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進撃の章
襲撃5
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「社長。また店が襲撃されました」
「ケガ人はいるのか」
「いえ、今回も誰もケガしていません」
「深夜に襲われたのか」
「はい」
「店舗営業からは徹底すべきだな」
「……」
ダイアモンドなどの宝石に加え、金銀や希少金属まで産出する鉱山をいくつも開発し、鉱山王と呼ばれるようになって早一年。
今では日本中に宝石貴金属店を何十店も構えるようになったが、最近強盗の襲撃に悩まされるようになった。
問題は俺の店だけを狙っている事だ。
「反日組織が俺を潰そうとしているのかな」
「これくらいの被害で社長を潰す事など出来ませんが、少しでも損をさせたいのかもしれません」
「被害額はいくらほどだい」
「総額で百億ほどだと思われます。
特に高価な宝石や金塊は、特別金庫に入れていたので大丈夫ですが、ほどほどの宝石やコインが奪われてしまいました」
さて、一連の強盗は北東大国の仕業だとは思い難い。
万島列島と樺巨島の沈没で、今はそれどころではない。
新たな国境線をどうするかで、国連を巻き込んだ大闘争となっている。
その為に北の国境線は騒然となっており、北東大国の肩を持っていたマス塵と工作野党議員は、世論の袋叩きになっている。
「誰の仕業か分からないのか」
「自衛隊からの情報ですと、半島の可能性が高いとの事です」
「直接工作員を投入しているのか」
「いえ、半島系の人間が幹部を務めている、暴力団の構成員が実行犯のようです」
「大口組か」
「そう言う情報です」
大口組は、元々神戸の日本人が創設した暴力団だったが、今では名古屋に本拠を置く半島系の暴力団がトップに就いている。
いや、トップの組長だけではない。
ナンバーツーの若頭も半島系の人間だ。
ナンバースリーの統括委員長も若頭と五分杯を交わした半島系の人間だ。
「九州を経由して半島に逃げ込んでいるのか」
「山陰の港を利用している可能性もありますが、恐らくまだ国内に隠していると思われます」
「半島に協力する漁船があるのではないか」
「半島に協力する漁民もいるかもしれませんが、海自と海保が眼を光らせていますから、まだ国内にあるというのが、情報部の見解だそうです」
自衛隊の情報部がそう言うのなら、その通りなのだろう。
だとすれば、まだ取り返せる可能性はあるが、その為に誰かが傷つくのは御免だ。
そんな事をするくらいなら、もっと安全な方法で報復すべきだろう。
桃と緑に協力してもらえば、半島本国自体に大打撃を与える事が出来る。
「伊集院君、海自か海保に協力を要請する事は出来るかな」
「どうなされるのです」
「半島との国境線に近づきたいのだ」
「少々厳しいかもしれません」
「では北東大国の時と同じように、船をチャーターして国境線に近づきたい」
「分かりました」
「ケガ人はいるのか」
「いえ、今回も誰もケガしていません」
「深夜に襲われたのか」
「はい」
「店舗営業からは徹底すべきだな」
「……」
ダイアモンドなどの宝石に加え、金銀や希少金属まで産出する鉱山をいくつも開発し、鉱山王と呼ばれるようになって早一年。
今では日本中に宝石貴金属店を何十店も構えるようになったが、最近強盗の襲撃に悩まされるようになった。
問題は俺の店だけを狙っている事だ。
「反日組織が俺を潰そうとしているのかな」
「これくらいの被害で社長を潰す事など出来ませんが、少しでも損をさせたいのかもしれません」
「被害額はいくらほどだい」
「総額で百億ほどだと思われます。
特に高価な宝石や金塊は、特別金庫に入れていたので大丈夫ですが、ほどほどの宝石やコインが奪われてしまいました」
さて、一連の強盗は北東大国の仕業だとは思い難い。
万島列島と樺巨島の沈没で、今はそれどころではない。
新たな国境線をどうするかで、国連を巻き込んだ大闘争となっている。
その為に北の国境線は騒然となっており、北東大国の肩を持っていたマス塵と工作野党議員は、世論の袋叩きになっている。
「誰の仕業か分からないのか」
「自衛隊からの情報ですと、半島の可能性が高いとの事です」
「直接工作員を投入しているのか」
「いえ、半島系の人間が幹部を務めている、暴力団の構成員が実行犯のようです」
「大口組か」
「そう言う情報です」
大口組は、元々神戸の日本人が創設した暴力団だったが、今では名古屋に本拠を置く半島系の暴力団がトップに就いている。
いや、トップの組長だけではない。
ナンバーツーの若頭も半島系の人間だ。
ナンバースリーの統括委員長も若頭と五分杯を交わした半島系の人間だ。
「九州を経由して半島に逃げ込んでいるのか」
「山陰の港を利用している可能性もありますが、恐らくまだ国内に隠していると思われます」
「半島に協力する漁船があるのではないか」
「半島に協力する漁民もいるかもしれませんが、海自と海保が眼を光らせていますから、まだ国内にあるというのが、情報部の見解だそうです」
自衛隊の情報部がそう言うのなら、その通りなのだろう。
だとすれば、まだ取り返せる可能性はあるが、その為に誰かが傷つくのは御免だ。
そんな事をするくらいなら、もっと安全な方法で報復すべきだろう。
桃と緑に協力してもらえば、半島本国自体に大打撃を与える事が出来る。
「伊集院君、海自か海保に協力を要請する事は出来るかな」
「どうなされるのです」
「半島との国境線に近づきたいのだ」
「少々厳しいかもしれません」
「では北東大国の時と同じように、船をチャーターして国境線に近づきたい」
「分かりました」
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