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第1章
第3話:神与スキル
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痛い、苦しい、心臓が破裂しそうだ!
でも、うれしい、この痛みと苦しさが心地良い!
思いっきり畑を駆け回れる喜び、転生して8年経っても変わらない!
「ケーン、早く教会に行く準備をしなさい」
何時までも畑を走り回っている僕をお母さんが叱ります。
少しでも時間があると、つい身体を動かしてしまいます。
特に走る事が止められません。
「はーい、直ぐに用意します」
僕の住む村は辺境の小さな村だそうですが、それでも教会があります。
この世界はとても信心深いとお父さんとお母さんが言っていました。
最初は新しいお父さんとお母さんに戸惑っていましたが、転生してから8年間も愛情を注いでもらうと、素直に親だと思えるようになりました。
前世のお父さんとお母さんを忘れたわけではありませんが、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんが同じくらい好きだったのと同じです。
前世のお父さんとお母さんも、今のお父さんとお母さんも同じくらい好きです。
前世のお父さんとお母さんに親孝行できなかった分、今のお父さんとお母さんに親孝行したいと思っています。
お父さんとお母さんは自由民だそうです。
自由民の両親から生まれた僕も自由民だそうです。
王侯貴族の所有する奴隷でなくて本当に良かったです。
せっかく生まれ変わったのに、奴隷では自由に生きられません。
だからといって、奴隷を持つ王侯貴族になるのも嫌でした。
自由民に生まれ変わらせてくれた神様と仏様に感謝です。
僕はお母さんに連れられて教会に来ました。
お父さんは今日も朝早くから畑で農作業をしています。
この村は教会を中心に造られています。
教会の周囲は、辺境を開拓するのに集まった自由民の家が囲んでいます。
辺境には恐ろしい猛獣や魔獣が住んでいます。
人間を頭からバリバリと食べてしまう強い猛獣と魔獣だそうです。
そんな猛獣や魔獣が入って来ないように家をつなげて、家の壁を城壁の代わりにしているのだそうです。
丸く固まった家の外には畑が広がっています。
僕が駆け回っていた畑は、今年は休ませるので何も植えていないのです。
家畜が食べるクローバーしか生えていないので、好きに駆けまわれます。
他に春に大麦や豆をまく畑と、秋に小麦やライ麦をまく畑があります。
以前は秋に小麦をまく畑と休ませる畑の2つしかありませんでしたが、教会の偉い司教様が、畑を3つに分ける方法を考えてくださったそうです。
「この世界は多くの神様が力を合わせてお創りになられたのです。
人は、多くの神様の1柱から愛され、加護を授かるのです。
その証拠に、授かる神与のスキルは1つしかありません。
ケーン、これからスキルを授けてくださる神様を生涯敬い続けるのです」
教会のフィンリー神官が優しく話をしてくれました。
「はい、ずっと感謝して、神様の教えに従います」
「よく言いました、今から神与の儀式を始めます」
教会のフィンリー神官はお父さんと同い年くらい男の人です。
手伝いをしているのは神官さんの奥さんです。
僕よりも1歳年上に女の子と1歳年下の女の子がいます。
彼女たちも同じように神官になるのではないそうです。
神与のスキルによってなれる仕事となれない仕事があるそうです。
神官になるには神官スキルが必要だと教えてもらいました。
1歳上の女の子、ライラは土の属性を持つ魔術を授かったそうです。
『ケーン、妾はジョイ、そなたの氏神だったイワナガヒメに頼まれて神与のスキル、木属性の魔術を授けます。
特別に使い方も授けてあげますから、森に行って確かめなさい』
「フィンリー神官、ジョイ神から木属性の魔術を授かりました。
森に行って確かめなさいと言われました」
「おお、それは良かったですね。
木属性の魔術を授かったのなら、開拓村では重宝しますよ」
「直ぐにお父さんとお母さんに報告してきます」
「村の外は危険ですから、お父さんが畑仕事を終えて帰って来るまで、大人しく家で待っていなさい」
「僕は大丈夫です、ジョイ神が特別に魔術の使い方を教えてくださいました」
「ほう、ケーンは特に神様から愛されているようですね。
普通は自分で色々と試してみるか、同じ神様から同じスキルを授かった人に教わるか、賢者スキルを持つ人に教わるしかないのですが……」
「フィンリー神官、僕もう行くよ」
「しかたありませんね、本当に気をつけるのですよ。
ケーンのお父さんとお母さんはとても強い方々ですが、それでも勝てない猛獣や魔獣が沢山いるのが、畑に接している魔境なのです」
「はい、お父さんとお母さんから聞いています。
でもジョイ神から授かった魔術なら大丈夫です。
ジョイ神がそう教えてくださいました」
僕はそう言うと教会から駆け出しました。
少しでも早く畑に行って授かった魔術を試してみたいのです!
前世はベッドに寝ているだけの人生でしたが、生まれ変わって思いっきり駆け回れるようになれました。
でも、危険だからと家の近くしか出してもらえませんでした。
ジョイ神の魔術を授かったら、森の中まで行けるのです!
もっと遠く、この世界の果てまで行くことができるのです!
注★★★★★★この世界を日本の季節に当てはめると
春上月:3月
春中月:4月
春下月:5月
夏上月:6月
夏中月:7月
夏下月:8月
秋上月:9月
秋中月:10月
秋下月:11月
冬上月:12月
冬中月:1月
冬下月:2月
でも、うれしい、この痛みと苦しさが心地良い!
