エマをもつむすめ

ぴょん

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北の森は、発情した#翼をもつ者__ラ・ズー__#の巣窟なのだ

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無言のまま荒々しく押し倒され、背後からいきなりエマをねじこまれた。
と言ってもほんの先っちょが入っただけで、初めての硬いエマが巨大なモノをがっちりとくわえ込んだため、前にも後ろにも動かなくなってしまった。
恐ろしかったがオルさまは抵抗しなかった。翼をもつ者ラ・ズーは腕力が強く、気性が荒い。抵抗すれば怪我をするか、悪くすると殺されてしまう。

恐怖だけで快感はなかった。
翼をもつ者ラ・ズーが腰を突き上げるたび全身がまりのように弾むばかりで、少しもエマが挿入はいってこない。オルさまは痛みに歯を食いしばった。ラ・ズーは癇癪を起して自分のモノを引き抜くと、オルさまのエマをザラザラした舌でなめ始めた。オルさまはだんだんおかしな気分になってきた。
突然尿意を感じたかと思うと、勢いよく放尿してしまった。ラ・ズーは一瞬ひるんで顔を離したが、また挑みかかってきた。割れ目にエマを当て、力任せに押し入ってくる。尿で濡れたせいか今度は中ほどまで一気に入った。オルさまは苦痛の叫びをあげた。強引に何度かエマを突き上げられたかと思うと、ラ・ズーに抱え込まれたままオルさまは空高く舞っていた。

眼下を見下ろすと、すでに何羽もの翼をもつ者ラ・ズーが、少し離れて待ちかまえているのが見えた。最初の1羽がオルさまの中で果てると、逃げるように飛び去った。まるで他のラ・ズーに順番を譲るかのように。
すかさず別の1羽がのしかかってきた。さっきのラ・ズーが放出した体液で中がぬめっていて、一息に奥まで入った。待ちきれなくなった1羽がオルさまの頭を抱え込むと、口の中にエマをねじ込もうとした。オルさまは歯を食いしばって抵抗した。そいつはオルさまの唇に何度かエマをこすりつけると、顔面に大量の体液をぶちまけて果てた。
その夜だけで何羽のラ・ズーに犯されただろうか。最後は意識がもうろうとしてきて覚えていない。

明け方になって意識を取り戻した時、オルさまは全身翼をもつ者ラ・ズーの体液にまみれて横たわっていた。気絶している間にも物音を聞きつけたラ・ズーが続々と集まってきたのだろう。口の中まで体液であふれていた。エマが裂け、体中がずきずきと痛んだ。やっとのことで身を起こすと、オルさまは周囲に散らばっている衣服の残骸をかき集めた。
その時地面に見たことのある紫色の実が落ちているのに気づいた。
(これは、エマニの実……?)
お城にみんな献上させたはずの実がなぜこんな所に落ちているのか、不審に思ったが、そんなことをじっくり考えている余裕はなかった。
這うようにして近くの泉へ行き、奴らの体液を洗い流すと急いで城に戻った。幸い誰からも見とがめられることはなかった。

何日待っても、卵ができた気配はなかった。
『卵を宿せる』という証明はできても、『卵を宿せない』という証明は難しい。たまたまできなかっただけかもしれない。

オルさまはその後も何度か危険を冒して森を訪れた。落ちていたエマニの実のことも気になっていた。それからも何度か実を拾った。奇妙なことに行きがけにいくら探しても見つからないのに、帰りがけに探すと必ず何粒かはエマニの実が見つかるのだ。一度などは粗末なツンガの袋にまとめて10粒も入った状態で落ちていた。
(そうか。おひめさまばかりでなく、この実は翼をもつ者ラ・ズーも発情させるのだ。私を犯そうと集まってきた連中がこの実を持っていたのだ)
オルさまは気付いた。
(この森に亡霊が出るという噂の正体はそれだ。北の森は発情した翼をもつ者ラ・ズーの巣窟なのだ。理性を失くしたラ・ズーが、エマをもたぬ者ノル・エマまで手あたり次第に襲っていたのだ……)

だが何度結婚しても、卵はできなかった。

何度も犯されているうちに、オルさまの体は快感に目覚め始めた。エマの先っちょをねじ込まれた時、知らず知らず両足を大きく開いて翼をもつ者ラ・ズーを奥深く迎え入れようとしている自分に気づいた。奥まで貫かれた時、自分のエマがきつく締まってラ・ズーのモノをがっちりとくわえ込もうとするのがわかった。
オルさまは愕然とした。
オルさまはそれまで、クフベツさまを軽蔑していた。あんなふうに発情して浅ましい姿を人前にさらすくらいなら、死んだほうがマシだとさえ思っていた。世界一強くてカリスマにあふれたノル・ズー、それが自分なのだ。見知らぬラ・ズーの集団に犯されることに、悦びを感じたりしてはならない。理性を失いそうになるたび、意志の力で自分を抑えた。堕ちることが怖かった。それでも森に通うことはやめられなかった。

ある明け方、オルさまはいつものようにこっそり城に戻ってきた。
「どうなさったんですか」
いきなり物陰から声をかけられてオルさまは心臓が止まりそうになった。
そこに立っていたのはアーユーラだった。
「何でもない。塔の掃除に行った帰りだ」
オルさまはアーユーラをにらみつけた。
「お前こそなぜこんな時間にうろうろしている? あまり城の中を嗅ぎまわるんじゃないぞ」
ことさら威厳を取り繕ったものの、秘密がばれたのではないかと気が気ではなかった。
その日を最後にオルさまは森に通うことをやめた。

(やはり、クフベツさまは偽物……?)
オルさまの頭の中でそれはほとんど確信になりつつあった。

オルさまはクフベツさまを牢に閉じ込めさせた。
結婚前にエマをいじりすぎて傷つけないようにというのは表向きの理由で、本当はクフベツさまを隔離するためだった。クフベツさまが余計なことをしゃべると困るのだ。エマニの実を食べたからエマができたとか、デグーと結婚したとか……。

幸いクフベツさまはお城に来るまでの記憶がはっきりしなかった。
クフベツさまは幼くしてエマニの実を口にしたために、もはや正気を失っているのだとオルさまは周囲に言いふらした。発情が波のように押し寄せては引いていく、はてしない繰り返しの中で狂ったのだと。
本当はクフベツさまは狂っていたわけではなかったが、時折発情を押さえられなくなるのは事実なので、周囲の者はオルさまの言葉を信じた。

世話係がクフベツさまとあまり親しくなることがないよう、少し慣れてくると他の者と替えた。
なるべくワメールのような、あまり頭が回らない新人をわざと任命した。

クフベツさまが卵を宿さないという事実がバレる前に、クフベツさまが死んでくれないだろうかと、オルさまはひそかに願っていた。

デグーを射落としてしまったことをオルさまは後悔した。デグーならクフベツさまがエマをもつむすめかどうか、知っていただろうに……。

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