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番外編
年末!大晦日。
しおりを挟む「暇だ……」
「暇だねぇ…」
こたつの中で虫のようにモゾモゾしている大和さんと笠井…もとい健太さん達はちょっと可愛い
俺はと言うと冬の長期休みの課題を終わらせるよう、同じリビングの机で手を走らせていた。
こたつは…気が緩んじゃうから我慢するんだ。
元々勉強は嫌いでは無いため、内容的には難しくないけど如何せん量が多い。
クリスマスもだけどその後も大掃除やら何やらで手がつかなかった俺は年末の大晦日に今年の心残りである課題やレポートを来年まで残しておけなかった
早く終わらせて年末年始を2人とのんびり過ごしたい気持ちもある。
課題があと少しのところまで来た時、暇を持て余した三十路の大人2人が呼ぶ声が聞こえたのでそちらを向くとこっちに来いと手招きしていた
「やだ、あと少しだから待ってよ。」
「ダメ。そんなん俺の膝の上でしろよ。」
「狡い!桜沢は筋肉好きだし俺の所がいいよね?」
ワーワー言いながら喧嘩する2人は見慣れているがウチはこれが日常で、喧嘩するほど仲がいいのだ。
2人は、俺が居ない時は結構仲良しらしいけど俺が絡んだ瞬間こうなるのだ。
どっちが年末年始過ごすか…という勝負はケリがつかなかったらしく仕方なくこうなったらしい。
「うるさいなぁ、新作のポ〇モンでもやっててよ。
」
「バトルくらいしかすることが無くなった。」
「ある程度育成終わっちゃったもん。」
ゲームに関しては本当に趣味が違う2人は
大和さんがバトルが得意で健太さんは育成好き。
だからこそコーチをやっていたらしい。今のジムのトレーナーも楽しんでやってると聞いてるし元々そういう気質らしい。
ちなみに俺は、色違いを集めている。
2人のバトルを見ながら卵産んでるとめっちゃ引かれたけど2人もそのバトルを100戦連続でやってたりするからどっこいどっこいだと思う。
「今日の夜はいっぱい甘やかしてやるんつもりだけど……武尊はMだし、やっぱ苦しいのが好きなのか、あーぁ残念。」
大和さんがワザと聞こえるように独り言を言っていて、呆れつつも課題を持って大和さんの上に移動した。
「Mじゃない。大和さんと健太さんなら……その、何されても嬉しい…だけだよ…」
何故か硬いものが尻に当たっているし、耳元でため息を吐かれてしまい、声が出そうになった俺はそれを抑えた
「……ッ……!」
「そういうエロい事言うんじゃねーよ。襲うぞ?」
耳元で囁かれる声に色気があり過ぎて本当にしんどい。
義足を外した今は逃げる事もままならないし…変な気分になってしまう。
「……お前ばっかりずるい……クリスマスも……」
「それは俺がいい子だったからだろ?」
「んなわけあるか!」
「自業自得だろ。」
「ぐっ……」
クリスマスの件は…まぁ、あれは俺も煽ったから仕方ない。初めて以外はずっと俺の負担とかを考えてゴム付けてやってきたし。
このふたりが相手ならナカに出される感覚も、いつもより熱い怒張も幸せに感じてしまう俺は多分大分堕ちているのだろう。
まぁ、惚れた弱みってやつなんだよな。
他のやつなら義足で顔面シュートして終わりだし、と大分物騒な事を考えていると服の中に潜り込んでくる素手が脇腹や背中という弱い部分を沿っていく
「ン…ッ!?大和さ…んぅ、ふ…ぁッ…」
「んー?ほら続けて?」
こたつで暖まった綺麗な指先が身体を沿っていくのが艶めかしく、焦れったい。
勉強をしていたはずなのにその弱い刺激に、いつも貰える刺激が強いから全然足りないと思ってしまう。
焦れったくモゾモゾしているといつの間にか隣にいた健太さんに荒々しく唇を奪われてしまった。
漏れる吐息と声が聞こえてくる。
大和さんが何か言った気がするけど、キスが気持ち良すぎて聞こえない。
薄く目を開くと健太さんの雄々しい顔が見えて心臓が高鳴る
サッカーしてる時もカッコいいけど
貪るように味わう男の顔をする健太さんはエッチの時だけだから、それを見るのは俺だけだし、それを含めてすごい好きだ。
離れていく唇が寂しく感じる。
「ごめん、我慢出来なくて、武尊可愛いから」
2人とももうちょっと我慢して欲しいよな。なんて思ってたら顔を掴まれて大和さんにキスをされた
喰われる。
そんな事を思ってしまう程の荒々しさはドSな性格が影響しているのか、捕食者と獲物の気分はこんなんなのかなって思ってしまう。
3年間、いくら2人とキスしても、エッチをしても、心臓が痛くなるくらい高鳴るのは治らない。
俺は重症だと思う。
余裕がある2人はいつもそんな俺を笑うんだけど。
30超えれば落ち着いていくのか…とも思ったが夜の事を考えるとむしろこの2人は激しいからなんとも言えない。
結局、俺はベッドに連れていかれてぐちゃぐちゃにされその場で2人と年を越す事になってしまった。
煩悩の数だけ除夜の鐘は鳴るが、大和さんと健太さんは108じゃ足りないだろうな……
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