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第一章
第7話:決断・クラリス王女視点
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信じられません、最悪です、何故こんな事になってしまったのでしょうか?
私だって夢見るうら若い女ですから、見目麗しい王子から求婚されることを夢想した事はあります。
二人の王子様に同時に求婚され、思い悩みたいと思ったこともあります。
ですが、その王子様は、人族限定です。
獣人の皇太子と王子に求婚されるなど、想像したこともありません。
「姫様おめでとうございます!
どちらが勝たれても、これ以上ない立派な旦那様です。
お生まれる成られるお子様も、皇室や大王家を継がれることになります。
いえ、竜人族と天虎族の血を引き継いでいるとなれば、デイエン王家を継ぐことになってもおかしくありません」
戦闘侍女マーガレットの能天気な話に、思わず怒鳴りつけそうになりました。
でも、さっきの忠義を見ているので、怒鳴りつける事などできません。
マーガレットは、本気で私が幸運をつかんだと思っているのです。
相手は獣人族双璧の名家であり、強力な大国の支配者なのです。
皇太子の子を生むことになろうと、王太子の子を生むことになろうと、私の立場が強化され、後々の人生が安泰だと喜んでくれているのです。
確かに、私に獣人族に対する忌避感がなければ、これほどの良縁はありません。
皇太子と王太子が私を争って戦うなど、夢のような出来事です。
ですが私には絶対に無理です、獣人と閨を共にするなど我慢なりません。
そんな事をするくらいなら、この場で自害した方がマシですが、その事をマーガレットを前にして口にするわけにはいかないです。
「これでようやく王妃殿下の敵が討てます。
勝ち残った獣人の力を利用して、エルディナに陥れれ殺された王妃殿下の仇を、姫様の手で討たれるのです」
「そうれはどうことですか、マーガレット!?
お母上がエルディナ殿に殺されたというのですか!」
「今こそ真実をお話させていただきます。
王妃になりたい邪な欲望に囚われたエルディナが、国王を籠絡して唆し、王妃殿下を殺させたのでございます」
私は初めてお母上の死の真相を知りました。
怒りに我を忘れ、決闘場の前で叫びだしそうになりました。
その怒りをグッと飲み込んで、腹に貯める事にしました。
冤罪を着せられ、貶められて殺されてしまわれた、お可哀想なお母上。
その仇を取るためなら、獣にこの身を任せる事も厭いません。
相手が蜥蜴の親戚の竜人族であろうが、虎の兄貴分の天虎族であろうが、もうどうでもいい事です。
吐き気を抑え込んで、獣の子を孕んで見せます。
お母上の仇を討つためなら、獣人などいくらでも誑かせて見せましょう。
私だって夢見るうら若い女ですから、見目麗しい王子から求婚されることを夢想した事はあります。
二人の王子様に同時に求婚され、思い悩みたいと思ったこともあります。
ですが、その王子様は、人族限定です。
獣人の皇太子と王子に求婚されるなど、想像したこともありません。
「姫様おめでとうございます!
どちらが勝たれても、これ以上ない立派な旦那様です。
お生まれる成られるお子様も、皇室や大王家を継がれることになります。
いえ、竜人族と天虎族の血を引き継いでいるとなれば、デイエン王家を継ぐことになってもおかしくありません」
戦闘侍女マーガレットの能天気な話に、思わず怒鳴りつけそうになりました。
でも、さっきの忠義を見ているので、怒鳴りつける事などできません。
マーガレットは、本気で私が幸運をつかんだと思っているのです。
相手は獣人族双璧の名家であり、強力な大国の支配者なのです。
皇太子の子を生むことになろうと、王太子の子を生むことになろうと、私の立場が強化され、後々の人生が安泰だと喜んでくれているのです。
確かに、私に獣人族に対する忌避感がなければ、これほどの良縁はありません。
皇太子と王太子が私を争って戦うなど、夢のような出来事です。
ですが私には絶対に無理です、獣人と閨を共にするなど我慢なりません。
そんな事をするくらいなら、この場で自害した方がマシですが、その事をマーガレットを前にして口にするわけにはいかないです。
「これでようやく王妃殿下の敵が討てます。
勝ち残った獣人の力を利用して、エルディナに陥れれ殺された王妃殿下の仇を、姫様の手で討たれるのです」
「そうれはどうことですか、マーガレット!?
お母上がエルディナ殿に殺されたというのですか!」
「今こそ真実をお話させていただきます。
王妃になりたい邪な欲望に囚われたエルディナが、国王を籠絡して唆し、王妃殿下を殺させたのでございます」
私は初めてお母上の死の真相を知りました。
怒りに我を忘れ、決闘場の前で叫びだしそうになりました。
その怒りをグッと飲み込んで、腹に貯める事にしました。
冤罪を着せられ、貶められて殺されてしまわれた、お可哀想なお母上。
その仇を取るためなら、獣にこの身を任せる事も厭いません。
相手が蜥蜴の親戚の竜人族であろうが、虎の兄貴分の天虎族であろうが、もうどうでもいい事です。
吐き気を抑え込んで、獣の子を孕んで見せます。
お母上の仇を討つためなら、獣人などいくらでも誑かせて見せましょう。
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