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第一章
第4話:剛剣
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グッワッシャ
目の前で、自信満々だった盗賊が叩き潰されました。
とても信じられない光景ですが、実際に起こっている事です。
確かにチェンワルフ第二王子は背中に大剣を背負われていました。
両手で扱わなければいけないくらい大きなツーハンデッドソードです。
ですが、本当に人間が扱えるか疑問を覚えるグレートソードではないのです。
剛力な人間なら扱える程度のツーハンデッドソードでした。
それなのに、大の男が子供以下の大きさに叩き潰されるなんて、信じられない。
シュッ
これもまた信じられないほどの速さで、チェンワルフ第二王子は身を翻して、左側の森にいる盗賊に向かって行きました。
いえ、三人の盗賊の前を駆け抜けたと言うべきでしょう。
一人一人の盗賊と戦う素振りなど全く見せずに、僅かにツーハンデッドソードを動かしただけで、三人の首を斬り落としてしまいました。
そのまま街道の後方を塞いでいた盗賊三人の首も斬り落としてしまいました。
まるで街道を駆け抜ける旋風のようでした。
「なっ、や、やれ、やっちまえ、全員でかかれ」
森の奥から声が聞こえました、やはり他にも盗賊がいたのでしょう。
声を出したのが盗賊団の頭が、一番度胸がある盗賊ですね。
街道の前方を塞いだ二人と右側の森にいる三人は、まだ衝撃から立ち直る事ができず、固まったままですから。
チェンワルフ第二王子は、そのまま固まっている五人を斬り殺すと思われたのですが、殺した盗賊の剣を拾って森の中に投げ込みました。
いえ、あの勢いだと、投擲したと言った方がいいでしょう。
「「「ギャッ」」」
森の中から断末魔と思われる声が聞こえてきました。
その中に、先ほど指示を出していた声に似た響きがありました。
これで盗賊の頭が死んでいれば、私達の安全が高まります。
殺されるかもしれないと思った直後だというのに、一瞬で大逆転です。
これほど激しく状況が激変するとは思っていませんでした。
などと考えている間に、チェンワルフ第二王子はもう別の場所にいるのです。
「「「ギャッ」」」
右側の森にいる三人の盗賊がチェンワルフ第二王子に斬り殺されました。
左側の森にいた三人と違って悲鳴をあげたのは、殺されると分かっていたからでしょうが、死んだと理解する事もできずに死ぬのとどちらが不幸なのでしょうか。
などと考えているうちに、前方を塞いでいた三人のうちの生き残り二人が、背中を見せて逃げようとしましたが、チェンワルフ第二王子に追いつかれてあっさりと斬り殺されました。
チェンワルフ第二王子は二人の剣を奪って森の中に投擲されました。
「「ギャッ」」
「ウッワァアアアアア」
「逃げろ、逃げるんだ」
「悪魔だ、悪魔が現れたぞ」
「地獄の使者が迎えに来やがった」
目の前で、自信満々だった盗賊が叩き潰されました。
とても信じられない光景ですが、実際に起こっている事です。
確かにチェンワルフ第二王子は背中に大剣を背負われていました。
両手で扱わなければいけないくらい大きなツーハンデッドソードです。
ですが、本当に人間が扱えるか疑問を覚えるグレートソードではないのです。
剛力な人間なら扱える程度のツーハンデッドソードでした。
それなのに、大の男が子供以下の大きさに叩き潰されるなんて、信じられない。
シュッ
これもまた信じられないほどの速さで、チェンワルフ第二王子は身を翻して、左側の森にいる盗賊に向かって行きました。
いえ、三人の盗賊の前を駆け抜けたと言うべきでしょう。
一人一人の盗賊と戦う素振りなど全く見せずに、僅かにツーハンデッドソードを動かしただけで、三人の首を斬り落としてしまいました。
そのまま街道の後方を塞いでいた盗賊三人の首も斬り落としてしまいました。
まるで街道を駆け抜ける旋風のようでした。
「なっ、や、やれ、やっちまえ、全員でかかれ」
森の奥から声が聞こえました、やはり他にも盗賊がいたのでしょう。
声を出したのが盗賊団の頭が、一番度胸がある盗賊ですね。
街道の前方を塞いだ二人と右側の森にいる三人は、まだ衝撃から立ち直る事ができず、固まったままですから。
チェンワルフ第二王子は、そのまま固まっている五人を斬り殺すと思われたのですが、殺した盗賊の剣を拾って森の中に投げ込みました。
いえ、あの勢いだと、投擲したと言った方がいいでしょう。
「「「ギャッ」」」
森の中から断末魔と思われる声が聞こえてきました。
その中に、先ほど指示を出していた声に似た響きがありました。
これで盗賊の頭が死んでいれば、私達の安全が高まります。
殺されるかもしれないと思った直後だというのに、一瞬で大逆転です。
これほど激しく状況が激変するとは思っていませんでした。
などと考えている間に、チェンワルフ第二王子はもう別の場所にいるのです。
「「「ギャッ」」」
右側の森にいる三人の盗賊がチェンワルフ第二王子に斬り殺されました。
左側の森にいた三人と違って悲鳴をあげたのは、殺されると分かっていたからでしょうが、死んだと理解する事もできずに死ぬのとどちらが不幸なのでしょうか。
などと考えているうちに、前方を塞いでいた三人のうちの生き残り二人が、背中を見せて逃げようとしましたが、チェンワルフ第二王子に追いつかれてあっさりと斬り殺されました。
チェンワルフ第二王子は二人の剣を奪って森の中に投擲されました。
「「ギャッ」」
「ウッワァアアアアア」
「逃げろ、逃げるんだ」
「悪魔だ、悪魔が現れたぞ」
「地獄の使者が迎えに来やがった」
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