15 / 16
静の涙ベクトル
しおりを挟む
佐々木静サイド
「おい、涙はいつ来るんだ!」
「父さん落ち着いて、もう少しで来るはずだから」
「お前がしっかり見とくべきだっただろ!?」
「そうはいってもですね、それに父さんこそ、」
理事長である藤宮武尊様と、その息子さんでこの学園の教師である藤宮天馬先生が言い争っている。
事の発端は涙という生徒が遅れているということが原因らしい。
この涙という生徒は何かと有名になることが多い。
例えば世界一の美少女で目に入れただけで惚れるや、人間ではなく女神だとか、どれもこれも彼の容姿を称えるものばかりだ。
かく言う、我らが生徒会長も涙さんと出会った初日から涙さんに骨抜きにされ今では生徒会室で彼への愛か何か知らないが毎日毎日恋文ならぬものを書き綴っている。
ほんと、昔の彼では信じられないほどのキャラチェンジを成し遂げだ。一人称も俺様から僕と言い始め、はっきり言って気持ち悪い。
しかし、そんな彼を変えるほどの存在の涙さんに私も興味が沸いた。
「遅くなって、すいません。」
そんなことを考えているとガチャと扉が開いた。
透き通るような声が響く。
さっきまで騒がしかった教室がシーンと静まりかえる。
皆が一斉に扉の方を向く。
会長は声を聞いただけで鼻息荒くしていた。
反応だけでわかるたぶんお目当ての方だろう。
私も扉の方を向くと、言葉を失った。
可愛い…女神だ…
そんな言葉でしか現せられない。
私のものにしたい。
これは運命だと思った。私が初めて他人に興味を持った瞬間。絶対に彼を私のものにする。
幸いにも私は容姿にも恵まれ、家柄も悪くないどころか、良すぎるぐらいだ。
言い寄ってくるやつは腐るほどいたので彼を落とすぐらい造作もないだろう。
「僕の膝の上に、」
「失礼しました。」
そんなことを考えていると会長が何かセクハラ混じりの気持ち悪いことを言って涙さんが帰ろうとしている。
しかし、藤宮先生にとめられていた。
2人は距離が近くないか?兄弟だから仕方がないよな。
結局涙さんは会長と先生の間に座った。
その後さっきまでの憤ってた雰囲気とは全く違う、破顔の理事長が進行をしていた。
「3つ目涙は平等にみんなと接すること」
どんどんと話が進んでいると、理事長が気になることを言った。
私の頭の中で「?」が浮かんだ。
それは無理だろう彼が愛したいのも愛するのも全て私になるのだから。
涙さんも反発している。やはり私に惚れているのだろう。
走行しているうちに話も終わり解散となった。
先生たちや委員長が帰る中私と涙さんと会長だけが残った。
会長早く帰れよ。涙さんは私と帰りたいんだよ。
私は中々帰らない会長にイライラしていた。
どうやら会長は涙さんに駄々を捏ねてるらしい。
ここは恋人である私が駆けつけないと。
急いで彼らに近づき、
「会長みっともないですよ。涙さんも嫌がってますよ、ね?」
そう涙さんを見ながら手を伸ばし声をかける。
涙さんも驚いてるのかこちらを見つめて固まっていると思ってたらパシッと手を弾かれた。
「おい、涙はいつ来るんだ!」
「父さん落ち着いて、もう少しで来るはずだから」
「お前がしっかり見とくべきだっただろ!?」
「そうはいってもですね、それに父さんこそ、」
理事長である藤宮武尊様と、その息子さんでこの学園の教師である藤宮天馬先生が言い争っている。
事の発端は涙という生徒が遅れているということが原因らしい。
この涙という生徒は何かと有名になることが多い。
例えば世界一の美少女で目に入れただけで惚れるや、人間ではなく女神だとか、どれもこれも彼の容姿を称えるものばかりだ。
かく言う、我らが生徒会長も涙さんと出会った初日から涙さんに骨抜きにされ今では生徒会室で彼への愛か何か知らないが毎日毎日恋文ならぬものを書き綴っている。
ほんと、昔の彼では信じられないほどのキャラチェンジを成し遂げだ。一人称も俺様から僕と言い始め、はっきり言って気持ち悪い。
しかし、そんな彼を変えるほどの存在の涙さんに私も興味が沸いた。
「遅くなって、すいません。」
そんなことを考えているとガチャと扉が開いた。
透き通るような声が響く。
さっきまで騒がしかった教室がシーンと静まりかえる。
皆が一斉に扉の方を向く。
会長は声を聞いただけで鼻息荒くしていた。
反応だけでわかるたぶんお目当ての方だろう。
私も扉の方を向くと、言葉を失った。
可愛い…女神だ…
そんな言葉でしか現せられない。
私のものにしたい。
これは運命だと思った。私が初めて他人に興味を持った瞬間。絶対に彼を私のものにする。
幸いにも私は容姿にも恵まれ、家柄も悪くないどころか、良すぎるぐらいだ。
言い寄ってくるやつは腐るほどいたので彼を落とすぐらい造作もないだろう。
「僕の膝の上に、」
「失礼しました。」
そんなことを考えていると会長が何かセクハラ混じりの気持ち悪いことを言って涙さんが帰ろうとしている。
しかし、藤宮先生にとめられていた。
2人は距離が近くないか?兄弟だから仕方がないよな。
結局涙さんは会長と先生の間に座った。
その後さっきまでの憤ってた雰囲気とは全く違う、破顔の理事長が進行をしていた。
「3つ目涙は平等にみんなと接すること」
どんどんと話が進んでいると、理事長が気になることを言った。
私の頭の中で「?」が浮かんだ。
それは無理だろう彼が愛したいのも愛するのも全て私になるのだから。
涙さんも反発している。やはり私に惚れているのだろう。
走行しているうちに話も終わり解散となった。
先生たちや委員長が帰る中私と涙さんと会長だけが残った。
会長早く帰れよ。涙さんは私と帰りたいんだよ。
私は中々帰らない会長にイライラしていた。
どうやら会長は涙さんに駄々を捏ねてるらしい。
ここは恋人である私が駆けつけないと。
急いで彼らに近づき、
「会長みっともないですよ。涙さんも嫌がってますよ、ね?」
そう涙さんを見ながら手を伸ばし声をかける。
涙さんも驚いてるのかこちらを見つめて固まっていると思ってたらパシッと手を弾かれた。
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
就職するところがない俺は男用のアダルトグッズの会社に就職しました
柊香
BL
倒産で職を失った俺はアダルトグッズ開発会社に就職!?
しかも男用!?
好条件だから仕方なく入った会社だが慣れるとだんだん良くなってきて…
二作目です!
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる