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第一章
第12話:情報収集
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俺は毎日ダンジョンに入り、素材と魔晶石を集めた。
俺がダンジョンに入るたびに、孤児や浮浪者の生活がよくなっていった。
新人冒険者は日々装備がよくなり、ロートルは子供や孫に技と経験を伝えている。
ロイド達トップチームも、俺に煽られたのか、それとも実力でたどり着けない場所に俺が斃した魔獣が落ちている事に奮起したのか、今まで以上に訓練をしている。
それが俺の心を徐々に豊かにしてくれる。
「ようメイガ、今日も軽く一杯やろうぜ」
ロイドが毎日酒に誘ってくれるのが嬉しい。
早朝から夕方までダンジョンに潜って、出てきたら魔獣を納入して、ロイド達と酒を飲んでリラックスする。
こんな毎日が送れるようになるなんて、母国を追放された時には、思いもしなかったので、本当に幸せを感じていた。
「おお、明日に残らない範囲で飲もうぜ」
ロイドのパーティーとは随分と打ち解けられるようになった。
女のエタナとも普通に話せるようになった。
普通に話せる女はまだほとんどいないのだが、以前のように毛嫌いするような事はなくなっていた。
「旦那、一杯奢ってくれませんか?」
俺が頼んでいた情報屋が、酒をせびるフリをしながら近づいてきた。
母国の情報、特にゲセルト王太子とジャンの情報が欲しかった。
両親、コロンビア侯爵リドル卿と、配偶者フドウがどうしているのか。
両親は俺をコロンビア侯爵家に戻す気があるのかないのか。
その辺が分かれば、ゲセルト王太子とジャンへの報復を早められる可能性もある。
「ああ、いいぞ、だがその代わり、面白い話を聞かせてくれ」
俺はねだられたら奢る男だと思われたくないし、ロイドと飲みながら何気なく情報を聞きたかったので、噂話の代わりに酒を奢るという形をとった。
世間ずれした人間なら、俺のやろうとしている事くらい、直ぐに推察できる。
冒険者パーティーでも、探索を専門としている連中だと、素人の俺の演技など既に見抜いている可能性が高い。
だが連中なら、それを何時か金に換えるために、今は黙っているだろう。
「そういえば、以前ここで、婚約を破棄した王太子がいるレントン王国の話をしていましたよね。
あの国なんですが、国王と王配が、女を妃に迎えようとしている王太子を廃嫡しようとしているようですよ」
これは、いい情報を集めて来てくれた。
母国の王配マオダン殿下は、俺が今いるバガン王国の王弟だ。
これでゲセルトがどうあがこうと、廃嫡は間違いない。
それでも女を妃に迎えようと思えば、自分の両親を殺さなければならない。
だが殺したとしても、バガン王国に侵攻の口実を与えるだけだ。
「ただ少々問題もあるようで……」
俺がダンジョンに入るたびに、孤児や浮浪者の生活がよくなっていった。
新人冒険者は日々装備がよくなり、ロートルは子供や孫に技と経験を伝えている。
ロイド達トップチームも、俺に煽られたのか、それとも実力でたどり着けない場所に俺が斃した魔獣が落ちている事に奮起したのか、今まで以上に訓練をしている。
それが俺の心を徐々に豊かにしてくれる。
「ようメイガ、今日も軽く一杯やろうぜ」
ロイドが毎日酒に誘ってくれるのが嬉しい。
早朝から夕方までダンジョンに潜って、出てきたら魔獣を納入して、ロイド達と酒を飲んでリラックスする。
こんな毎日が送れるようになるなんて、母国を追放された時には、思いもしなかったので、本当に幸せを感じていた。
「おお、明日に残らない範囲で飲もうぜ」
ロイドのパーティーとは随分と打ち解けられるようになった。
女のエタナとも普通に話せるようになった。
普通に話せる女はまだほとんどいないのだが、以前のように毛嫌いするような事はなくなっていた。
「旦那、一杯奢ってくれませんか?」
俺が頼んでいた情報屋が、酒をせびるフリをしながら近づいてきた。
母国の情報、特にゲセルト王太子とジャンの情報が欲しかった。
両親、コロンビア侯爵リドル卿と、配偶者フドウがどうしているのか。
両親は俺をコロンビア侯爵家に戻す気があるのかないのか。
その辺が分かれば、ゲセルト王太子とジャンへの報復を早められる可能性もある。
「ああ、いいぞ、だがその代わり、面白い話を聞かせてくれ」
俺はねだられたら奢る男だと思われたくないし、ロイドと飲みながら何気なく情報を聞きたかったので、噂話の代わりに酒を奢るという形をとった。
世間ずれした人間なら、俺のやろうとしている事くらい、直ぐに推察できる。
冒険者パーティーでも、探索を専門としている連中だと、素人の俺の演技など既に見抜いている可能性が高い。
だが連中なら、それを何時か金に換えるために、今は黙っているだろう。
「そういえば、以前ここで、婚約を破棄した王太子がいるレントン王国の話をしていましたよね。
あの国なんですが、国王と王配が、女を妃に迎えようとしている王太子を廃嫡しようとしているようですよ」
これは、いい情報を集めて来てくれた。
母国の王配マオダン殿下は、俺が今いるバガン王国の王弟だ。
これでゲセルトがどうあがこうと、廃嫡は間違いない。
それでも女を妃に迎えようと思えば、自分の両親を殺さなければならない。
だが殺したとしても、バガン王国に侵攻の口実を与えるだけだ。
「ただ少々問題もあるようで……」
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