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第6話残虐な表現あり

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 ええ、と、月神テーベ様と癒しの聖女アリス様の愛息ライデン様
 神が直接治める国と名高いアリスランド王国の王族ですか?!
 そんな方と一緒にダンジョン探査をしていたというのですか?!
 そんな方と相思相愛になったというのですか?!
 信じられません!

「やかましいわ!
 戦の神ではなくても、人間ごときが神に勝てるわけがないであろう!
 クヴァシル神得意の酒を毒酒に変えて、王族を皆殺しにすればよかろう!」

「無理無体を言ってくれる。
 それでは民が死に絶えてしまうではないか。
 それに、この国には魔王の使徒が入り込んでいたのだよ。
 忌々し話だが、我が神殿に入り込み、聖女を騙っていたのだ。
 我の力は抑え込まれ、他の神に助けを求めることもできなかったのだ」

「なに?!
 魔王の使徒だと?
 そのような気配は全く感じないぞ?!」

「テーベ殿に恐れをなして、直ぐに逃げ出してしまったよ。
 だから我もこうして表に出られたのだよ」

「なんだ、逃げたのか。
 ならしかたがないな」

 しかたがないですませてしまうのですね。
 大らかと言ううべきか、大雑把と言うべきか?
 ライデン様らしいと言えばライデン様らしいですね。

「それでライデン殿はどうしたいのだ?
 我を追い出して、この国を守護すると言うのか?」

「そんな面倒な事はしない。
 俺はヴァイオレットと幸せに暮らしたいだけだ。
 ただヴァイオレットを虐め、義父母を殺したという、王族とダベルノワ伯爵家をできるだけ苦しめて滅ぼしたいだけだ」

「ヒィィィィイ!
 お許しください、お許しください、お許しください」
「私ではありません。
 私は何も知らなかったのです。
 全部ダベルノワ伯爵がやったことでございます」

 神の逆鱗に触れて、ラウール国王とダベルノワ伯爵はガタガタと震えています。
 もう逃げることもできないようです。

「ライデン殿が直接殺すかい?」

「ふむ。
 爪を剥ぎ、指を潰し、眼をえぐり、身体を切り刻み、塩を塗りこむ。
 身体を焼肉にして、本人に喰わせる。
 腹を裂いて内臓を引きずり出し、糞尿まみれの内臓を喰わせる。
 四肢を牛に引き千切らせる。
 それくらいしか思いつかないな」

 それで十分です、ライデン様。
 聞いているだけで気分が悪くなります。

「私に任せてくれるのなら、特別製の毒酒を飲ませるぞ。
 内臓と体表が徐々に腐り、狂う寸前の激痛を七日七晩与えるのだ。
 虫が好む臭気を出し、内臓と体表が虫に喰われ激痛を感じるのだ」

「ふむ、なかなかよい殺し方だな。
 だが七日七晩は短すぎる。
 せめてひと月は苦しめて欲しいな」

「分かった。
 そのように調合しよう。
 ところで国の成り立ちはどうするのだ?
 ライデン殿とヴァイオレットの間にできた子供なら、神の血が薄まることなく伝わるから、アリスランド王国に匹敵する国ができるぞ。
 我など不要になると思うが?」

「それは子供達が成長してから話し合ってくれ。
 俺は人として生きるぞ」

 ああ、私の生む子は神になるのですね。
 こんな事になるとは思ってもいませんでしたが、ライデン様と結婚できるのなら、他の事はどうでもいいです。
 祖父と祖母を大切にして、家族仲良く暮らせるのなら、少々の事は気になりませんが、半神を夫に持つことが少々かどうかは分かりませんが。
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