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使い魔対使い魔

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「ダイ、どこにいるのですか」
 ルイは金剛石級魔晶石使い魔の機能を利用して、遠隔地にいながら自分の声で呼びかけた。
「ダイの御蔭で此方は平和になりました。もう戦うのは止めて、此方に戻って来て下さい」
 ルイは自分の声だけではなく、自分の個性が際立つ思念を飛ばして、ダイが創り出したであろう魔晶石使い魔に訴えかけた。
 何度も声をかけ思念を飛ばすも、ダイの魔晶石使い魔は反応しなかった。
「この使い魔を抑え込んだら、ダイが現れるかもしれません」
 ついまた独り言をつぶやきながら、ルイは自分の魔晶石使い魔を操って、ダイの魔晶石使い魔の破壊行動を止めさせようとした。
「ダァルルル」
 今迄ルイの使い魔を無視していたダイの使い魔も、自分の行動を邪魔されそうになって、遂に敵だと認識を改めたようだ。
 大地を焼き払っていた魔法攻撃を、ルイの魔晶石使い魔に放ってきた。
「ルゥルルル」
 ダイの魔晶石使い魔の攻撃を受けて、人間のように苦痛の声を上げたルイの魔晶石使い魔だが、実際には全くダメージを受けていなかった。
 ダイの魔晶石使い魔は玉鋼級であり、ルイの魔晶石使い魔は金剛石級だ。
 単純な戦闘力の比較で言えば、ルイの魔晶石使い魔の方が十倍の強さなのだ。
 ダイの魔晶石使い魔が最大級の攻撃を放っても、ルイの魔晶石使い魔にとっては、最大防御力の十分の一の攻撃でしかないのだ。
 だがダイの魔晶石使い魔は、全く諦めると言う事なく、攻撃を繰り返した。
 ルイにとっては、ダイのいる所に逃げ出してくれたら、それが一番簡単だったのだが、勝てないにもかかわらず、繰り返し攻撃を仕掛けてくるのは面倒だった。
 周囲に無尽蔵の魔力があり、いくら攻撃を繰り返しても魔力切れを起こさない状況では、格下の魔晶石使い魔でも無傷で抑え込むのは難しかった。
「防御魔法陣を何重にも重ね掛けして、周囲の魔力から隔離するのだ」
「ルゥルルル」
 思わず命令を口にしてしまうルイの言う通りに、ルイの魔晶石使い魔は、ダイの魔晶石使い魔に対して防御魔法陣を敷いた。
 それを何度も繰り返して、ダイの魔晶石使い魔が魔力切れを起こすのを待った。
 だがダイの魔晶石使い魔は、自分が魔法攻撃した魔力を、再度取り込むことで、隔離空間でも魔力切れを起こさない状態だった。
「隔離空間の魔力を、此方が吸い取る方法はないですかね」
 独り言をつぶやきながら、色々な魔法と魔法陣を思い起こし、転移魔法と吸魔魔法にエナジードレインの魔法を組み合わせた、新しい魔法陣を考え出した。
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