旦那の愛が重すぎる

21

雅人視点

「それにしても、や、や、弥生！きゃきゃきゃわゆいね！！」

改めて弥生の全身を見る。
弥生はなんでも似合うから何着ても可愛いんだけど、今日は白のロングスカートにデニムジャケット中にTシャツをきている。
肩には白のショルダーバッグをかけていた。

「えーほんとー？うれしー！」ニコッ

うっ、また笑顔の破壊力が…。
こんなに可愛すぎる弥生誰にも見せたくなかった…
絶対弥生は攫われる！守りきっていいとこ見せつけるぞ！
俺の心に火がついた。

ジロジロ、チョロ、ジロジロ

なんて思ってる側からなんか視線を感じるなと思って周り見ると男どもが弥生を舐めまわすようにみてる。
中年のじじいから、小学生、カップルの男どもまでも弥生を見ているではないか！
すぐさま弥生を腕の中に入れ、周りを睨みつけると少しは視線が減った。

「もぉ、なに？？」

腕の中の弥生がもがく、チラッと腕の中の弥生を見る。
上を向いた弥生と目が合った。
自然とニヤける。

「いや、ちょっと鳥が飛んできてさ」

「何言ってんの？？、早く離して、行っくよー！」

弥生はどうにかして俺の中から抜けて、俺の腕を掴んでショッピングモールに入っていった。



「うわぁ！！すごーい！！人がいっぱいだよ！！えーめっちゃ広くない！？｣

弥生はキョロキョロと周りを見渡しながら俺の腕をバシバシ叩いて飛び跳ねてる。可愛い。

「ねぇねぇ、なんか美味しそうな匂いしない！？え？みたらし団子？何それ買って買って！｣

といって入ってまだすぐの所にあるみたらし団子と書かれた店に引っ張られる。
俺は弥生に腕を絡まれたまま財布を出す。
財布の中にはもしものために100万以上持ってきた。
もちろん尽きるかもしれないので、ブラックカードも常備だ。
何せ、俺と弥生は初めてのショッピングモールだ。
俺はともかく、弥生には恥ずかしい思いをして欲しくないので、バッチリ予習済みだ。

「おい、店主、みたらし団子とやらを1つ」

「え！？雅人何言ってるの！？」

ふふん、弥生が驚いてるな。内心ニヤつくが平常心平常心。

「あぁ、弥生これはね、商品を頼む時に使う暗号の様なものなんだよ。」

「えー！？雅人すごい！かっこいい俺もしたい！！」

雅人がキラキラした目でこちらを見てきた。

「あぁ、弥生も次させてあげるからな。」

「うわぁ！楽しみ！」

「お、仲良いね～、嬢ちゃんかわいいからオマケしとくよ、はい250円ねー」

と、ずっしりした重さがある袋を渡される。
何！？聞き間違えか！？250円だと！？

「ええ！！安すぎない！？そんな安くてお店潰れないのかなぁ？雅人早く出して、」

弥生に肘でつつかれて意識を戻す。

「あっあぁ、」

今万札しか持ってなかったので、1万だすと、お釣りがたくさん返ってきた。
チップだと言ってお釣りは要らんと言ったがしっかり返ってきた。
チップが要らないだと…初めて言われたぞ。軽く俺がゲシュタルト崩壊してる間、
弥生は俺の腕を絡めてさっき買ったみたらし団子を食べ食べ歩き、

「あっ！服売ってる！可愛いいくらだろ？えー！安すぎじゃない！？買って！！」

と周りを物色していた。