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第1章
第36話:暴発
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街や村は、猛獣や魔獣に襲われないように城壁の中にある。
広すぎると守る人間の数が足りずに簡単に中に入られてしまう。
だから街や村は狭いと決まっていて、細い地道の周りは家だらけ。
汚い男たちの大声が聞こえているはずなのに、誰も出てこない。
最初から道にいた人たちも、関係ないという顔をしている。
「そういう事でしたら我々は取引を止めて帰らせていただきます」
指導役は商売を諦めるようだが、男たちは襲ってくるだろう。
この人は剣技が上手くなるスキルを持っていると聞いた。
でも汚い男たち5人も何かスキルを持っている。
種は夜に増やせるから無駄になっても大丈夫、いくらでも使える。
念の為に周囲に蒔いておいて、自分たちを守れるようにしておく。
それとも、この前思いついたように、襲ってきて連中を蔦壁に閉じ込めるか?
「ギャハッハッハッハッハッ、逃がす訳ねぇだろ!」
「ギャハッハッハッハッハッ、荷物と牛だけでなくこいつらも売っちまうか?」
「お、よく見ると真ん中の奴、女じゃないか?
「まだ小さいが、かまわねぇ、やっちまうか?」
「「「「「ギャハッハッハッハッハッ、ぎゃっ!」」」」」
★★★★★★
「気がついた、大丈夫、何所も痛くない?」
いきなり目の前にウィロウの顔がありました!
びっくりし過ぎて、口から心臓が飛び出しそうになりました!
「だっ、だいじょうぶです、どこもいたくありません」
「そう、よかった、助けてくれてありがとう。
別にあんたに助けてもらわなくても自分で逃げられたけど、一応お礼だけは言っておくわ」
そう言うとウィロウはどこかに行ってしまいました。
僕は何故こんな所に寝ているのでしょうか、ここはどこなのでしょうか?
「起きたか、ウィロウを助けてくれてありがとう」
今度はジョセフ代表が話しかけてきた。
僕がウィロウを助けたと言うのが分からない。
「うん、なんだ、何も覚えていないのか?」
「はい、僕はどうしてここで寝ているのですか、ここはどこなのですか?」
「ケーン、ウィロウと一緒に街に入ったのは覚えているか?」
僕がウィロウと一緒に街に入った?
うん、何度かウィロウを守るのと商売を覚えるので街に入った。
1番最近に入ったのは……
「代表、連中は、ウィロウを襲った連中は?!」
「安心しろ、落ち着け、大丈夫だ、何の心配もいらない。
ウィロウが無事なのは、今見たから分かるだろう?」
「あ、はい、そうでした、ウィロウにお礼を言ってもらえました。
でも、どうやって僕はウィロウを守ったのでしょうか?」
「腐った連中がウィロウを襲うと言ったとたん、ケーンが木属性魔術を放った」
「僕が、木属性魔術を、全然覚えていません」
「ケーンの病気は聞いている、人間どころか魔獣も殺せない。
いや、ケガさせることもできず、血を見たら気を失うのだろう?」
「はい、情けないですが、その通りです。
あ、まさか、また血を見て気絶してしまったのですか?!」
「ああ、血を見て気絶したのは確かだが、腐れ外道は傷つけられたぞ。
ちゃんとウィロウを守るために腐れ外道を傷つけて血を流した。
本当は殺せたらよかったんだが、それもいずれできるようになるだろう」
「待ってください、僕が本当にあの連中を傷つけて、血まで流させたのですか?!」
「ああ、恐ろしく鋭い棘がある奴だったそうだ。
私たちのために造ってくれた家の外にあった、何だったかな、そう、サルトリイバラと呼んでいた奴だ。
あれを道から生やして腐れ外道どもをグルグル巻きしたらしい。
ウィロウがうれしそうに話していたぞ!」
信じられないが、本当に僕がやった事らしい。
全く覚えていないし、最後には気絶してしまったが、僕はウィロウを守れた!
ただその後が情けない、本当に情けない。
助けたはずのウィロウと指導役に守られて逃げてきたらしい。
僕の母牛に乗せていた小麦とドライフルーツを捨てて、そこに乗せたという。
もっと冷静にウィロウを守れないといけない。
1度守れたとしても、気を失ったら、その後で守れない。
それどころか足手まといになっている。
街を出ようとした時にウィロウを襲った門番を殺したのは、指導役だった。
彼がいてくれなかったら、ウィロウが殺されていたかもしれない。
今度は怒りに我を忘れないようにしないとな。
どんな相手でも、血を流さずに捕らえて気を失わないようにする。
棘のある奴や毒のある奴は直ぐに取り出せない所に入れておこうか?
でも、それだと、とんでもない奴が相手だとウィロウを守れない。
色々考えたが、良い方法などなく、今の僕が情けないと言う事だけだった。
そうそう、あの腐れ外道のいる街だが、行商人たちは制裁を加える事にした。
街の代表が関係していても関係していなくても、制裁はするそうだ。
今回の件を制裁しないと、また同じような事をされるそうだ。
ウィロウがまた襲われると言うなら、絶対に制裁しなければいけない!
