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ちょっま、待った!
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「……!」
エマに電流が走ったみたいになって、クフベツさまは声にならない声をあげた。エマが勝手に熱くなってぴくぴくと痙攣した。体の奥がとろけて熱いものが溢れ出した。ヨンジンは夢中になってクフベツさまのエマに顔をうずめ、ちゅくちゅくと音をたてながら甘い蜜を吸っている。
「ちょっま、待った! タンマ!」
クフベツさまはありったけの力でヨンジンの肩をつかんで押しとどめた。
「え、ダメ?」
ヨンジンは荒い息をつきながらもどうにか理性をかき集めてクフベツさまのエマから顔を離した。
「今日はダメ」
クフベツさまは急いで裾を直しながら言った。
(あ、危なかった)
荒い息遣いを必死で整えながら、頬のほてりに気づかれないようにクフベツさまはヨンジンから顔をそむけた。
「いつならいいの」
ヨンジンはあからさまに不満そうな顏をしている。
「そりゃお前、ちゃんとどこかに落ち着いて巣も作ってくれないと……」
「ええ?」
ヨンジンは絶望的な表情になった。
「こんなに待ったのに、まだお預け?」
「当たり前だろ」
クフベツさまはなんとか優位に立とうとしてことさら高圧的な口調で言った。
「巣ってどうやって作るの?」
ヨンジンが自信なさそうに聞く。
「俺が知るか!」
クフベツさまは今度こそ本当にキレて、
「本気でやろうと思ったらなんとかなるんだよ、結婚だって、巣だって! 少しは自分で考えろ!」
と叫んだ。
ヨンジンはしぶしぶ、
「わかったよ。どこかに落ち着いて巣を作るまで、結婚はしない」
と言ってうなずいた。クフベツさまはホッとして、まだ少しむくれているヨンジンの肩に頭をもたせかけた。ヨンジンは不機嫌そうに肩を揺すったが、本気で払いのける気はないようで、うつむいてじっとしている。クフベツさまはこっそり笑った。
(すねた顔もかわいいな。子供の時は天使みたいだったけど、大人になったヨンジンも悪くない)
などとのんきに思いながら。
ヨンジンの体は温かかった。そばにいると、心がピッタリ吸いついていくみたいな感じがした。まるで心というものが、ゼラチンか何かでできてるみたいに。訳もなく心が弾んで、クフベツさまは足の爪先をパタパタさせた。
ヨンジンが迎えに来てくれてうれしかった。おかあさんは死んで、パパには捨てられて、翼をもたぬ者たちからはキチガイ扱いされた。本当に孤独だったんだ。クフベツさまにはヨンジンしかいなかった。子供の頃から、ずっと。
だけど、こんなふうに一日伸ばしにして、どうなるんだろう。いっそ正直に、
「卵を産んだら俺は死ななきゃいけないんだ。俺は死にたくない。死なないで、いつまでもお前と一緒に暮らしたいんだ。子供の頃みたいに、二人きりでさ」
と言ってみたら、どうだろう。ヨンジンなら、分かってくれるような気がする。けれどそれがいつまでも続くっていうのも、なんだか重荷に思えた。お互いに発情、いや、恋をしたまま、二人っきりでそばにいるのに、我慢し続けるなんて。途中でクフベツさまの気が変わって、
「俺、やっぱりいいや。死んでもいいから結婚しよう」
と言ったとして、ヨンジンは結婚してくれるだろうか。クフベツさまを死なせるとわかっているのに。
そこまで来て我慢されても困るけど、結婚してくれたらそれはそれでショックだ。
「結婚さえできれば、俺が死んでもいいのかよ!?」
と思ってしまう。
「俺が死んだら、泣くだけ泣いて、すっきりしたら新しいラ・エマを探しに行くんじゃないのか?」
と勘繰りたくもなる。
(そもそも俺が死にたくないのは、怖いのもあるけど、お前を他の誰かに取られるのが嫌だからなのに……)
愛しているのに、その愛をどこに着地させればいいのか分からなかった。
ヨンジンは、よほど眠いのをこらえていたんだね。いつの間にか静かな寝息をたて始めていた。クフベツさまはヨンジンの体を抱えるようにしてそっとうつぶせに寝かせてやった。
