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第1章
第16話:食生活
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僕は、お父さんとお母さんに話しました。
猛獣でも魔獣でも殺すのが辛いと、正直に言いました。
どれほど美味しくても、肉を食べられなくなったと打ち明けました。
お父さんとお母さんは分かってくれました。
だからといって、家で肉を食べないようにはできません。
両親だけならともかく、エヴィーを始めとした妹たちがいます。
神与のスキルをもらったんだ、もっと強くならないといけない。
1人前の男として独り立ちしなければいけない!
少なくとも心の中だけでも男らしい言葉遣いをしなければいけない!
「お母さん、自分の食べる分は自分で作るよ。
肉の臭いを嗅ぐのもつらいから、厩で寝るようにするよ。
今日も、山クリを焼いたから大丈夫だよ」
「その山クリは何所から持って来たの、今日はスモモを実らせたのよね?」
「里山の小さな木を実らせたよ。
僕が食べる程度なら、お昼寝すれば実らせられるよ」
「分かった、肉が食べられなくなったのならしかたがない。
臭いすら辛いと言うのなら、家の中で眠れないのも仕方がないだろう。
だが、家から出て行く事も村から出て行く事も許さん、いいな?!」
お父さんは、僕が旅に行きたいと思っているのを知っているのかな?
「分かっているよ、家も村も出て行かないよ。
ただ、肉が食べられなくなった分、美味しい野菜が食べたいんだ。
次の行商人に美味しい野菜の種を頼みたいんだ」
「それはかまわない、そもそも家が豊かになったのはケーンのお陰だ。
蓄えてある分はもちろん、新たに作る薬草の分も種代に使っていいぞ」
「ありがとう、お父さん」
僕がお昼寝したら、魔力が回復する話は直ぐに村中に広まった。
教会を中心に固まった20家族100人少しの開拓村です。
ほとんど家族同然だから、最初から内緒にするのは無理な話だ。
朝に村共有の果樹や薬草を実らせる。
朝寝や昼寝をした後に、家専用の果樹や薬草を実らる。
家の分は保存できる薬草が多い。
普通に毎日飲み食いする分は、村共用分で十分だから、作るならお金になる薬草の方が良い。
僕は家の裏庭、果樹林や畑に通じる、外側にある場所で眠った。
家畜たちの臭いに包まれて、安心して眠れた。
僕の主食は、お母さんが特別に焼いてくれる小麦のパンだ。
これまで小麦は行商人に売るための物で、村では食べられなかった。
でも村に余裕ができてきたので、家では小麦のパンを食べる用になった。
他に僕が食べるのは、エンドウ豆、ヒヨコ豆、レンズ豆を野菜と一緒に塩茹したスープで、とても美味しい。
パンと豆スープに加えるのは、菜種油や胡麻油で炒めた野菜だ。
以前はとても貴重だった油だが、僕なら簡単に作れる。
絞るのが大変だが、実らせさえすれば村の人たちがよろこんでやってくれる。
誰だって美味しい物が食べたいのだ
どの野菜も、虫が怖くて生では食べられない。
これまでは茹でるか焼くかしか料理法がなかった。
油で炒めると信じられないくらい美味しくなる。
最後にデザートに食べるのがみずみずしい果物だ。
これまでは数に限りがあったし、季節的にも制限があった。
でも、僕が魔術を使えば何時でも食べられる。
喧嘩にならないように、実らせる順番が決められている。
ですが、自分の分だけこっそり実らせる事ができる。
1枝だけ、1花だけ実らせる事ができるようになったのだ。
動物性の食べ物だが、肉は食べられないのだが、乳は飲めた。
バター、ヨーグルト、チーズは食べられる。
それが分かってお父さんとお母さんは凄く安心してくれた。
何時か肉が食べられるようになるかもしれないと思ったようだ。
別にどうしても肉が食べたい訳じゃない。
心臓の悪かった前世では、食べる物も物凄く制限されていた。
塩の量だけでなく、カロリーも制限されていた。
死ぬ前は点滴だけだったし、流動食の期間も長かった。
そんな僕が思い出して、お母さんに作ってもらうようになったお菓子がある。
栗のクリームを使ったモンブランだ!
流動食しか食べられない時も、生クリームを混ぜて滑らかにした栗のペーストが大好きで、スポンジの部分は家族に食べてもらって、少しだけ舐めていた。
思い出したら食べたくて仕方が無くなって、お母さんに甘えて作ってもらったが、あまりの美味しさに村中で大流行した。
特に女の人と子供たちが夢中になってしまった。
1日に1つ、多い家では2つも3つも食べていたようだ。
急に実らせる果樹の順番が変わるくらい大流行した。
それは僕が肉を食べられなくなって1カ月経っても同じだ。
保存できない栗を5日に1度実らせるようになった。
行商人に売る薬草や果物を後回しにさせるのですから、凄い。
フィンリー神官の奥さんと家のお母さんが大好きだからでしょう。
2人が村を裏から支配しているとお父さんが言っていたから。
「ケーン、予定通りなら明日か明後日に行商人が来る。
薬草は予定通りだが、今回はスモモを果物の目玉にしようと思う。
ケーンが作る果物はどれも飛び抜けて美味しいのだが、その中でもスモモは桁外れに美味しい。
王家専用の果樹園で作られる旬の果物が不味く思えるほどだ。
あれなら王家に献上する事もできると思う。
行商人が来るのが分かったら、それに合わせて実らせてくれ」
「はい、フィンリー神官」
最近分かったのだが、僕の魔術は規格外に強力らしい。
たぶん2柱の神様から愛情を注がれているからだろう。
それと、木属性魔術にも相性があるようだ。
桁外れに強力な中でも、特に成長の良い草木があるようだ。
猛獣でも魔獣でも殺すのが辛いと、正直に言いました。
どれほど美味しくても、肉を食べられなくなったと打ち明けました。
お父さんとお母さんは分かってくれました。
だからといって、家で肉を食べないようにはできません。
両親だけならともかく、エヴィーを始めとした妹たちがいます。
神与のスキルをもらったんだ、もっと強くならないといけない。
1人前の男として独り立ちしなければいけない!
