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第一章
第7話:復讐2
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ゴリアス達は、生命力だけが強い最弱のアメーバーに変化させられ、完全に滅ぼされる事はなく、永遠に冒険者達に攻撃され続ける地獄に落ちた。
私はそれを見届けて、自分の復讐を果たすことにした。
これ以上国を離れていては、国に残った民だけが苦しむことになる。
早々に母国を捨てて、豊かなこの国に逃げてきたゲッセル王太子と双子の悪女は、のうのうと社交界で遊び惚けているのだ。
「久しぶりね、復讐に来させてもらったわよ」
私は三人が乳繰り合っている寝室に入り込んだ。
そして恐怖の魔術を放って、心が恐怖に駆られる状態にしてやった。
その恐怖感は、人生で初めて受ける耐え難いものだろう。
「「「ぎゃああああああ」」」
「「「ゆるして、ゆるして、ゆるしてぇええええ」」」
だかそれで許してやるほど優しくはない。
まずは社交界で楽しめないように、顔を焼いてあげましょう。
「「「熱い、痛い、熱い、痛い、熱い」」」
殺さないように、あまり深く焼かないように、痛みが最大になるように、焼いた。
容姿だけが自慢だった双子の悪女も、それでもう誰も騙せないだろう。
だが金が残っていたら、その金で豊かな生活を続ける、だから全ての財貨を奪う。
家屋敷が残っていたら、そこに隠れて暮らせる、だから家屋敷は焼き払う。
その上で、優しい誰かに救われる事ないように、犯罪者奴隷に落とす。
自らの欲望を満たすために、家屋敷を燃やしたとなれば、厳罰は免れない。
「王都警備隊長様、この人達は私達を拷問して快楽に耽っていたのです。
しかもその為に使っていた火でカーテンを焼き、家を燃やしてしまったのです」
私はゲッセル王太子の屋敷に勤めていた侍女達に、嘘の記憶を植え付けて証言させたのだ。
可哀想な事に、本当に彼女達はわずかな失敗で折檻されていた。
それを少し脚色して、下劣な快楽のために拷問したことにしただけだ。
これこそ嘘も方便だと思うのだが、賛成してくれる人はいるだろうか?
「今まで世話になったな、国に帰らなければいけなくなった」
「そんな、私こそお世話になりっぱなしです!
ペルセスを探し出して助けてくださっただけでも、返せ切れない御恩なのに、元通りの姿にしてもらえて、なんとお礼を申し上げていいのか分かりません」
ジャネルがわんわん泣きながらお礼を言ってくれる。
ペルセスは涙を流しながら黙って最敬礼してくれる。
ペルセスのような寡黙で情の深い男はいい、私の好みだ。
ジャネルの恋人でなければ、付き合ってくれと告白しているだろう。
この二人が幸せに暮らすのを見ていたいという思いが強いが、そうもいかない。
私が母国を離れてしまうと、神の御怒りが民を苦しめてしまう。
「では、もう会えないと思うが、元気で暮らしてくれ」
母国でペルセスのような男と出会えればいいのだがな。
私はそれを見届けて、自分の復讐を果たすことにした。
これ以上国を離れていては、国に残った民だけが苦しむことになる。
早々に母国を捨てて、豊かなこの国に逃げてきたゲッセル王太子と双子の悪女は、のうのうと社交界で遊び惚けているのだ。
「久しぶりね、復讐に来させてもらったわよ」
私は三人が乳繰り合っている寝室に入り込んだ。
そして恐怖の魔術を放って、心が恐怖に駆られる状態にしてやった。
その恐怖感は、人生で初めて受ける耐え難いものだろう。
「「「ぎゃああああああ」」」
「「「ゆるして、ゆるして、ゆるしてぇええええ」」」
だかそれで許してやるほど優しくはない。
まずは社交界で楽しめないように、顔を焼いてあげましょう。
「「「熱い、痛い、熱い、痛い、熱い」」」
殺さないように、あまり深く焼かないように、痛みが最大になるように、焼いた。
容姿だけが自慢だった双子の悪女も、それでもう誰も騙せないだろう。
だが金が残っていたら、その金で豊かな生活を続ける、だから全ての財貨を奪う。
家屋敷が残っていたら、そこに隠れて暮らせる、だから家屋敷は焼き払う。
その上で、優しい誰かに救われる事ないように、犯罪者奴隷に落とす。
自らの欲望を満たすために、家屋敷を燃やしたとなれば、厳罰は免れない。
「王都警備隊長様、この人達は私達を拷問して快楽に耽っていたのです。
しかもその為に使っていた火でカーテンを焼き、家を燃やしてしまったのです」
私はゲッセル王太子の屋敷に勤めていた侍女達に、嘘の記憶を植え付けて証言させたのだ。
可哀想な事に、本当に彼女達はわずかな失敗で折檻されていた。
それを少し脚色して、下劣な快楽のために拷問したことにしただけだ。
これこそ嘘も方便だと思うのだが、賛成してくれる人はいるだろうか?
「今まで世話になったな、国に帰らなければいけなくなった」
「そんな、私こそお世話になりっぱなしです!
ペルセスを探し出して助けてくださっただけでも、返せ切れない御恩なのに、元通りの姿にしてもらえて、なんとお礼を申し上げていいのか分かりません」
ジャネルがわんわん泣きながらお礼を言ってくれる。
ペルセスは涙を流しながら黙って最敬礼してくれる。
ペルセスのような寡黙で情の深い男はいい、私の好みだ。
ジャネルの恋人でなければ、付き合ってくれと告白しているだろう。
この二人が幸せに暮らすのを見ていたいという思いが強いが、そうもいかない。
私が母国を離れてしまうと、神の御怒りが民を苦しめてしまう。
「では、もう会えないと思うが、元気で暮らしてくれ」
母国でペルセスのような男と出会えればいいのだがな。
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