ヨンジンは時々翼をもたぬ者みたいにごろりと横になって寝てしまう。幼い時の癖だろう。エマニの原は柔らかな草に一面覆われているから、横たわっても翼が傷つかなかったんだね。子供の頃は翼を広げたままよく草原を転げまわったりしたものだった。クフベツさまはヨンジンをうつぶせに寝かせてやりながら幼い頃を懐かしく思い出した。
涙に汚れたヨンジンの寝顔は、昔のままに汚れがなく美しかった。その顔を見つめているうちに、クフベツさまの鼓動が速くなってきた。頬が上気し、息遣いが荒くなった。クフベツさまは無我夢中でヨンジンの上にかがみこみ、うなじに顔をうずめた。草の香りがした。砂色の髪を指で掻き分けて耳朶をまさぐり、そっと唇を押し当てる。こらえきれない欲情で知らず知らず低いうめき声が漏れた。
その瞬間、心の中で警戒警報が鳴り響いた。クフベツさまはパッとヨンジンの体から離れた。きつく噛みしめた唇から血が一筋伝い落ちる。クフベツさまは両腕で自分の体をぎゅっと抱きしめて発情に耐えようとした。座り込んだまま体を二つに折って突っ伏し、荒い息をついていたが、こらえきれずにトイをお尻の上までまくり上げると、左手で口を抑え、右手の指をエマに突き立てた。第一関節までこじ入れただけなのに、エマが指先をぎっちりとくわえ込んで硬い弾力で押し返してくる。
「んんっ」
こらえきれずに腰を小刻みに振ると、にちにちと音をたてながらわずかずつエマが指を迎え入れていく。クフベツさまは空いている方の左手で自分の乳房を揉んだ。親指と人差し指で乳首をつまみ、コリコリと揉みしだく。エマが熱をもってずきんずきんと痛いほど脈打っていた。
クフベツさまは息を殺しながら、少しずつエマに指をうずめていった。ぽってりと腫れたエマが甘い蜜になってとろけていくようだった。たまらずひと息にエマの奥まで指をねじ込んだ。たちまち額と足の裏と手のひらがじっとりと汗ばんでくる。
クフベツさまは自分のエマを押し広げるようにして指をもう一本突っ込んだ。ぬぷぬぷと湿った音をたててあっという間に奥まで入った。
「ああっ」
思わずかすれた声が出た。恥骨の辺りを手のひらで刺激しながら、出したり入れたり、中をめちゃくちゃに掻きまわす。エマがぴくぴくと痙攣し、寒くもないのに奥歯がカチカチ鳴った。
正体もなく眠り込んでいるヨンジンの顔を食い入るように見つめながら、クフベツさまは一人で激しく昇りつめた。
エマに電流が走ったみたいになって、クフベツさまは声にならない声をあげた。エマが勝手に熱くなってぴくぴくと痙攣した。体の奥がとろけて熱いものが溢れ出した。ヨンジンは夢中になってクフベツさまのエマに顔をうずめ、ちゅくちゅくと音をたてながら甘い蜜を吸っている。
「ちょっま、待った! タンマ!」
クフベツさまはありったけの力でヨンジンの肩をつかんで押しとどめた。
「え、ダメ?」
ヨンジンは荒い息をつきながらもどうにか理性をかき集めてクフベツさまのエマから顔を離した。
「今日はダメ」
クフベツさまは急いで裾を直しながら言った。
(あ、危なかった)
荒い息遣いを必死で整えながら、頬のほてりに気づかれないようにクフベツさまはヨンジンから顔をそむけた。
「いつならいいの」
ヨンジンはあからさまに不満そうな顏をしている。
「そりゃお前、ちゃんとどこかに落ち着いて巣も作ってくれないと……」
「ええ?」
ヨンジンは絶望的な表情になった。
「こんなに待ったのに、まだお預け?」
「当たり前だろ」
クフベツさまはなんとか優位に立とうとしてことさら高圧的な口調で言った。
「巣ってどうやって作るの?」
ヨンジンが自信なさそうに聞く。
「俺が知るか!」
クフベツさまは今度こそ本当にキレて、
「本気でやろうと思ったらなんとかなるんだよ、結婚だって、巣だって! 少しは自分で考えろ!」
と叫んだ。
ヨンジンはしぶしぶ、
「わかったよ。どこかに落ち着いて巣を作るまで、結婚はしない」
と言ってうなずいた。クフベツさまはホッとして、まだ少しむくれているヨンジンの肩に頭をもたせかけた。ヨンジンは不機嫌そうに肩を揺すったが、本気で払いのける気はないようで、うつむいてじっとしている。クフベツさまはこっそり笑った。
(すねた顔もかわいいな。子供の時は天使みたいだったけど、大人になったヨンジンも悪くない)
などとのんきに思いながら。
ヨンジンの体は温かかった。そばにいると、心がピッタリ吸いついていくみたいな感じがした。まるで心というものが、ゼラチンか何かでできてるみたいに。訳もなく心が弾んで、クフベツさまは足の爪先をパタパタさせた。
