土魔法で富国強兵?

克全

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始まりの章

大坂の大コスプレ祭り3

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「俺達は何もしていないぞ」
「そうだ」
「これは人権蹂躙だ」
「俺達の親は弁護士だぞ」
「親を呼べ、親を」

 こいつら、親の権力を笠に着た最低の屑だ。
 どうせこいつらの親だから、金儲けの為に人権を振りかざす、左巻きの弁護屋だろう。
 動画を撮影している事は、秘密にしておこう。
 事前に知られたら、対抗策をとられるかもしれない。

(最初から、動画撮影しています。後で確認してください)
(それは助かります)

 その後も糞餓鬼達は親を呼べと喚いていた。
 そのふてぶてしい態度から、これが初犯ではないのだろう。
 何度も同じような事を繰り返しては、親の金と権力で悪行を揉消してきたのだろう。
 何か本気で腹が立ってきた。

「刑事さんでいいのですか」
「ええ、そう言って下さって構いませんよ」
「警察御用達の弁護士さんておられます」
「ええ、警察が訴えられた時の為に、顧問弁護士がいます」
「動画を観てもらって、使えるかどうか確認してもらってください」
「分かりました」

 それと問題は、被害者が金で頬を張られて、示談に持ち込まれる事だ。
 ここで食い止めなければ、同じような事が繰り返される。
 ナイフを所持していたし、殺される人間が出てくるかも知れない。
 弁護屋が親なら、同期の裁判官や検事がいるだろう。
 子供が人を殺しても、実刑にならないように裏から手を回す可能性もある。
 ここで食い止める。

「糞餓鬼共の親が弁護士なら、徹底的に戦うには、裁判費用が必要ですよね」
「本気ですか。実際に戦うのは、あの子ですよ」

 男装している女刑事さんが、ガタガタと震えている青年に視線を送った。
 気が弱そうだし、やり手の弁護屋に脅迫されたら、裁判を諦める可能性が高い。
 無理矢理裁判に持ち込むのは無理かな。
 でも、諦めたくない。

「家宝の宝石さえ売れれば、一億や二億の程度の裁判費用なら、元からなかったと思って使っても構いません。必要なら、あの子に私設のSPを付けてもいい」
「あの子の場合は、暴力団関係ではないので、身辺警戒員を付ける事も出来ないから、そうしてもらえれば助かります」
「だったら、宝石を売ることが出来たら、民間のボディーガードを雇ってあの子に付ける。警察OBや予備自衛官が就職している、警備会社はないのですか」
「宝石が売れたら、天下り先と揶揄されている企業であろうと、警備を依頼してくれるのですか」
「ええ。約束します」
「上司に相談してみます」

 男装の女刑事は、宝石商を紹介してくれるようだ。
 天下り先なのか、警備会社の当てもあるのだろう。
 実際問題、警備会社も、社員教育には警察や自衛隊の協力が必要だろう。

「公権力の横暴だ。不当逮捕だ」
「その服装は、非番か。非番に逮捕する権利があるのか」
「不当逮捕で貴君を訴えるぞ」

 腐れ外道の弁護屋がやってきたな。
 あいつらの言動も、逐一撮影して、裁判で有利になる失言を期待しよう。
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