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始まりの章
新規採用
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「余り変な事はしない方がいいでしょう」
「そうですか」
「それと、宝田さんとこの五パーセントですが」
「はい」
「契約を取り消しましょう」
「え」
「ボッタクリ過ぎです」
「いいのですか」
「構いません」
「えぇぇぇとですね」
「本部長は清廉潔白な方です」
税理士さんの話では、宝田さんは欲をかき過ぎたようだ。
本部長は裏金や賄賂が欲しい訳ではないようだ。
書類手続きだけで五十億以上の純利益は、悪質と言う事だろう。
「やるとすれば、オークション手続きの代行会社を、御自身で設立される事です」
「それは、宝田さんがやろうとしていたことを、自分が会社を設立してやると言う事ですか」
「はい。その時に退職した警察官を採用してあげれば、本部長も喜んでくれるでしょうし、暴力団や反社に付け込まれることはなくなります」
「そうですね。元女性警官を秘書に採用すれば、娘達の警護も万全ですね」
「そいう事です」
「私達の警護」
「僕を護ってくれるの」
「そうだよ。この前助けてくれたような人達が、何時も側にいてくれるんだよ」
「愉しそうだね。パパ」
「安心だね。パパ」
桃と緑も喜んでくれている。
税理士さんの助言に従って、宝田さんとの契約は解除した。
税理士さんと弁護士さんが全て手続きしてくれたので、何に問題もなかった。
本部長が一言電話を入れてくれたのも、大きかったのだと思う。
「肝付智美と言います。剣道三段、柔道三段、逮捕術も学んでいます」
「阿蘇桜子と言います。剣道三段、柔道三段、逮捕術も学んでいます」
俺より身長が高いかもしれない。
肩幅も広く、手首も太い。
俺なんか簡単に絞殺されるだろう。
「北郷秀子と言います。銃剣道三段、柔道二段です。予備自衛官なので、応召訓練を優先的に休ませてくださると聞いて応募させていただきました」
「樺山英恵と言います。銃剣道三段、柔道三段です。自分も訓練の日は休ませていただけると聞いて、応募させて頂いました」
何故だ。
元警察官が応募してくれるのは分かっていたが、予備自衛官が応募してくれるとは思っていなかった。
俺とすれば、桃と緑の安全の為には、予備自衛官が採用試験に応募してくれたのは嬉しい。
だが、省庁間の縄張り争いは大丈夫なのだろうか。
「えぇぇぇと、私としては応募して下さって有難いのですが、警視庁と防衛省的には大丈夫なのですか」
「「大丈夫です」」
「「大丈夫であります」」
本人達がそう言うのなら、大丈夫としておこう。
女装趣味の筋肉男子と、男装趣味の筋肉女子は現役のようだけど、予備自衛官の就職に役立てるのなら、それはそれで意義があると思う。
年収が五百万程度だから、好待遇とは言えないだろうけれど、劣悪とも言えないだろう。
トンネル会社だけど、オークションが終れば、百億程度の資産を保有することになるだろう。
その御金を使って、もっと多く予備自衛官を採用して、国防に寄与したい。
「そうですか」
「それと、宝田さんとこの五パーセントですが」
「はい」
「契約を取り消しましょう」
「え」
「ボッタクリ過ぎです」
「いいのですか」
「構いません」
「えぇぇぇとですね」
「本部長は清廉潔白な方です」
税理士さんの話では、宝田さんは欲をかき過ぎたようだ。
本部長は裏金や賄賂が欲しい訳ではないようだ。
書類手続きだけで五十億以上の純利益は、悪質と言う事だろう。
「やるとすれば、オークション手続きの代行会社を、御自身で設立される事です」
「それは、宝田さんがやろうとしていたことを、自分が会社を設立してやると言う事ですか」
「はい。その時に退職した警察官を採用してあげれば、本部長も喜んでくれるでしょうし、暴力団や反社に付け込まれることはなくなります」
「そうですね。元女性警官を秘書に採用すれば、娘達の警護も万全ですね」
「そいう事です」
「私達の警護」
「僕を護ってくれるの」
「そうだよ。この前助けてくれたような人達が、何時も側にいてくれるんだよ」
「愉しそうだね。パパ」
「安心だね。パパ」
桃と緑も喜んでくれている。
税理士さんの助言に従って、宝田さんとの契約は解除した。
税理士さんと弁護士さんが全て手続きしてくれたので、何に問題もなかった。
本部長が一言電話を入れてくれたのも、大きかったのだと思う。
「肝付智美と言います。剣道三段、柔道三段、逮捕術も学んでいます」
「阿蘇桜子と言います。剣道三段、柔道三段、逮捕術も学んでいます」
俺より身長が高いかもしれない。
肩幅も広く、手首も太い。
俺なんか簡単に絞殺されるだろう。
「北郷秀子と言います。銃剣道三段、柔道二段です。予備自衛官なので、応召訓練を優先的に休ませてくださると聞いて応募させていただきました」
「樺山英恵と言います。銃剣道三段、柔道三段です。自分も訓練の日は休ませていただけると聞いて、応募させて頂いました」
何故だ。
元警察官が応募してくれるのは分かっていたが、予備自衛官が応募してくれるとは思っていなかった。
俺とすれば、桃と緑の安全の為には、予備自衛官が採用試験に応募してくれたのは嬉しい。
だが、省庁間の縄張り争いは大丈夫なのだろうか。
「えぇぇぇと、私としては応募して下さって有難いのですが、警視庁と防衛省的には大丈夫なのですか」
「「大丈夫です」」
「「大丈夫であります」」
本人達がそう言うのなら、大丈夫としておこう。
女装趣味の筋肉男子と、男装趣味の筋肉女子は現役のようだけど、予備自衛官の就職に役立てるのなら、それはそれで意義があると思う。
年収が五百万程度だから、好待遇とは言えないだろうけれど、劣悪とも言えないだろう。
トンネル会社だけど、オークションが終れば、百億程度の資産を保有することになるだろう。
その御金を使って、もっと多く予備自衛官を採用して、国防に寄与したい。
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