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「やぁやぁ、それが噂の奥さんかね、はぁはぁ、またまた別嬪さんだね、はぁはぁ、是非夜の相手もしてもらいたいよふんふん、」
今すごくベタベタしてる中年太りの人が俺をジロジロみながら、鼻息荒くし気色悪いことを言ってきている。
俺は目元だけニコニコさせたまま雅人の後ろに隠れて何も言わない。
はぁ、内心うんざりだ。こんな目に会うのはもう、これで何回目だろう。早く帰りたい。
そんなことを思っていると雅人が手を握って守ってくれる。
「あまり妻をみないでもらいますか?潰されたくないでしょう?」
と、人を刺すような目で見る。
「いい、いや、じょ、じょ、冗談だよ、怖いこと言うなよ如月くん、あはははは。」
この光景も何回目だろう。
でも、何回みてもやっぱり俺の旦那様はかっこいい…
そう改めて惚れ直していると、
「では、失礼します」
と言って雅人が俺の手を引っ張って中年太りのおじさんの前から離れる。
歩きながらさき行く雅人の手をギューって握ると、雅人は安心させるかのように強く握り返してきてくれた。
そのまま会場の隅に行き、抱きしめられた。
雅人の腕の中に包まれてさっきまでの気持ち悪さが吹き飛ぶ。
「弥生ぃごめんね、こんな怖いところに連れてきてしまって、弥生が嫌な気持ちに絶対なるってわかってたのに…弥生が可愛くてつい」
と、シュンとなった雅人が強く抱きしめる。隅とはいえども、人目につかないことはないのである程度の人から見られるが気にならない。
それよりも雅人を元気づけたくて、
「ううん、楽しかったよ!色んな有名人も見れたし、美味しい料理も食べれたし、それから雅人のカッコいいところも、、、見れたし」
ニコッと効果音がつくぐらい首を傾げながら笑う。少し照れくさいが今日雅人のおかげでたくさん救われたし、楽しい気持ちにもなれたので少しでも感謝のきもちを伝えたい。
雅人はというと、
「や、や、弥生が、か、か、かっこいいって、」
と言って口に手を抑えて涙目になっていた。
それから
「やばぁ、弥生、好き好き好き好き好き好き可愛い可愛い。はぁ、はぁ、帰って絶対抱き潰す。」
うん、よかった平常運転だ。最後の言葉は気にしないようにしている。
2人でそんなやり取りをしていると、1人の男がやってきた。
「あのぉ、如月様、森本様がお呼びなんですが、」
「あぁ、わかった。弥生、いくぞ」
少し不機嫌になったが、俺に向き直り手を引いてくる。が、そんな様子を男性が慌てて止めて来た。
「いえ、あの申し上げにくいのですが、雅人様1人でとのお話を希望してまして。」
「はぁ?じゃ行かない。帰ったと伝えて。」
「しかし、「はい話は終了、どっか行って、俺は弥生との大事な商談があるの!」
もう用はないかのように男性の方をみなくなり、また抱きしめてきた。
反対に男性は酷く焦っている様子だ。見ていて可哀想になる。
「雅人??行ってきていいよ??俺待ってるからさ、」
「いやいいよ、弥生を優先する以外に大事なことないし、それに弥生を1人っきりにするなんて絶対できないし、」
「大丈夫だよ、すぐ終わるでしょ?あの人も慌ててるみたいだし、行ってきなよ。」
これまでの話的なものはほぼ世間話なことを、5分くらい話すだけだったので、それぐらいなら大丈夫だろう。
「えぇ、でもぉ、」
「いいから、いいから、」
と、雅人の背中を押す。
「わかった。すぐ戻ってくるからね。絶対に話しかけられてもむしするんだよ。喋っちゃダメだよ、マスクはずしちゃだめだからね、それからそれから」
「はいはい、いってらっしゃい」
と言いながら手を振った。
雅人が見えなくなった。
すると途端に不安になり、しゃがんでいると、
「お姉さん、どうしたの?」
と、話しかけられた。
