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第三章「レゼンタック」
第二十五話「発砲」
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俺は野原に座って空を見上げている。
静かな空だ……
この空に鳥や虫がいないのは少し寂しいが、それはそれで心が落ち着く。
それにしても、昨日の嘔吐の原因がずーっと気になって仕方がない。
もう一度ヒナコに抱き着くわけにもいかないしな……
まだ5分以上も休める……
余裕だな……
「……ノアさん、見つけた」
ハリソン君は急に立ちあがると、西の方向を指差した。
あぁ、そういえば仕事中だった。
俺はハリソン君の指差す方向に目を向ける。
「お、ハリソン」
「相変わらず目がいいな!」
「距離は分かるか?」
「たぶん1200」
「……うーん」
ノアとハリソン君は淡々と会話を進めているが、俺には姿がまったく確認できない。
一応、俺の視力も1.5以上あるのだが……
「……ノア、どこに何がいるの?」
「正面にグシオタルガだ」
「じっとしてるから分かりにくいが……ほら、動いたぞ!」
「ハリソン、コンパスを出して指令室に報告しろ!」
「地点A72、9時方向にグシオタルガ一体を発見、距離1200」
俺が眉をひそめている横でハリソン君はなんの迷いもなく報告している。
グシオタルガとは、小さな甲羅を背負った触角のあるニワトリのような見た目のモンスターで、体格はかなり小さい。
草が膝の高さまであるこの草原では、身体の半分以上が隠れてしまっているだろう。
「……10-0」
「10-4」
「……ノアさん、どうする?」
「ここから撃つ?」
10-0とは発見したモンスターを即殺しろという命令だ。
ハリソン君は一人でヤルつもりだろう。
まぁ、グシオタルガは最低のGランクなので問題はない。
「ハリソン、届くのか?」
「核を外したら面倒だぞ?」
「大丈夫、この距離なら絶対に外さない」
そう言うとハリソン君は肩にかけていた銃を身体の正面で構え、腰から弾を一つ取り出して銃に込めた。
俺はいまだに姿を確認できていない。
バンッ!!
「いっ……、うるさッ」
ハリソン君は俺から2mしか離れていない位置でなんの初動作もなく、いきなり発砲した。
思っていたよりもかなり音の衝撃が大きく、心臓が止まりそうになった。
というか銃の発砲をこんな近距離で見るのは初めてだ。
しかし発砲音の直後、遠くの草むらで何かがはじけるのが見えた。
おそらく当たったのだろう。
「……まぁ、これだけ遠くから殺しても死亡を確認しに近寄らないといけないがな!」
「二人とも、溶けちまう前に急ぐぞ!」
ノアはそう言うと、ハリソン君が銃を向けた方向に向かって走り始めた。
今から1200mのダッシュか……
俺とハリソン君は、遠くなっていくノアの背中を追いかけて地面を蹴った。
静かな空だ……
この空に鳥や虫がいないのは少し寂しいが、それはそれで心が落ち着く。
それにしても、昨日の嘔吐の原因がずーっと気になって仕方がない。
もう一度ヒナコに抱き着くわけにもいかないしな……
まだ5分以上も休める……
余裕だな……
「……ノアさん、見つけた」
ハリソン君は急に立ちあがると、西の方向を指差した。
あぁ、そういえば仕事中だった。
俺はハリソン君の指差す方向に目を向ける。
「お、ハリソン」
「相変わらず目がいいな!」
「距離は分かるか?」
「たぶん1200」
「……うーん」
ノアとハリソン君は淡々と会話を進めているが、俺には姿がまったく確認できない。
一応、俺の視力も1.5以上あるのだが……
「……ノア、どこに何がいるの?」
「正面にグシオタルガだ」
「じっとしてるから分かりにくいが……ほら、動いたぞ!」
「ハリソン、コンパスを出して指令室に報告しろ!」
「地点A72、9時方向にグシオタルガ一体を発見、距離1200」
俺が眉をひそめている横でハリソン君はなんの迷いもなく報告している。
グシオタルガとは、小さな甲羅を背負った触角のあるニワトリのような見た目のモンスターで、体格はかなり小さい。
草が膝の高さまであるこの草原では、身体の半分以上が隠れてしまっているだろう。
「……10-0」
「10-4」
「……ノアさん、どうする?」
「ここから撃つ?」
10-0とは発見したモンスターを即殺しろという命令だ。
ハリソン君は一人でヤルつもりだろう。
まぁ、グシオタルガは最低のGランクなので問題はない。
「ハリソン、届くのか?」
「核を外したら面倒だぞ?」
「大丈夫、この距離なら絶対に外さない」
そう言うとハリソン君は肩にかけていた銃を身体の正面で構え、腰から弾を一つ取り出して銃に込めた。
俺はいまだに姿を確認できていない。
バンッ!!
「いっ……、うるさッ」
ハリソン君は俺から2mしか離れていない位置でなんの初動作もなく、いきなり発砲した。
思っていたよりもかなり音の衝撃が大きく、心臓が止まりそうになった。
というか銃の発砲をこんな近距離で見るのは初めてだ。
しかし発砲音の直後、遠くの草むらで何かがはじけるのが見えた。
おそらく当たったのだろう。
「……まぁ、これだけ遠くから殺しても死亡を確認しに近寄らないといけないがな!」
「二人とも、溶けちまう前に急ぐぞ!」
ノアはそう言うと、ハリソン君が銃を向けた方向に向かって走り始めた。
今から1200mのダッシュか……
俺とハリソン君は、遠くなっていくノアの背中を追いかけて地面を蹴った。
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