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始まりの章
襲撃4
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「社長。桃ちゃん、緑君。身体を低くしてください」
「桃、緑」
調子に乗り過ぎていた。
まさかロケットランチャーまで使って来るとは思わなかった。
注文している英国王室仕様のベントレー・ステートリムジンや、アメリカ大統領仕様のビーストが納車されていれば安心だったのだが、今乗っているのは内閣総理大臣仕様のレクサスLSハイブリッドをリムジン化した車だ。
襲撃は、千億円の原石が発見されたからだと思っていた。
「パパ。穴に落としちゃうぅぅぅぅ」
「動けなくしますか」
「もう少し待って」
「はあいぃぃぃぃ」
「分かりました」
桃と緑が、襲撃者を魔法で落とし穴に落とそうかと提案してくれる。
だがそれをすると、桃と緑の正体がバレてしまう。
命は惜しいが、今後の事も心配だ。
「伊集院君。もう一発撃ってくると思うか」
「分かりませんが、既に機動隊は盾になってくれています」
命懸けで周囲の警戒をしてくれている伊集院君がそう言うのなら、その通りなのだろう。
だが、人間の盾でロケット弾が防げるのか。
ジュラルミンの盾を装備していようが、何の役にも立たないと思うのだが。
「あいつらの目的は、社長達の確保だと思われますから、社長達を殺すとは思えません」
「どう言う事だ」
「本当に分からないのですか」
「何がだ」
「廃鉱山や廃炭鉱から、百発百中で宝石が発掘されるなんて、常識では考えられませんよ」
俺は馬鹿だった。
調子に乗り過ぎていた。
感覚が狂っていた。
伊集院君の言う通りだ。
「捕まれば拷問が待っているのだろうね」
「本当の事を話すまで、桃ちゃんと緑君を人質に取り、あらゆることをやってくると思われます」
「俺達以外は平気で殺すだろうね」
「間違いありません。しかし、私が知事に直接連絡しましたから、今頃は自衛隊に治安出動が要請されているはずです」
そうは言っても、陸上自衛隊がここに到着するまでは、何時間もかかるのではないだろうか。
廃炭鉱から出発するところを襲われたから、警備の機動隊員はいてくれたけど、ロケットランチャーや自動小銃相手ではどうにもならないだろう。
先導車両を破壊炎上させられたから、強行突破も出来ない。
プロの仕業なのだろう。
「敵がこの車に向かって来ます」
「どうする」
「他の車に左右を護らせます」
「分かった」
伊集院君の言う通りだと思うが、敵は俺達から宝石の創生方法を聞き出すのが目的なのだろう。
だとしたら、絶対に殺されることはない。
左右のドアが開けられないように、社員用のリムジンで固めたら、時間稼ぎが出来るだろう。
社員用のリムジンのドアを、特殊爆弾で破壊したとしても、直ぐには車を移動させられないはずだ。
バラバラバラバラバラ
ダダダダダダダダ―ン
「社長。味方です」
「桃、緑」
調子に乗り過ぎていた。
まさかロケットランチャーまで使って来るとは思わなかった。
注文している英国王室仕様のベントレー・ステートリムジンや、アメリカ大統領仕様のビーストが納車されていれば安心だったのだが、今乗っているのは内閣総理大臣仕様のレクサスLSハイブリッドをリムジン化した車だ。
襲撃は、千億円の原石が発見されたからだと思っていた。
「パパ。穴に落としちゃうぅぅぅぅ」
「動けなくしますか」
「もう少し待って」
「はあいぃぃぃぃ」
「分かりました」
桃と緑が、襲撃者を魔法で落とし穴に落とそうかと提案してくれる。
だがそれをすると、桃と緑の正体がバレてしまう。
命は惜しいが、今後の事も心配だ。
「伊集院君。もう一発撃ってくると思うか」
「分かりませんが、既に機動隊は盾になってくれています」
命懸けで周囲の警戒をしてくれている伊集院君がそう言うのなら、その通りなのだろう。
だが、人間の盾でロケット弾が防げるのか。
ジュラルミンの盾を装備していようが、何の役にも立たないと思うのだが。
「あいつらの目的は、社長達の確保だと思われますから、社長達を殺すとは思えません」
「どう言う事だ」
「本当に分からないのですか」
「何がだ」
「廃鉱山や廃炭鉱から、百発百中で宝石が発掘されるなんて、常識では考えられませんよ」
俺は馬鹿だった。
調子に乗り過ぎていた。
感覚が狂っていた。
伊集院君の言う通りだ。
「捕まれば拷問が待っているのだろうね」
「本当の事を話すまで、桃ちゃんと緑君を人質に取り、あらゆることをやってくると思われます」
「俺達以外は平気で殺すだろうね」
「間違いありません。しかし、私が知事に直接連絡しましたから、今頃は自衛隊に治安出動が要請されているはずです」
そうは言っても、陸上自衛隊がここに到着するまでは、何時間もかかるのではないだろうか。
廃炭鉱から出発するところを襲われたから、警備の機動隊員はいてくれたけど、ロケットランチャーや自動小銃相手ではどうにもならないだろう。
先導車両を破壊炎上させられたから、強行突破も出来ない。
プロの仕業なのだろう。
「敵がこの車に向かって来ます」
「どうする」
「他の車に左右を護らせます」
「分かった」
伊集院君の言う通りだと思うが、敵は俺達から宝石の創生方法を聞き出すのが目的なのだろう。
だとしたら、絶対に殺されることはない。
左右のドアが開けられないように、社員用のリムジンで固めたら、時間稼ぎが出来るだろう。
社員用のリムジンのドアを、特殊爆弾で破壊したとしても、直ぐには車を移動させられないはずだ。
バラバラバラバラバラ
ダダダダダダダダ―ン
「社長。味方です」
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