少なくとも心の中だけでも男らしい言葉遣いをしなければいけない!
「お母さん、自分の食べる分は自分で作るよ。
肉の臭いを嗅ぐのもつらいから、厩で寝るようにするよ。
今日も、山クリを焼いたから大丈夫だよ」
「その山クリは何所から持って来たの、今日はスモモを実らせたのよね?」
「里山の小さな木を実らせたよ。
僕が食べる程度なら、お昼寝すれば実らせられるよ」
「分かった、肉が食べられなくなったのならしかたがない。
臭いすら辛いと言うのなら、家の中で眠れないのも仕方がないだろう。
だが、家から出て行く事も村から出て行く事も許さん、いいな?!」
お父さんは、僕が旅に行きたいと思っているのを知っているのかな?
「分かっているよ、家も村も出て行かないよ。
ただ、肉が食べられなくなった分、美味しい野菜が食べたいんだ。
次の行商人に美味しい野菜の種を頼みたいんだ」
「それはかまわない、そもそも家が豊かになったのはケーンのお陰だ。
蓄えてある分はもちろん、新たに作る薬草の分も種代に使っていいぞ」
「ありがとう、お父さん」
僕がお昼寝したら、魔力が回復する話は直ぐに村中に広まった。
教会を中心に固まった20家族100人少しの開拓村です。
ほとんど家族同然だから、最初から内緒にするのは無理な話だ。
朝に村共有の果樹や薬草を実らせる。
朝寝や昼寝をした後に、家専用の果樹や薬草を実らる。
家の分は保存できる薬草が多い。
普通に毎日飲み食いする分は、村共用分で十分だから、作るならお金になる薬草の方が良い。
僕は家の裏庭、果樹林や畑に通じる、外側にある場所で眠った。
家畜たちの臭いに包まれて、安心して眠れた。
僕の主食は、お母さんが特別に焼いてくれる小麦のパンだ。
これまで小麦は行商人に売るための物で、村では食べられなかった。
でも村に余裕ができてきたので、家では小麦のパンを食べる用になった。
他に僕が食べるのは、エンドウ豆、ヒヨコ豆、レンズ豆を野菜と一緒に塩茹したスープで、とても美味しい。
パンと豆スープに加えるのは、菜種油や胡麻油で炒めた野菜だ。
以前はとても貴重だった油だが、僕なら簡単に作れる。
絞るのが大変だが、実らせさえすれば村の人たちがよろこんでやってくれる。
誰だって美味しい物が食べたいのだ
どの野菜も、虫が怖くて生では食べられない。
これまでは茹でるか焼くかしか料理法がなかった。
油で炒めると信じられないくらい美味しくなる。
最後にデザートに食べるのがみずみずしい果物だ。
これまでは数に限りがあったし、季節的にも制限があった。
でも、僕が魔術を使えば何時でも食べられる。
喧嘩にならないように、実らせる順番が決められている。
ですが、自分の分だけこっそり実らせる事ができる。
1枝だけ、1花だけ実らせる事ができるようになったのだ。
動物性の食べ物だが、肉は食べられないのだが、乳は飲めた。
バター、ヨーグルト、チーズは食べられる。
それが分かってお父さんとお母さんは凄く安心してくれた。
何時か肉が食べられるようになるかもしれないと思ったようだ。
別にどうしても肉が食べたい訳じゃない。
心臓の悪かった前世では、食べる物も物凄く制限されていた。
塩の量だけでなく、カロリーも制限されていた。
死ぬ前は点滴だけだったし、流動食の期間も長かった。
そんな僕が思い出して、お母さんに作ってもらうようになったお菓子がある。
栗のクリームを使ったモンブランだ!
流動食しか食べられない時も、生クリームを混ぜて滑らかにした栗のペーストが大好きで、スポンジの部分は家族に食べてもらって、少しだけ舐めていた。
思い出したら食べたくて仕方が無くなって、お母さんに甘えて作ってもらったが、あまりの美味しさに村中で大流行した。
特に女の人と子供たちが夢中になってしまった。
1日に1つ、多い家では2つも3つも食べていたようだ。
急に実らせる果樹の順番が変わるくらい大流行した。
それは僕が肉を食べられなくなって1カ月経っても同じだ。
保存できない栗を5日に1度実らせるようになった。
行商人に売る薬草や果物を後回しにさせるのですから、凄い。
フィンリー神官の奥さんと家のお母さんが大好きだからでしょう。
2人が村を裏から支配しているとお父さんが言っていたから。
「ケーン、予定通りなら明日か明後日に行商人が来る。
薬草は予定通りだが、今回はスモモを果物の目玉にしようと思う。
ケーンが作る果物はどれも飛び抜けて美味しいのだが、その中でもスモモは桁外れに美味しい。
王家専用の果樹園で作られる旬の果物が不味く思えるほどだ。
あれなら王家に献上する事もできると思う。
行商人が来るのが分かったら、それに合わせて実らせてくれ」
「はい、フィンリー神官」
最近分かったのだが、僕の魔術は規格外に強力らしい。
たぶん2柱の神様から愛情を注がれているからだろう。
それと、木属性魔術にも相性があるようだ。
桁外れに強力な中でも、特に成長の良い草木があるようだ。
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