177 / 244
第三章「レゼンタック」
第四十話「飾り羽」
しおりを挟む
カチャンッ
俺は左手でホルスターから短剣を鞘ごと外すと、右手に持ち替えて左手で短剣を抜く。
カポウツェロはかなり飛行能力が高く、ギリギリまで引き付けないと避けることが難しいので、念のため鞘も構えておく。
それに使い所が今ぐらいしかない……
カポウツェロは助走を翼を上下に動かしながら助走をつけこちらに向かってくる。
ビューーー
風邪を切るような音がした瞬間、カポウツェロは大きく翼を羽ばたかせ空中に浮かび上がり、こちらに急加速してきた。
俺は鞘と短剣を構えカポウツェロに正対し、1mほどの距離まで引き付けた所で右手に少し力を込め、鋭いクチバシに鞘を当てながら身体を右に捌いて攻撃を躱す。
俺の脇を通り過ぎたカポウツェロはさらに加速しながら空高く飛び上がった。
相変わらず早いな……
雨で飛行能力が落ちる事を少し期待していたのだが、そう簡単にはいかないようだ。
避けるのは余裕があるが、足を滑らせないように足元だけは注意しよう。
近い距離で空高く飛び上がったカポウツェロの動きを見ようとすると雨が目に入って見えないので、少し距離を取って目線を低くする。
カポウツェロは俺が距離を取った事にすぐに気づき、その場から斜めに一直線に突っ込んできた。
だがカポウツェロも地面にぶつかるような事はしないので、俺の目の前で急減速する。
俺はその攻撃をバックステップをしながら身体を捌いて躱し、カポウツェロの動きを再び目で追う。
片手が開いてれば、クチバシを掴めたかもしれなかった。
カポウツェロは地面から1mほどの高さを平行に飛びながら俺から離れていく。
翼の動きが目に見えて遅くなった。
羽ばたく回数も段々と減っていく。
俺はカポウツェロの後ろを急いで追いかける。
おそらく着陸するのだろう。
やはり雨の影響をかなり受けているのかもしれない。
カポウツェロは地上に足を付けてこちらに振り返ると、翼を大きく広げて威嚇した。
だが、それが威嚇と分かっている以上、なにも怖くない。
天気が良ければこの鮮やかな翼がもっと綺麗だっただろう。
カポウツェロは再び翼を上下に動かし飛行準備を始めるが、俺との距離はもう目と鼻の先だ。
「ハァ……ハァ……、<弱点感知>」
俺は一応<特能>を使って核の位置を目で把握する
やはり資料通りカポウツェロは核が小さい。
ズチュンッ
俺は走り出したカポウツェロの正面で地面を強く踏み込むと、顎下から脳天に向かって左手の短剣を振り上げ、すかさず右手の鞘をカポウツェロの首に押し付けて鍔に引っ掛けながら地面に押し付けた。。
「よかった……」
地面に倒れているカポウツェロの身体が溶けていく。
核を外したら面倒だからな……
それにしても全力で走ったので疲れた。
1分だけ休憩してから報告しよう……
俺は左手でホルスターから短剣を鞘ごと外すと、右手に持ち替えて左手で短剣を抜く。
カポウツェロはかなり飛行能力が高く、ギリギリまで引き付けないと避けることが難しいので、念のため鞘も構えておく。
それに使い所が今ぐらいしかない……
カポウツェロは助走を翼を上下に動かしながら助走をつけこちらに向かってくる。
ビューーー
風邪を切るような音がした瞬間、カポウツェロは大きく翼を羽ばたかせ空中に浮かび上がり、こちらに急加速してきた。
俺は鞘と短剣を構えカポウツェロに正対し、1mほどの距離まで引き付けた所で右手に少し力を込め、鋭いクチバシに鞘を当てながら身体を右に捌いて攻撃を躱す。
俺の脇を通り過ぎたカポウツェロはさらに加速しながら空高く飛び上がった。
相変わらず早いな……
雨で飛行能力が落ちる事を少し期待していたのだが、そう簡単にはいかないようだ。
避けるのは余裕があるが、足を滑らせないように足元だけは注意しよう。
近い距離で空高く飛び上がったカポウツェロの動きを見ようとすると雨が目に入って見えないので、少し距離を取って目線を低くする。
カポウツェロは俺が距離を取った事にすぐに気づき、その場から斜めに一直線に突っ込んできた。
だがカポウツェロも地面にぶつかるような事はしないので、俺の目の前で急減速する。
俺はその攻撃をバックステップをしながら身体を捌いて躱し、カポウツェロの動きを再び目で追う。
片手が開いてれば、クチバシを掴めたかもしれなかった。
カポウツェロは地面から1mほどの高さを平行に飛びながら俺から離れていく。
翼の動きが目に見えて遅くなった。
羽ばたく回数も段々と減っていく。
俺はカポウツェロの後ろを急いで追いかける。
おそらく着陸するのだろう。
やはり雨の影響をかなり受けているのかもしれない。
カポウツェロは地上に足を付けてこちらに振り返ると、翼を大きく広げて威嚇した。
だが、それが威嚇と分かっている以上、なにも怖くない。
天気が良ければこの鮮やかな翼がもっと綺麗だっただろう。
カポウツェロは再び翼を上下に動かし飛行準備を始めるが、俺との距離はもう目と鼻の先だ。
「ハァ……ハァ……、<弱点感知>」
俺は一応<特能>を使って核の位置を目で把握する
やはり資料通りカポウツェロは核が小さい。
ズチュンッ
俺は走り出したカポウツェロの正面で地面を強く踏み込むと、顎下から脳天に向かって左手の短剣を振り上げ、すかさず右手の鞘をカポウツェロの首に押し付けて鍔に引っ掛けながら地面に押し付けた。。
「よかった……」
地面に倒れているカポウツェロの身体が溶けていく。
核を外したら面倒だからな……
それにしても全力で走ったので疲れた。
1分だけ休憩してから報告しよう……
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる