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始まりの章
ダイヤモンド鉱山
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「気を付けるんだよ」
「はぁぁぁぁい」
「気を付けます」
事前に社員達が安全確認してくれているから、何の心配もないと思う。
安全確認をしていない最深部も、桃と緑が密かに強化してくれているから、何の問題もない。
問題は、どこで原石を発見させるかだ。
「社長。桃ちゃん、緑君。ここから先は安全確認をしていませんので、気を付けて下さい」
「分かった」
「はぁぁぁぁい」
「気を付けます」
急造のトロッコに乗って一時間坑道内を降り、徒歩で二時間下ったところからが危険地帯だ。
「まさにこれからが危険との隣り合わせであります。幼く可憐な幼女と幼児は、無事に御宝を発見出来るのでありましょうか」
急遽雇ったフリーアナウンサーが、視聴者を掴んでくれているようで、多くの賛同を得ている。
以前の俺のように動画専門で生活している人なら、寄付や再生数を気にするのだろう。
いや、今回も収益が出る仕組みになっているのかもしれない。
「八龍君、今回の動画って、寄付や収益が発生するの」
「はい。ライブ動画に寄付が発生するようにしてありますし、以前社長が使っておられた動画チャンネルからも配信していますから、視聴回数によって収益が発生します」
「そうか、ありがとう」
「いえ、何でもありません」
桃と緑と出会ってから、激動の日々だったから、動画投稿数が激減していた。
もう動画配信収入に頼らなくなっていたけど、今回の発掘では社員達の提案に従って、個人の動画投稿チャンネルも会社でチェックしてもらうようになっていたが、収益が出るように工夫してくれていたようだ。
「この下だよぉぉぉぉ」
「この下に御宝があります」
「おぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ。幼女と幼児に天啓が閃いたかぁぁぁぁぁ」
フリーアナウンサーが上手く煽ってくれる。
視聴してくれている人達は、桃と緑の可憐な姿と、急いで鶴嘴を使って地面を掘る、異様なコスプレ姿の予備自衛官に釘付けになっているだろう。
「ありました」
「とったどぉぉぉぉぉ」
「おぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ。本当に御宝発見だぁぁぁあぁぁぁ。可憐な天使達の御告げ通り、御宝がでたぁぁぁぁぁ」
フリーアナウンサーが絶叫している。
こいつも本当は出ないと思っていたのだろう。
出ないと思っていたからこそ、自分の技術で盛り上げようと頑張ってくれていたのだな。
それが本当に御宝が出たものだから、驚いてありきたりの表現になってしまっている。
「先生。鑑定を御願いします」
「わ、分かりました」
最初から何が出るのかは、仕込んだ俺達には分かっていたので、信頼出来る宝石鑑定人を同行させていた。
問題は何を仕込むかだったのだが、この廃炭鉱の元の持ち主と後ろ盾は曲者なので、一番価値が低い宝石にした。
〇・三カラット七十万円のパープルダイヤモンドだ。
パープルダイヤモンドはカラーダイヤモンドとしては希少なのだが、希少な分日本で見学出来る原石が少なくて、小さくて質の悪い原石しか桃と桜に見せてあげられなかった。
「凄いです。これは大発見です。日本でパープルダイヤモンドが発掘出来るなんて」
鑑定人はもちろん、フリーアナウンサーも、発掘した予備自衛官も驚いている。
何より驚いて地団駄踏んでいるのが、元の持ち主と野党国会議員だろう。
まあ、桃と緑が創り出したものだから、あいつらがどれほど掘ろうと出てこないのだけどね。
「はぁぁぁぁい」
「気を付けます」
事前に社員達が安全確認してくれているから、何の心配もないと思う。
安全確認をしていない最深部も、桃と緑が密かに強化してくれているから、何の問題もない。
問題は、どこで原石を発見させるかだ。
「社長。桃ちゃん、緑君。ここから先は安全確認をしていませんので、気を付けて下さい」
「分かった」
「はぁぁぁぁい」
「気を付けます」
急造のトロッコに乗って一時間坑道内を降り、徒歩で二時間下ったところからが危険地帯だ。
「まさにこれからが危険との隣り合わせであります。幼く可憐な幼女と幼児は、無事に御宝を発見出来るのでありましょうか」
急遽雇ったフリーアナウンサーが、視聴者を掴んでくれているようで、多くの賛同を得ている。
以前の俺のように動画専門で生活している人なら、寄付や再生数を気にするのだろう。
いや、今回も収益が出る仕組みになっているのかもしれない。
「八龍君、今回の動画って、寄付や収益が発生するの」
「はい。ライブ動画に寄付が発生するようにしてありますし、以前社長が使っておられた動画チャンネルからも配信していますから、視聴回数によって収益が発生します」
「そうか、ありがとう」
「いえ、何でもありません」
桃と緑と出会ってから、激動の日々だったから、動画投稿数が激減していた。
もう動画配信収入に頼らなくなっていたけど、今回の発掘では社員達の提案に従って、個人の動画投稿チャンネルも会社でチェックしてもらうようになっていたが、収益が出るように工夫してくれていたようだ。
「この下だよぉぉぉぉ」
「この下に御宝があります」
「おぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ。幼女と幼児に天啓が閃いたかぁぁぁぁぁ」
フリーアナウンサーが上手く煽ってくれる。
視聴してくれている人達は、桃と緑の可憐な姿と、急いで鶴嘴を使って地面を掘る、異様なコスプレ姿の予備自衛官に釘付けになっているだろう。
「ありました」
「とったどぉぉぉぉぉ」
「おぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ。本当に御宝発見だぁぁぁあぁぁぁ。可憐な天使達の御告げ通り、御宝がでたぁぁぁぁぁ」
フリーアナウンサーが絶叫している。
こいつも本当は出ないと思っていたのだろう。
出ないと思っていたからこそ、自分の技術で盛り上げようと頑張ってくれていたのだな。
それが本当に御宝が出たものだから、驚いてありきたりの表現になってしまっている。
「先生。鑑定を御願いします」
「わ、分かりました」
最初から何が出るのかは、仕込んだ俺達には分かっていたので、信頼出来る宝石鑑定人を同行させていた。
問題は何を仕込むかだったのだが、この廃炭鉱の元の持ち主と後ろ盾は曲者なので、一番価値が低い宝石にした。
〇・三カラット七十万円のパープルダイヤモンドだ。
パープルダイヤモンドはカラーダイヤモンドとしては希少なのだが、希少な分日本で見学出来る原石が少なくて、小さくて質の悪い原石しか桃と桜に見せてあげられなかった。
「凄いです。これは大発見です。日本でパープルダイヤモンドが発掘出来るなんて」
鑑定人はもちろん、フリーアナウンサーも、発掘した予備自衛官も驚いている。
何より驚いて地団駄踏んでいるのが、元の持ち主と野党国会議員だろう。
まあ、桃と緑が創り出したものだから、あいつらがどれほど掘ろうと出てこないのだけどね。
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