旦那の愛が重すぎる

カイン

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園内をしばらく歩いていると、

「ねぇねぇ、あそこは何?」

蛇のように長くうねっているものがみえた。

「あれはですねジェットコースターですよ」

「じぇ、じぇ、ジェットコースター!?何その早そうなコースター!」

「ジェット、コースターではなくジェットコースターです。
早い乗り物ですよ。
かあさまあれに乗りたいのですね。」

「うん!」

「行きましょう」

5分ぐらい歩いたら到着した。思ったより大きい…

「じゃあ、乗ろうか、」

 「うん!」

「あのぉ、ちょっとすいません。お子様はお乗りになれません。」

乗り口前の階段の入口に立っている爽やかなお兄さんに話しかけられた。
話を聞くとなんと、奏多が乗れないらしい。

「え??」

「なんでだ?」

「あ、あの、140cm未満のお子様は乗せられない規定になってまして、」

「あ、そうなのおぉ…どうする?」

お兄さんの説明を聞いて納得する。
すっごく残念行きたかった…シューン
でも、このまま奏多を置いていくことなんて出来ないし、、、

「かあさま行ってきていいですよ」

奏多からそんな提案をされたが心配なので、渋る。

「え、でもぉ、」

「いいからいいからかあさまのために今日連れてきたんですから思いっきり楽しんでください!
僕はこのSPといますから」

といって、奏多が手を叩くとどこから現れたのか分からないが黒スーツでサングラスの男たちがでてきた。

「え、いつの間に…あ、そう??じゃあ行ってくるね!」

「はいっ!かあさま楽しんでください」

奏多に手を振られながら見送られてドキドキしながらも座る。

「バーを下げますね。では、行ってらっしゃあい」

お兄さんに手を振られガタガタと頂上へ登っていく。
ちょっと怖くなってきた。
こんな急角度ある??って言うぐらい体が斜めになりながら上がっていく。

「どうしよ、どうしよ、怖い怖い、雅人たすけ、ぎゃぁぁぁあ」

頂上に着いた瞬間真っ逆さまにおちていった。
体全体で重力を受けたような気がする。
上下にグワングワン揺れる。バーを持ってないと振り落とされそうだ。
ハァハァ死ぬかもしれない。怖い怖い。

でもでもでも、

「たっのしーー!!!!!」

「きゃー!!ふー!!いぇーい!!ふー!!」

ガタガタガタガタ

「はーい、お疲れ様でしたぁ。お足元にご注意くださ、」

「もう1回!!」

「ふふ、はーい、いいですよ。」

お兄さんの言葉をさえぎり勢いつけて言うと、笑われてしまった。

「もぉ、笑わないでくださいぃ、」

「ふふ、すみません。つい、お客様が可愛くて」

ぶすくれていると謝られた。最後の方は聞き取れなかった。

「「殺す」」

バリンっ

そんな弥生と、定員のやり取りを見ているものが2人居た。

「では、出発しまーす。行ってらっしゃあい」

「きゃー、楽しいぃー!!」

ガタガタまたすぐに終わった。

「もう1回!!」

席に座ったままお兄さんに向かってお願いポーズで強請る。

「かわ、はぁはぁ、はい、いいですよ。」

お兄さんは笑顔でまたOKしてくれた。心做しか顔が赤かった気がする。
大丈夫かなぁ?

「「殺す」」

その後ももう1回と何度も何度もお願いした。

「もう1回、もう1回、もう1回」

今日は貸切なので遠慮なく楽しむ。
これ10回目ぐらいかなと思った時大声で誰かに呼ばれた。

「かあさまぁぁぁあ僕のこと忘れないでくださいぃぃい」

「えーなに??」

待ちくたびれたのか完璧存在忘れてた奏多が大声で俺を呼んだ。

「あ、ごめーんすぐ行くからあと1回だけぇ、」

「ダメです。これを許したらかあさま絶対、ずっとここにいるんでしょ?
かあさまそれでいいんですか?他のもあるんですよ!」

「えぇ!ほんと!?早く行こっ!あ、何度もありがとうございました。では!」

その言葉を聞きすぐに、階段からおりる。

「チッ、あ、あのお客様、少しお名前を…」

男性は舌打ちし、急いで弥生呼び止めようと手を伸ばすが、弥生はお構い無しに離れる。

そんな中奏多は弥生が来る前に一言だけ彼に顔を向けて告げた。

「消えろ」

その後男性がこの場所に足を踏み入れることは二度となかった。






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パターン3は次回かな??
 
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