誰?と思って顔を上げると見知らぬイケメンがいた。
今すごくベタベタしてる中年太りの人が俺をジロジロみながら、鼻息荒くし気色悪いことを言ってきている。
俺は目元だけニコニコさせたまま雅人の後ろに隠れて何も言わない。
はぁ、内心うんざりだ。こんな目に会うのはもう、これで何回目だろう。早く帰りたい。
そんなことを思っていると雅人が手を握って守ってくれる。
「あまり妻をみないでもらいますか?潰されたくないでしょう?」
と、人を刺すような目で見る。
「いい、いや、じょ、じょ、冗談だよ、怖いこと言うなよ如月くん、あはははは。」
この光景も何回目だろう。
でも、何回みてもやっぱり俺の旦那様はかっこいい…
そう改めて惚れ直していると、
「では、失礼します」
と言って雅人が俺の手を引っ張って中年太りのおじさんの前から離れる。
歩きながらさき行く雅人の手をギューって握ると、雅人は安心させるかのように強く握り返してきてくれた。
そのまま会場の隅に行き、抱きしめられた。
雅人の腕の中に包まれてさっきまでの気持ち悪さが吹き飛ぶ。
「弥生ぃごめんね、こんな怖いところに連れてきてしまって、弥生が嫌な気持ちに絶対なるってわかってたのに…弥生が可愛くてつい」
と、シュンとなった雅人が強く抱きしめる。隅とはいえども、人目につかないことはないのである程度の人から見られるが気にならない。
それよりも雅人を元気づけたくて、
「ううん、楽しかったよ!色んな有名人も見れたし、美味しい料理も食べれたし、それから雅人のカッコいいところも、、、見れたし」
ニコッと効果音がつくぐらい首を傾げながら笑う。少し照れくさいが今日雅人のおかげでたくさん救われたし、楽しい気持ちにもなれたので少しでも感謝のきもちを伝えたい。
雅人はというと、
「や、や、弥生が、か、か、かっこいいって、」
と言って口に手を抑えて涙目になっていた。
それから
「やばぁ、弥生、好き好き好き好き好き好き可愛い可愛い。はぁ、はぁ、帰って絶対抱き潰す。」
うん、よかった平常運転だ。最後の言葉は気にしないようにしている。
2人でそんなやり取りをしていると、1人の男がやってきた。
「あのぉ、如月様、森本様がお呼びなんですが、」
「あぁ、わかった。弥生、いくぞ」
少し不機嫌になったが、俺に向き直り手を引いてくる。が、そんな様子を男性が慌てて止めて来た。
「いえ、あの申し上げにくいのですが、雅人様1人でとのお話を希望してまして。」
「はぁ?じゃ行かない。帰ったと伝えて。」
「しかし、「はい話は終了、どっか行って、俺は弥生との大事な商談があるの!」
もう用はないかのように男性の方をみなくなり、また抱きしめてきた。
反対に男性は酷く焦っている様子だ。見ていて可哀想になる。
「雅人??行ってきていいよ??俺待ってるからさ、」
「いやいいよ、弥生を優先する以外に大事なことないし、それに弥生を1人っきりにするなんて絶対できないし、」
「大丈夫だよ、すぐ終わるでしょ?あの人も慌ててるみたいだし、行ってきなよ。」
これまでの話的なものはほぼ世間話なことを、5分くらい話すだけだったので、それぐらいなら大丈夫だろう。
「えぇ、でもぉ、」
「いいから、いいから、」
と、雅人の背中を押す。
「わかった。すぐ戻ってくるからね。絶対に話しかけられてもむしするんだよ。喋っちゃダメだよ、マスクはずしちゃだめだからね、それからそれから」
「はいはい、いってらっしゃい」
と言いながら手を振った。
雅人が見えなくなった。
すると途端に不安になり、しゃがんでいると、
「お姉さん、どうしたの?」
と、話しかけられた。
誰?と思って顔を上げると見知らぬイケメンがいた。
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