、大陸大国はもっと本気だった。
「他のちっこいふね全部沈めていいの」
「ああ、でも味方の船には少しの被害も出さないで欲しい」
「それは流石に難しいよ、パパ」
「そうか。
緑も難しいと思うかい」
「一旦味方の船にどいてもらったら大丈夫」
さてどうする。
味方艦艇がいなくなった隙に、大陸大国の漁民に変装した軍人が上陸してきてしまう。
噴火によって新たに公海上に出来た島だから、実効支配が領有権となる。
数十万人を殺してでも、この島を盗りに来るだろう。
だが、桃と緑はどうやってあいつらを撃退する心算だ。
「桃と緑はどうやって撃退する心算なんだい」
「緑は噴火させる心算かい」
「そうだよ。
海底から噴火させれば、日本の攻撃だと非難出来ないでしょ」
「だそうだよ、パパ」
「逃げ延びて上陸してきた奴らも、噴火でやっつけられるのかい」
「そうだよ、パパ」
緑は見かけは女の子のような服装をしているが、実際には男の子だから、結構残虐な所もある。
俺が嫌っている大陸大国の偽装漁船がこの島に来たことで、本気で攻撃する気になっている。
中には元軍艦だった武装公船も十隻ほど混じっている。
奴らの言い分では、この島はまだ誰の領地でもなく、実効支配した者のモノだというのだろう。
「上陸してしてきた人間も噴火で始末出来るのなら、急いでやる必要もない。
まずは俺達も避難しよう」
「分かった、パパ」
「分かりました、パパ」
「急いでここから逃げる、ヘリを送ってくれ」
「了解しました。
島はどうなされるのですか」
「もう直ぐ噴火が起きる。
海上の船も、上陸した人間も助からない。
急いでくれ」
「了解しました。
社長達の退避まで時間を稼ぎます。
中国漁船に警告しますか」
「……ああ、警告してやってくれ」
無理しなくていいんだよ」
「大丈夫だよ、パパ」
「緑は大丈夫かい。
本当に無理していないかい」
「任せて、パパ」
桃も緑も急激に大人びてきた。
もう耳も尻尾も隠すことが出来るようになった。
人前に出ても、人間として振る舞う事が出来る。
半獣形態を誤魔化すために、コスプレだと擬態する必要もなくなった。
御陰で俺も、似合わないコスプレをしなくて済むようになった。
「あの船は味方なんだよね、パパ」
「ああ、あれは海上自衛隊がアメリカ海軍から譲渡された、強襲揚陸艦だよ」
「あの船も味方ですよね」
「そうだよ。
あの船も海上自衛隊がアメリカ海軍から譲渡された、駆逐艦だよ」
俺達が上陸している島を護るための、元アメリカ海軍のタラワ級強襲揚陸艦、ナッソーとペリリューの二艦と、同じく元アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦が八艦も派遣されている。
俺が政府に働きかけて実現させた、アメリカ海軍退役艦艇を譲渡してもらう政策で得た、全艦艇をここに投入している。
一個護衛隊群が全力派遣されている。
日本政府の本気度がひしひしと感じられるが、大陸大国はもっと本気だった。
「他のちっこいふね全部沈めていいの」
「ああ、でも味方の船には少しの被害も出さないで欲しい」
「それは流石に難しいよ、パパ」
「そうか。
緑も難しいと思うかい」
「一旦味方の船にどいてもらったら大丈夫」
さてどうする。
味方艦艇がいなくなった隙に、大陸大国の漁民に変装した軍人が上陸してきてしまう。
噴火によって新たに公海上に出来た島だから、実効支配が領有権となる。
数十万人を殺してでも、この島を盗りに来るだろう。
だが、桃と緑はどうやってあいつらを撃退する心算だ。
「桃と緑はどうやって撃退する心算なんだい」
「緑は噴火させる心算かい」
「そうだよ。
海底から噴火させれば、日本の攻撃だと非難出来ないでしょ」
「だそうだよ、パパ」
「逃げ延びて上陸してきた奴らも、噴火でやっつけられるのかい」
「そうだよ、パパ」
緑は見かけは女の子のような服装をしているが、実際には男の子だから、結構残虐な所もある。
俺が嫌っている大陸大国の偽装漁船がこの島に来たことで、本気で攻撃する気になっている。
中には元軍艦だった武装公船も十隻ほど混じっている。
奴らの言い分では、この島はまだ誰の領地でもなく、実効支配した者のモノだというのだろう。
「上陸してしてきた人間も噴火で始末出来るのなら、急いでやる必要もない。
まずは俺達も避難しよう」
「分かった、パパ」
「分かりました、パパ」
「急いでここから逃げる、ヘリを送ってくれ」
「了解しました。
島はどうなされるのですか」
「もう直ぐ噴火が起きる。
海上の船も、上陸した人間も助からない。
急いでくれ」
「了解しました。
社長達の退避まで時間を稼ぎます。
中国漁船に警告しますか」
「……ああ、警告してやってくれ」
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