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第一章
第10話:自業自得
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俺は完全に虚を突かれてしまい、固まってしまった。
思考だけでなく、身体まで固まってしまったから、深々層のダンジョンでこんなことになっていたら、命の危険すらあっただろう。
だが、それも仕方がないと思うのだ。
自分の事を馬鹿にされると思い、強く身構えているところに、恨み骨髄のジャンが、婚約を破棄されたと聞かされたのだから。
「おい、どうした、何があったんだ、大丈夫か?!」
嬉しい事に、固まった俺をロイドが本気で心配してくれる。
俺より弱いとはいえ、冒険者の中では一目置かれる強さがある。
そんな強さのなかに、人を思いやる優しさを持っている。
時折見せる邪気のない子供のような笑いが、何とも魅力的な漢だ。
固まった俺を心配して、優しく肩に手をかけてくれたが、そこから痺れるような快感が身体中に流れる。
そのままロイドを抱きしめたかったが、必死でこらえた!
「ワッハハハハは、なんだそれは。
なんて馬鹿な奴なんだ、その婚約者という男は、魔力を詐称でもしていたのか?」
これ以上ロイドの手に力が入って、私の我慢が利かなくなる前に、自分の気持ちを抑え込むために、大笑いしてロイドが続きが話せるようにした。
ロイドが気持ちよく話している時の表情も、無邪気で可愛いのだ。
いあ、まあ、今の俺だと、ロイドが何をしようと可愛いと思ってしまうのだろう。
惚れた弱味と言うべきか、何故このように好きになってしまったのだろうか?
動物のように魅かれる体臭というものがあるのかもしれないな。
「いや、いや、そうじゃないんだよ。
身勝手な王太子は、以前にも今回婚約解消した男の兄と婚約解消しているのだ。
その時の争いで、弟の方がもの凄く無能なのは分かっていたのだ。
それでも優秀な兄の方と婚約を解消して、弟を新しい婚約者にしたらしい。
だから無能なのは分かっていたんだ。
それが今度は女に狂ってしまって、弟の方とも婚約を解消したらしい。
ま、早い話が、王太子は移り気で不実という事だな」
ロイドが王太子ゲセルトは不実だと謗ってくれたことで、俺の目の前の風景が一気に輝きだした!
自分では何とも思っていなかった心算でも、大きな傷を受けていたんだな。
それが解消された事で、これほど目に映る風景が違って見えるのだと初めて知ったし、心がウキウキとして、この場で踊りだしたくなった。
「そうか、そうか、そうか、王太子は移り気で不実なんだな。
そんな国は信用できないから、行かない方がいいな」
「そうだ、それに、女を王妃にすると言い出して、他の王族や有力貴族と対立しているようだから、本当に行かない方がいいぞ」
思考だけでなく、身体まで固まってしまったから、深々層のダンジョンでこんなことになっていたら、命の危険すらあっただろう。
だが、それも仕方がないと思うのだ。
自分の事を馬鹿にされると思い、強く身構えているところに、恨み骨髄のジャンが、婚約を破棄されたと聞かされたのだから。
「おい、どうした、何があったんだ、大丈夫か?!」
嬉しい事に、固まった俺をロイドが本気で心配してくれる。
俺より弱いとはいえ、冒険者の中では一目置かれる強さがある。
そんな強さのなかに、人を思いやる優しさを持っている。
時折見せる邪気のない子供のような笑いが、何とも魅力的な漢だ。
固まった俺を心配して、優しく肩に手をかけてくれたが、そこから痺れるような快感が身体中に流れる。
そのままロイドを抱きしめたかったが、必死でこらえた!
「ワッハハハハは、なんだそれは。
なんて馬鹿な奴なんだ、その婚約者という男は、魔力を詐称でもしていたのか?」
これ以上ロイドの手に力が入って、私の我慢が利かなくなる前に、自分の気持ちを抑え込むために、大笑いしてロイドが続きが話せるようにした。
ロイドが気持ちよく話している時の表情も、無邪気で可愛いのだ。
いあ、まあ、今の俺だと、ロイドが何をしようと可愛いと思ってしまうのだろう。
惚れた弱味と言うべきか、何故このように好きになってしまったのだろうか?
動物のように魅かれる体臭というものがあるのかもしれないな。
「いや、いや、そうじゃないんだよ。
身勝手な王太子は、以前にも今回婚約解消した男の兄と婚約解消しているのだ。
その時の争いで、弟の方がもの凄く無能なのは分かっていたのだ。
それでも優秀な兄の方と婚約を解消して、弟を新しい婚約者にしたらしい。
だから無能なのは分かっていたんだ。
それが今度は女に狂ってしまって、弟の方とも婚約を解消したらしい。
ま、早い話が、王太子は移り気で不実という事だな」
ロイドが王太子ゲセルトは不実だと謗ってくれたことで、俺の目の前の風景が一気に輝きだした!
自分では何とも思っていなかった心算でも、大きな傷を受けていたんだな。
それが解消された事で、これほど目に映る風景が違って見えるのだと初めて知ったし、心がウキウキとして、この場で踊りだしたくなった。
「そうか、そうか、そうか、王太子は移り気で不実なんだな。
そんな国は信用できないから、行かない方がいいな」
「そうだ、それに、女を王妃にすると言い出して、他の王族や有力貴族と対立しているようだから、本当に行かない方がいいぞ」
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