土魔法で富国強兵?

克全

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進撃の章

自主独立

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「パパ、きもちいぃぃぃぃ」
「桃、そんなに駆けたら危ないよ」
「だいじょうぶぅぅぅぅぅ」
「パパ、ぼくもたのしいです」
「緑も気を付けるのだよ」
「はい、パパ」

 桃も緑も、何の手入れもされていない雑木林を駆けている。
 元が妖狐だから、走り回るのが大好きなのかもしれない。
 獣形態で走りたいのを我慢しているのかもと思うと、とても不憫だ。
 おそろいのジャンプスーツとても似合っているが、耳と尻尾は出たままだ。
 未だにコスプレだと思ってもらわなければならいから、俺も特殊メイクと言ってもいいコスプレ姿だ。

「社長、申し訳ありません。
 そろそろ試掘現場に戻って頂きたいのですが」
「もうそんな時間なんだね。
 桃。
 緑。
 時間だから行くよ」
「はあぁぁぁぁい」
「分かりました」

 何時の間にか、二時間も駆け回っていたようだ。
 財力を手に入れ、色々と起業してしまうと、時間に追われるようになってしまった。
 桃と緑と一緒にいる時間は、何が何でも確保しているが、社員に無責任な態度をとる訳にもいかない。
 俺達には何か特殊な能力があると思っているのだろうが、余りにフラフラしていると、社員達も生活基盤が心配になるだろう。

「社長。試掘を始めて宜しいですか」
「ああ、始めてくれ」
「はじめぇぇぇぇ」
「はじまりです」
「かかれぇぇぇ」
「「「「「おうぅぅぅ」」」」」

 自前で設立した警備会社の予備自衛官に護られて、石油試掘会場にやってきた。
 桃も緑もジャンプスーツのままで張り切っている。
 反日マス塵は全てシャットアウトして、地元国会議員も選んだ人間だけに出席してもらっている。
 反日マス塵や工作野党議員との法廷闘争は、此方が有利に展開しているから、必死で俺の粗探しをしている。
 だが逆に、俺が設立した新聞社と写真紙に、奴らは横領やセクハラを暴露されている。
 反日マス塵の幹部社員は、懲戒免職や依願退職に追い込まれている。
 工作野党議員は議員辞職はしないまでも、反日マス塵が表立って取り上げることはなくなり、国会でも大人しくなっている。


「そろそろだよぉぉぉぃぉ」
「もう直ぐです」
「おぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ。幼女と幼児に天啓が閃いたかぁぁぁぁぁ。
 さて、幼女と幼児の天啓は、石油にも適用されるのでしょうか」

 桃と緑が地底に石油を創り出してくれたから、日本のエネルギー問題は解決だ。
 だが何時までも桃と緑がこの世界に居てくれるとは限らない。
 莫大な資金があるうちに、メタンハイドレートの実用化にこぎつけなければならない。
 その為には、各種研究はもちろん、採掘用艦艇も必要になるだろう。
 日本の造船業界も、大陸大国と半島国家との競争で苦しんでいる。
 二千億円規模の予算で、建造を依頼しよう。
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