浮気夫に怒りの鉄拳

克全

文字の大きさ
上 下
5 / 7
第一章

第5話:傀儡・悪女ラメリア王妃視点

しおりを挟む
「ふっふっふっ、魔物軍は確かに役に立ちそうね。
 でもあなたは別、貴男のような愚か者は不用なのよ、スルト。
 だから私の操り人形、傀儡にしてあげるわ。
 貴男が契約した悪魔よりも、遥かに上位の悪魔の情婦となった私に使われるのだから、光栄に思いなさいスルト。
 あら、残念ね、もう自我を失ってしまったのね、意志薄弱で情けない事。
 悪魔を呼び出し契約を交わすには、大いなる資質と意志の強さが大切なのよ」

 もう何を言っても無駄ね、さて、これからどうしてあげようかしら?
 私が永遠の美貌を保つためには、悪魔に多くの生贄を捧げないといけない。
 できるだけ残虐で苦痛に満ちた方法で、多くの人間を殺さないといけない。
 ああ、でも、人間に限った事ではないわね。
 全ての生きとし生けるものを、残虐に苦しめて殺す事、それが大切。

 その為には、多くのを国を支配して、効率よく人を増やし殺していかなければいけないが、その方法を考えるのが難しい。
 まずは人を殖やし、家畜も殖やし、限界まで人と家畜を殖やしてから、殖え過ぎた人間を大量逆殺し、次に余った家畜を虐殺しつつ人間をまた増やすのがいいのか?
 それとも、定期的に人間も家畜も殺す方が効率的なのか?

 まあ、いいです、ここは契約した悪魔が喜ぶことから始めましょう。
 あの悪魔は戦乱で苦しむ人間を生贄に捧げられるのが好き。
 人間の女が下種な男に強姦され、心が壊れる時の魂の叫びが大好きなのだ。
 ふむ、ここはもう少しあの悪魔の趣味嗜好を確かめた方がいいかもしれない。
 人間の女が人間の男に強姦されるのよりも、人間の女が魔物に強姦された時の方が、心が壊れる波動は大きいはず。
 この方法が効率的ならば、少ない数で多くの力が得られる。

「さてスルト、早速役目を与えてあげましょう。
 貴男は領地に帰って魔物の軍団を指揮して人を襲うのです。
 魔物の雄に、人間の女を強姦させるのです。
 そうですね、私は優しいですから、貴男の望みをかなえてあげましょう。
 貴男が恨みに思っていた、ノヴァが治める領地から襲っていいですよ。
 確か、ブラント男爵領でしたね、大魔境にも近いですし、直ぐに襲えますね。
 恨み重なるノヴァを、魔物に犯させるのは楽しみでしょう。
 なんなら貴男も襲っていいんですよ。
 魔物と一緒に前から後ろから責め苛んでやりなさい」

「ウギャ、ウギャ、ウギャ、ウギャ」

 情けない事、もう人間の言葉も失ってしまうとは、意志薄弱過ぎる。
 その程度だから、妻にいいようにされてしまうのです。
 この世界は弱肉強食、例え悪魔の力を利用しようと、力を持った者の勝ち。
 スルト、お前は弱かったから負けたのです。
 力があれば、私に成り代わる事だってできたのです。
 この世界では弱者は悪、負けた者が悪いのです
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

皇太女の暇つぶし

Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。 「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」 *よくある婚約破棄ものです *初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

誰ですか、それ?

音爽(ネソウ)
恋愛
強欲でアホな従妹の話。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

モラハラ王子の真実を知った時

こことっと
恋愛
私……レーネが事故で両親を亡くしたのは8歳の頃。 父母と仲良しだった国王夫婦は、私を娘として迎えると約束し、そして息子マルクル王太子殿下の妻としてくださいました。 王宮に出入りする多くの方々が愛情を与えて下さいます。 王宮に出入りする多くの幸せを与えて下さいます。 いえ……幸せでした。 王太子マルクル様はこうおっしゃったのです。 「実は、何時までも幼稚で愚かな子供のままの貴方は正室に相応しくないと、側室にするべきではないかと言う話があがっているのです。 理解……できますよね?」

【完結】お父様、こんな男を婚約者として紹介するなんて、恨みますわよ?物理的に…

BBやっこ
恋愛
貴族令嬢の婚約ちは、家同士の繋がりを強化する事。 幸せを勝ち取ってみせる! そんな気合いと反比例に、碌な男を紹介してくれない父親に 薔薇の花びらのような…を贈ろうか。 キレた。

【完結】婚約者とのお茶の時に交換条件。「 飲んでみて?」

BBやっこ
恋愛
婚約者との交流といえば、お茶の時間。客間であっていたけど「飽きた」という言葉で、しょうがなくテラスにいる。毒物にできる植物もあるのに危機感がないのか、護衛を信用しているのかわからない婚約者。 王位継承権を持つ、一応王子だ。継承一位でもなければこの平和な国で、王になる事もない。はっきり言って微妙。その男とお茶の時間は妙な沈黙が続く。そして事件は起きた。 「起こしたの間違いでしょう?お嬢様。」

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

処理中です...