この行商隊が荷物を運ばないと、あの町は何も売り買いできないそうだ。
今回は、僕を助ける為に置いて来た、小麦とドライフルーツ以外手に入らなかったから、直ぐに塩が不足して大変な事になるらしい。
村の代表を送って来て、この隊商に頭を下げて賠償して腐れ外道を処罰する。
あるいは自分たちで必要な物を他の街にまで行って買うしかないそうだ。
だが、あの街の近くにある町は全てこの隊商のお陰で成り立っている。
あの街に塩などを売ったら、今度は自分たちが売ってもらえなくなるらしい。
あの街は、この隊商と関係のない街にまで行かないと何も買えないそうだ。
広すぎると守る人間の数が足りずに簡単に中に入られてしまう。
だから街や村は狭いと決まっていて、細い地道の周りは家だらけ。
汚い男たちの大声が聞こえているはずなのに、誰も出てこない。
最初から道にいた人たちも、関係ないという顔をしている。
「そういう事でしたら我々は取引を止めて帰らせていただきます」
指導役は商売を諦めるようだが、男たちは襲ってくるだろう。
この人は剣技が上手くなるスキルを持っていると聞いた。
でも汚い男たち5人も何かスキルを持っている。
種は夜に増やせるから無駄になっても大丈夫、いくらでも使える。
念の為に周囲に蒔いておいて、自分たちを守れるようにしておく。
それとも、この前思いついたように、襲ってきて連中を蔦壁に閉じ込めるか?
「ギャハッハッハッハッハッ、逃がす訳ねぇだろ!」
「ギャハッハッハッハッハッ、荷物と牛だけでなくこいつらも売っちまうか?」
「お、よく見ると真ん中の奴、女じゃないか?
「まだ小さいが、かまわねぇ、やっちまうか?」
「「「「「ギャハッハッハッハッハッ、ぎゃっ!」」」」」
★★★★★★
「気がついた、大丈夫、何所も痛くない?」
いきなり目の前にウィロウの顔がありました!
びっくりし過ぎて、口から心臓が飛び出しそうになりました!
「だっ、だいじょうぶです、どこもいたくありません」
「そう、よかった、助けてくれてありがとう。
別にあんたに助けてもらわなくても自分で逃げられたけど、一応お礼だけは言っておくわ」
そう言うとウィロウはどこかに行ってしまいました。
僕は何故こんな所に寝ているのでしょうか、ここはどこなのでしょうか?
「起きたか、ウィロウを助けてくれてありがとう」
今度はジョセフ代表が話しかけてきた。
僕がウィロウを助けたと言うのが分からない。
「うん、なんだ、何も覚えていないのか?」
「はい、僕はどうしてここで寝ているのですか、ここはどこなのですか?」
「ケーン、ウィロウと一緒に街に入ったのは覚えているか?」
僕がウィロウと一緒に街に入った?
うん、何度かウィロウを守るのと商売を覚えるので街に入った。
1番最近に入ったのは……
「代表、連中は、ウィロウを襲った連中は?!」
「安心しろ、落ち着け、大丈夫だ、何の心配もいらない。
ウィロウが無事なのは、今見たから分かるだろう?」
「あ、はい、そうでした、ウィロウにお礼を言ってもらえました。
でも、どうやって僕はウィロウを守ったのでしょうか?」
「腐った連中がウィロウを襲うと言ったとたん、ケーンが木属性魔術を放った」
「僕が、木属性魔術を、全然覚えていません」
「ケーンの病気は聞いている、人間どころか魔獣も殺せない。
いや、ケガさせることもできず、血を見たら気を失うのだろう?」
「はい、情けないですが、その通りです。
あ、まさか、また血を見て気絶してしまったのですか?!」
「ああ、血を見て気絶したのは確かだが、腐れ外道は傷つけられたぞ。
ちゃんとウィロウを守るために腐れ外道を傷つけて血を流した。
本当は殺せたらよかったんだが、それもいずれできるようになるだろう」
「待ってください、僕が本当にあの連中を傷つけて、血まで流させたのですか?!」
「ああ、恐ろしく鋭い棘がある奴だったそうだ。
私たちのために造ってくれた家の外にあった、何だったかな、そう、サルトリイバラと呼んでいた奴だ。
あれを道から生やして腐れ外道どもをグルグル巻きしたらしい。
ウィロウがうれしそうに話していたぞ!」
信じられないが、本当に僕がやった事らしい。
全く覚えていないし、最後には気絶してしまったが、僕はウィロウを守れた!
ただその後が情けない、本当に情けない。
助けたはずのウィロウと指導役に守られて逃げてきたらしい。
僕の母牛に乗せていた小麦とドライフルーツを捨てて、そこに乗せたという。
もっと冷静にウィロウを守れないといけない。
1度守れたとしても、気を失ったら、その後で守れない。
それどころか足手まといになっている。
街を出ようとした時にウィロウを襲った門番を殺したのは、指導役だった。
彼がいてくれなかったら、ウィロウが殺されていたかもしれない。
今度は怒りに我を忘れないようにしないとな。
どんな相手でも、血を流さずに捕らえて気を失わないようにする。
棘のある奴や毒のある奴は直ぐに取り出せない所に入れておこうか?
でも、それだと、とんでもない奴が相手だとウィロウを守れない。
色々考えたが、良い方法などなく、今の僕が情けないと言う事だけだった。
そうそう、あの腐れ外道のいる街だが、行商人たちは制裁を加える事にした。
街の代表が関係していても関係していなくても、制裁はするそうだ。
今回の件を制裁しないと、また同じような事をされるそうだ。
ウィロウがまた襲われると言うなら、絶対に制裁しなければいけない!
この行商隊が荷物を運ばないと、あの町は何も売り買いできないそうだ。
今回は、僕を助ける為に置いて来た、小麦とドライフルーツ以外手に入らなかったから、直ぐに塩が不足して大変な事になるらしい。
村の代表を送って来て、この隊商に頭を下げて賠償して腐れ外道を処罰する。
あるいは自分たちで必要な物を他の街にまで行って買うしかないそうだ。
だが、あの街の近くにある町は全てこの隊商のお陰で成り立っている。
あの街に塩などを売ったら、今度は自分たちが売ってもらえなくなるらしい。
あの街は、この隊商と関係のない街にまで行かないと何も買えないそうだ。
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