ヨンジンが迎えに来てくれてうれしかった。おかあさんは死んで、パパには捨てられて、翼をもたぬ者たちからはキチガイ扱いされた。本当に孤独だったんだ。クフベツさまにはヨンジンしかいなかった。子供の頃から、ずっと。
だけど、こんなふうに一日伸ばしにして、どうなるんだろう。いっそ正直に、
「卵を産んだら俺は死ななきゃいけないんだ。俺は死にたくない。死なないで、いつまでもお前と一緒に暮らしたいんだ。子供の頃みたいに、二人きりでさ」
と言ってみたら、どうだろう。ヨンジンなら、分かってくれるような気がする。けれどそれがいつまでも続くっていうのも、なんだか重荷に思えた。お互いに発情、いや、恋をしたまま、二人っきりでそばにいるのに、我慢し続けるなんて。途中でクフベツさまの気が変わって、
「俺、やっぱりいいや。死んでもいいから結婚しよう」
と言ったとして、ヨンジンは結婚してくれるだろうか。クフベツさまを死なせるとわかっているのに。
そこまで来て我慢されても困るけど、結婚してくれたらそれはそれでショックだ。
「結婚さえできれば、俺が死んでもいいのかよ!?」
と思ってしまう。
「俺が死んだら、泣くだけ泣いて、すっきりしたら新しいラ・エマを探しに行くんじゃないのか?」
と勘繰りたくもなる。
(そもそも俺が死にたくないのは、怖いのもあるけど、お前を他の誰かに取られるのが嫌だからなのに……)
愛しているのに、その愛をどこに着地させればいいのか分からなかった。
ヨンジンは、よほど眠いのをこらえていたんだね。いつの間にか静かな寝息をたて始めていた。クフベツさまはヨンジンの体を抱えるようにしてそっとうつぶせに寝かせてやった。
ヨンジンは時々翼をもたぬ者みたいにごろりと横になって寝てしまう。幼い時の癖だろう。エマニの原は柔らかな草に一面覆われているから、横たわっても翼が傷つかなかったんだね。子供の頃は翼を広げたままよく草原を転げまわったりしたものだった。クフベツさまはヨンジンをうつぶせに寝かせてやりながら幼い頃を懐かしく思い出した。
涙に汚れたヨンジンの寝顔は、昔のままに汚れがなく美しかった。その顔を見つめているうちに、クフベツさまの鼓動が速くなってきた。頬が上気し、息遣いが荒くなった。クフベツさまは無我夢中でヨンジンの上にかがみこみ、うなじに顔をうずめた。草の香りがした。砂色の髪を指で掻き分けて耳朶をまさぐり、そっと唇を押し当てる。こらえきれない欲情で知らず知らず低いうめき声が漏れた。
その瞬間、心の中で警戒警報が鳴り響いた。クフベツさまはパッとヨンジンの体から離れた。きつく噛みしめた唇から血が一筋伝い落ちる。クフベツさまは両腕で自分の体をぎゅっと抱きしめて発情に耐えようとした。座り込んだまま体を二つに折って突っ伏し、荒い息をついていたが、こらえきれずにトイをお尻の上までまくり上げると、左手で口を抑え、右手の指をエマに突き立てた。第一関節までこじ入れただけなのに、エマが指先をぎっちりとくわえ込んで硬い弾力で押し返してくる。
「んんっ」
こらえきれずに腰を小刻みに振ると、にちにちと音をたてながらわずかずつエマが指を迎え入れていく。クフベツさまは空いている方の左手で自分の乳房を揉んだ。親指と人差し指で乳首をつまみ、コリコリと揉みしだく。エマが熱をもってずきんずきんと痛いほど脈打っていた。
クフベツさまは息を殺しながら、少しずつエマに指をうずめていった。ぽってりと腫れたエマが甘い蜜になってとろけていくようだった。たまらずひと息にエマの奥まで指をねじ込んだ。たちまち額と足の裏と手のひらがじっとりと汗ばんでくる。
クフベツさまは自分のエマを押し広げるようにして指をもう一本突っ込んだ。ぬぷぬぷと湿った音をたててあっという間に奥まで入った。
「ああっ」
思わずかすれた声が出た。恥骨の辺りを手のひらで刺激しながら、出したり入れたり、中をめちゃくちゃに掻きまわす。エマがぴくぴくと痙攣し、寒くもないのに奥歯がカチカチ鳴った。
正体もなく眠り込んでいるヨンジンの顔を食い入るように見つめながら、クフベツさまは一人で激しく昇りつめた。
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