思いっきり畑を駆け回れる喜び、転生して8年経っても変わらない!
「ケーン、早く教会に行く準備をしなさい」
何時までも畑を走り回っている僕をお母さんが叱ります。
少しでも時間があると、つい身体を動かしてしまいます。
特に走る事が止められません。
「はーい、直ぐに用意します」
僕の住む村は辺境の小さな村だそうですが、それでも教会があります。
この世界はとても信心深いとお父さんとお母さんが言っていました。
最初は新しいお父さんとお母さんに戸惑っていましたが、転生してから8年間も愛情を注いでもらうと、素直に親だと思えるようになりました。
前世のお父さんとお母さんを忘れたわけではありませんが、布施のお爺ちゃんとお婆ちゃん、長瀬のお爺ちゃんとお婆ちゃんが同じくらい好きだったのと同じです。
前世のお父さんとお母さんも、今のお父さんとお母さんも同じくらい好きです。
前世のお父さんとお母さんに親孝行できなかった分、今のお父さんとお母さんに親孝行したいと思っています。
お父さんとお母さんは自由民だそうです。
自由民の両親から生まれた僕も自由民だそうです。
王侯貴族の所有する奴隷でなくて本当に良かったです。
せっかく生まれ変わったのに、奴隷では自由に生きられません。
だからといって、奴隷を持つ王侯貴族になるのも嫌でした。
自由民に生まれ変わらせてくれた神様と仏様に感謝です。
僕はお母さんに連れられて教会に来ました。
お父さんは今日も朝早くから畑で農作業をしています。
この村は教会を中心に造られています。
教会の周囲は、辺境を開拓するのに集まった自由民の家が囲んでいます。
辺境には恐ろしい猛獣や魔獣が住んでいます。
人間を頭からバリバリと食べてしまう強い猛獣と魔獣だそうです。
そんな猛獣や魔獣が入って来ないように家をつなげて、家の壁を城壁の代わりにしているのだそうです。
丸く固まった家の外には畑が広がっています。
僕が駆け回っていた畑は、今年は休ませるので何も植えていないのです。
家畜が食べるクローバーしか生えていないので、好きに駆けまわれます。
他に春に大麦や豆をまく畑と、秋に小麦やライ麦をまく畑があります。
以前は秋に小麦をまく畑と休ませる畑の2つしかありませんでしたが、教会の偉い司教様が、畑を3つに分ける方法を考えてくださったそうです。
「この世界は多くの神様が力を合わせてお創りになられたのです。
人は、多くの神様の1柱から愛され、加護を授かるのです。
その証拠に、授かる神与のスキルは1つしかありません。
ケーン、これからスキルを授けてくださる神様を生涯敬い続けるのです」
教会のフィンリー神官が優しく話をしてくれました。
「はい、ずっと感謝して、神様の教えに従います」
「よく言いました、今から神与の儀式を始めます」
教会のフィンリー神官はお父さんと同い年くらい男の人です。
手伝いをしているのは神官さんの奥さんです。
僕よりも1歳年上に女の子と1歳年下の女の子がいます。
彼女たちも同じように神官になるのではないそうです。
神与のスキルによってなれる仕事となれない仕事があるそうです。
神官になるには神官スキルが必要だと教えてもらいました。
1歳上の女の子、ライラは土の属性を持つ魔術を授かったそうです。
『ケーン、妾はジョイ、そなたの氏神だったイワナガヒメに頼まれて神与のスキル、木属性の魔術を授けます。
特別に使い方も授けてあげますから、森に行って確かめなさい』
「フィンリー神官、ジョイ神から木属性の魔術を授かりました。
森に行って確かめなさいと言われました」
「おお、それは良かったですね。
木属性の魔術を授かったのなら、開拓村では重宝しますよ」
「直ぐにお父さんとお母さんに報告してきます」
「村の外は危険ですから、お父さんが畑仕事を終えて帰って来るまで、大人しく家で待っていなさい」
「僕は大丈夫です、ジョイ神が特別に魔術の使い方を教えてくださいました」
「ほう、ケーンは特に神様から愛されているようですね。
普通は自分で色々と試してみるか、同じ神様から同じスキルを授かった人に教わるか、賢者スキルを持つ人に教わるしかないのですが……」
「フィンリー神官、僕もう行くよ」
「しかたありませんね、本当に気をつけるのですよ。
ケーンのお父さんとお母さんはとても強い方々ですが、それでも勝てない猛獣や魔獣が沢山いるのが、畑に接している魔境なのです」
「はい、お父さんとお母さんから聞いています。
でもジョイ神から授かった魔術なら大丈夫です。
ジョイ神がそう教えてくださいました」
僕はそう言うと教会から駆け出しました。
少しでも早く畑に行って授かった魔術を試してみたいのです!
前世はベッドに寝ているだけの人生でしたが、生まれ変わって思いっきり駆け回れるようになれました。
でも、危険だからと家の近くしか出してもらえませんでした。
ジョイ神の魔術を授かったら、森の中まで行けるのです!
もっと遠く、この世界の果てまで行くことができるのです!
注★★★★★★この世界を日本の季節に当てはめると
春上月:3月
春中月:4月
春下月:5月
夏上月:6月
夏中月:7月
夏下月:8月
秋上月:9月
秋中月:10月
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冬上月:12月
冬中月:1月
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