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本編
因幡国から美作・備中・伯耆へ
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1546年10月
大内義隆との交渉を終え、大内家との友好を盾に抵抗を試みた因幡の国衆・地侍を屈服させ、侵攻部隊の最前線に配属した。最悪族滅しても構わない心算で磨り潰すことにした、素直に降伏臣従すれば慈悲を与えるのだが、こう言う卑怯な手を使う連中が虫唾が走るくらい嫌いなのだ。
この状況下でも尼子家に忠誠を誓い、逃げなかった僅かな配下と共に籠城をする忠臣には慈悲を与えることにした。俺はこう言う武士の鏡と言える者たちが大好きなのだ!
もちろんこの時代の武士の本分が生き残り勝つことなのは重々承知しているし、江戸時代の培われた武士道が戦国時代の倫理道徳と違う事も理解している。だが中には愚直に忠誠を守り、滅ぶ事を厭わない者も少数いる事は確かだ。そんな奇特な武士が大好きだから、むざむざ殺したくない。
そこで何時も通りの代わり映えしない手法でつまらないのだが、身体強化魔法を発動した俺が城門と土塁・城壁を徹底的に破壊し、単独で城に乗り込み掌底で籠城将兵を次々と気絶させて捕縛した。自害などされると後味が悪いので、その点は十分気をつけた。
説得して種子島家に仕えてくれるなり、御上を護る六衛府で務めてくれれば御の字だが、最後まで尼子家に忠誠を誓うのなら、一旦逃がして出雲・石見に向かってくれても構わない。それくらいの覚悟をした上で、安藤信濃守・広田良利・井村素安とは接した。
3人は期待通りと言うべきか、最後まで尼子家に忠誠を示したので、路銀を兵糧を与えて一族ともども逃がしてやった。なんかうれしい気持ちになったが、新参者には理解出来ず、手柄欲しさに追い討ちをするかもしれないので、古参兵に重々気をつけさせた。
因幡を完全に平定したら、次に重点を置くべきは並列しての進軍だった。今までのように国単位で進軍すれば、後方や側面に敵対する国衆や地侍を残して先に進んでしまう事になる。何より気をつけなければいけないのは、常に言っているが四国勢、特に三好家の後方上陸作戦だ。
四国の味方である土佐一条家と種子島家四国方面総司令長官・時政青龍が、敵性四国勢を牽制してくれている。しかし油断は禁物で、少数精鋭の敵が後方上陸を成功させてしまうと、種子島家に加わったばかりの国衆・地侍が裏切る可能性もある。裏切るまでの事はなくても、恐怖にかられた足軽達が逃亡してしまい、裏崩れから友崩れを引きおこし、取り返しのつかない敗北に繋がってしまうかもしれないのだ。
このような注意を払いつつ、備中・美作・伯耆に同時進行したが、比較的重点を置いたのは美作だった。
大内義隆との交渉を終え、大内家との友好を盾に抵抗を試みた因幡の国衆・地侍を屈服させ、侵攻部隊の最前線に配属した。最悪族滅しても構わない心算で磨り潰すことにした、素直に降伏臣従すれば慈悲を与えるのだが、こう言う卑怯な手を使う連中が虫唾が走るくらい嫌いなのだ。
この状況下でも尼子家に忠誠を誓い、逃げなかった僅かな配下と共に籠城をする忠臣には慈悲を与えることにした。俺はこう言う武士の鏡と言える者たちが大好きなのだ!
もちろんこの時代の武士の本分が生き残り勝つことなのは重々承知しているし、江戸時代の培われた武士道が戦国時代の倫理道徳と違う事も理解している。だが中には愚直に忠誠を守り、滅ぶ事を厭わない者も少数いる事は確かだ。そんな奇特な武士が大好きだから、むざむざ殺したくない。
そこで何時も通りの代わり映えしない手法でつまらないのだが、身体強化魔法を発動した俺が城門と土塁・城壁を徹底的に破壊し、単独で城に乗り込み掌底で籠城将兵を次々と気絶させて捕縛した。自害などされると後味が悪いので、その点は十分気をつけた。
説得して種子島家に仕えてくれるなり、御上を護る六衛府で務めてくれれば御の字だが、最後まで尼子家に忠誠を誓うのなら、一旦逃がして出雲・石見に向かってくれても構わない。それくらいの覚悟をした上で、安藤信濃守・広田良利・井村素安とは接した。
3人は期待通りと言うべきか、最後まで尼子家に忠誠を示したので、路銀を兵糧を与えて一族ともども逃がしてやった。なんかうれしい気持ちになったが、新参者には理解出来ず、手柄欲しさに追い討ちをするかもしれないので、古参兵に重々気をつけさせた。
因幡を完全に平定したら、次に重点を置くべきは並列しての進軍だった。今までのように国単位で進軍すれば、後方や側面に敵対する国衆や地侍を残して先に進んでしまう事になる。何より気をつけなければいけないのは、常に言っているが四国勢、特に三好家の後方上陸作戦だ。
四国の味方である土佐一条家と種子島家四国方面総司令長官・時政青龍が、敵性四国勢を牽制してくれている。しかし油断は禁物で、少数精鋭の敵が後方上陸を成功させてしまうと、種子島家に加わったばかりの国衆・地侍が裏切る可能性もある。裏切るまでの事はなくても、恐怖にかられた足軽達が逃亡してしまい、裏崩れから友崩れを引きおこし、取り返しのつかない敗北に繋がってしまうかもしれないのだ。
このような注意を払いつつ、備中・美作・伯耆に同時進行したが、比較的重点を置いたのは美作だった。
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