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始まりの章
恩返し2
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「すごぃぃぃぃ」
「かっこいいです」
「こけるんじゃないよ」
「わかってるぅぅぅぅぅ」
「だいじょうぶです」
桃も緑も、初めて来た飛行場に大興奮している。
動きやすい服装だが、耳と尻尾に合うようなコスプレ衣装だ。
何度も北海道と大阪を往復しているが、事故が怖くて航空機は使ったことがない。
北東大国も怖いが、米軍も油断できない。
同盟国とは言え、俺の事を邪魔に思っている可能性が高い。
「本当に宜しいのですか、社長」
「自衛隊の方々には、大変御世話になりました。
名誉の回復に全力を尽くしますが、マス塵と工作議員に負ける可能性もあります。
そんな時は、せめて好きな仕事くらいは続けていただきたいのです」
「御配慮痛み入ります」
陸上自衛隊から派遣されて来た案内役の八棟総一郎一佐は、俺に気を使ってくれているようだ。
だが俺としては、当然の事をしたまでだと思っている。
法廷闘争と議会闘争に負けた場合、俺を助けてくれた自衛隊の基地司令とヘリ操縦士は、実刑を喰らう可能性がある。
実刑は免れても、免職されてしまう可能性が高いし、免れても依願退職に追い込まれるのは確実だ。
そんな時は、せめて大好きなヘリの操縦を続けられる仕事に就いてもらいたい。
「しかし、ヘリを買って頂けるとは思いませんでした」
「十億や二十億の御金では、この子達の命の代価にはなりませんよ」
「そうですね。
子供の命は御金には代えられませんね」
「ええ、それぞれの家に合わせた上限は当然ありますが、今の俺なら百億や二百億出して当然です」
八棟総一郎一佐は、最初は少し驚いていたようだが、直ぐに納得してくれたようだ。
興奮して飛行場を駆けまわり、展示されているヘリに夢中の桃と緑は、それは愛らしいのだ。
鉱山王となった俺の推定資産は、マス塵の報道では二兆円だそうだから、それくらい痛くも痒くもないと納得してくれたのかもしれない。
「それでですね、改造費や装備品も含めた予算は二百億円を上限としたいのですが」
「はい、そう伺っています」
「非常時には、自衛隊に貸与できるくらいの改造を加えておきたいのです」
「本気ですか」
「本気です」
八棟総一郎一佐は本気で悩んでいるようだったが、直ぐに決断を下してくれた。
「そうなりますと、自分の一存で決めるわけにはいきません」
「それはそうでしょうね。
しかし私の願いは、繰り返しになりますが、予算内で少しでも自衛隊を補完出来る機種にして頂きたいのです」
「今後の装備品予算との兼ね合いもありますので、一度隊に帰って相談して宜しいですか」
「それは構いませんが、パイロットの方の為の一機だけは、今決めて頂けませんか」
「分かりました」
「ヘリコプター価格」
ロビンソンR四四:四人乗り :五千万円
ベル二〇三B :操縦士一・乗客五 :一億三千六百万円
MD五三〇F :操縦士二・乗客五 :一億七千六百万円
ベル二〇六L四 :操縦士二・乗客五 :二億円
ベル四〇七 :操縦士一・乗客五 :二億四千万円
ベル二一〇 :操縦士二・乗客十二:四億八千万円
H二一五 :操縦士二・乗客十五
H二二五 :操縦士二・乗客十九
「かっこいいです」
「こけるんじゃないよ」
「わかってるぅぅぅぅぅ」
「だいじょうぶです」
桃も緑も、初めて来た飛行場に大興奮している。
動きやすい服装だが、耳と尻尾に合うようなコスプレ衣装だ。
何度も北海道と大阪を往復しているが、事故が怖くて航空機は使ったことがない。
北東大国も怖いが、米軍も油断できない。
同盟国とは言え、俺の事を邪魔に思っている可能性が高い。
「本当に宜しいのですか、社長」
「自衛隊の方々には、大変御世話になりました。
名誉の回復に全力を尽くしますが、マス塵と工作議員に負ける可能性もあります。
そんな時は、せめて好きな仕事くらいは続けていただきたいのです」
「御配慮痛み入ります」
陸上自衛隊から派遣されて来た案内役の八棟総一郎一佐は、俺に気を使ってくれているようだ。
だが俺としては、当然の事をしたまでだと思っている。
法廷闘争と議会闘争に負けた場合、俺を助けてくれた自衛隊の基地司令とヘリ操縦士は、実刑を喰らう可能性がある。
実刑は免れても、免職されてしまう可能性が高いし、免れても依願退職に追い込まれるのは確実だ。
そんな時は、せめて大好きなヘリの操縦を続けられる仕事に就いてもらいたい。
「しかし、ヘリを買って頂けるとは思いませんでした」
「十億や二十億の御金では、この子達の命の代価にはなりませんよ」
「そうですね。
子供の命は御金には代えられませんね」
「ええ、それぞれの家に合わせた上限は当然ありますが、今の俺なら百億や二百億出して当然です」
八棟総一郎一佐は、最初は少し驚いていたようだが、直ぐに納得してくれたようだ。
興奮して飛行場を駆けまわり、展示されているヘリに夢中の桃と緑は、それは愛らしいのだ。
鉱山王となった俺の推定資産は、マス塵の報道では二兆円だそうだから、それくらい痛くも痒くもないと納得してくれたのかもしれない。
「それでですね、改造費や装備品も含めた予算は二百億円を上限としたいのですが」
「はい、そう伺っています」
「非常時には、自衛隊に貸与できるくらいの改造を加えておきたいのです」
「本気ですか」
「本気です」
八棟総一郎一佐は本気で悩んでいるようだったが、直ぐに決断を下してくれた。
「そうなりますと、自分の一存で決めるわけにはいきません」
「それはそうでしょうね。
しかし私の願いは、繰り返しになりますが、予算内で少しでも自衛隊を補完出来る機種にして頂きたいのです」
「今後の装備品予算との兼ね合いもありますので、一度隊に帰って相談して宜しいですか」
「それは構いませんが、パイロットの方の為の一機だけは、今決めて頂けませんか」
「分かりました」
「ヘリコプター価格」
ロビンソンR四四:四人乗り :五千万円
ベル二〇三B :操縦士一・乗客五 :一億三千六百万円
MD五三〇F :操縦士二・乗客五 :一億七千六百万円
ベル二〇六L四 :操縦士二・乗客五 :二億円
ベル四〇七 :操縦士一・乗客五 :二億四千万円
ベル二一〇 :操縦士二・乗客十二:四億八千万円
H二一五 :操縦士二・乗客十五
H二二五 :操縦士二・乗客十九
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