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第二章「セントエクリーガ城下町」
第六十話「図書館」
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なんか思ってた図書館と違う……
ヒナコが言うには目の前にあるあの円柱形の建物が図書館らしいが、レゼンタックの社屋のように、もっと陸屋根で窓が水平に連続しているようなモダンな建築だと思っていた。
それよりも、この図書館まで続く広場はなんなんだ。
小高い丘のある芝生では子供が遊びまわり、その脇に図書館まで続く舗装された道がある。
そして、その広場と図書館の周りはずらーっと木で囲まれている。
木の種類までは分からないが、もしこの木がモミジやイチョウならば秋は観光スポットとして有名になっているだろう。
……レゼンタックどんだけ金持ってるんだよ。
「行こ!!」
ケイは興奮気味に俺の手を引っ張る。
俺が景色に見とれている間に、いつの間にかケイは俺の背中から降りていたようだ。
広場の脇に逸れ図書館までの道を歩いていると、木の下にライトがあるのに気付く。
今の時期にやっているのかは分からないが、ライトアップ的な事もやっているようだ。
少し身体が熱くなるくらいまで歩くと、ようやく図書館の前に着いた。
窓が最上階にしか無いので分からないが、高さ的におそらく4階建ての建物だ。
遠くからは細い建物だと思っていたが、近くで見ると意外と太い。
建築面積としては200平米ぐらいはあると思う。
俺はケイを先頭に、恐る恐る中に入った。
レゼンタックの社員証を持っていれば無料で入れる。
中に入ってまず見えるのが、中央にある大きな螺旋階段と壁にびっしりと詰まった本だ。
どうやら内装は5段構造になっていて、水面に広がる波紋のように円形の通路が3本に加え、中心から放射状に8本の階段状の通路があり、壁には本棚、読書スペースが内側に向かって3周分、そして中心には螺旋階段となっているらしい。
床は野球場の観覧席のように、螺旋階段がある中心に向かうごとに段差的に下がっている。
読書スペースは3平米ぐらいの一人用の小さな半個室となっているものから、テーブルになっているものもある。
そして建物を支える柱は目に付かず、その代わりに木のアーチが通路にいくつか架かっていて、そこから顔を見せる本が少し不思議な気分にさせる。
「アレンはなに読みたいの?」
入り口を入ってすぐの所でボーっとしていると、ヒナコに肩を叩かれた。
「あぁ……うん、とりあえず歴史とレベル、職業関係の本かな」
俺はそう言いながら辺りを見渡す。
見える範囲で目につくのは子供と絵本なので、一階は子供向けの本が多く置かれているようだ。
「うーん、だったら三階かなー」
ヒナコがそう言うと、ケイが突然、俺の手を持って階段まで引っ張っていった。
どうやらケイは早く上の階に行きたかったようだ。
俺はケイに連れられて螺旋階段を上り三階に行くと、適当な本を三冊取ってテーブルの席に座った。
ケイは生物図鑑と歴史が混ざったのような大きな本を選び、ヒナコはそれを一緒に見るようだ。
ヒナコが言うには目の前にあるあの円柱形の建物が図書館らしいが、レゼンタックの社屋のように、もっと陸屋根で窓が水平に連続しているようなモダンな建築だと思っていた。
それよりも、この図書館まで続く広場はなんなんだ。
小高い丘のある芝生では子供が遊びまわり、その脇に図書館まで続く舗装された道がある。
そして、その広場と図書館の周りはずらーっと木で囲まれている。
木の種類までは分からないが、もしこの木がモミジやイチョウならば秋は観光スポットとして有名になっているだろう。
……レゼンタックどんだけ金持ってるんだよ。
「行こ!!」
ケイは興奮気味に俺の手を引っ張る。
俺が景色に見とれている間に、いつの間にかケイは俺の背中から降りていたようだ。
広場の脇に逸れ図書館までの道を歩いていると、木の下にライトがあるのに気付く。
今の時期にやっているのかは分からないが、ライトアップ的な事もやっているようだ。
少し身体が熱くなるくらいまで歩くと、ようやく図書館の前に着いた。
窓が最上階にしか無いので分からないが、高さ的におそらく4階建ての建物だ。
遠くからは細い建物だと思っていたが、近くで見ると意外と太い。
建築面積としては200平米ぐらいはあると思う。
俺はケイを先頭に、恐る恐る中に入った。
レゼンタックの社員証を持っていれば無料で入れる。
中に入ってまず見えるのが、中央にある大きな螺旋階段と壁にびっしりと詰まった本だ。
どうやら内装は5段構造になっていて、水面に広がる波紋のように円形の通路が3本に加え、中心から放射状に8本の階段状の通路があり、壁には本棚、読書スペースが内側に向かって3周分、そして中心には螺旋階段となっているらしい。
床は野球場の観覧席のように、螺旋階段がある中心に向かうごとに段差的に下がっている。
読書スペースは3平米ぐらいの一人用の小さな半個室となっているものから、テーブルになっているものもある。
そして建物を支える柱は目に付かず、その代わりに木のアーチが通路にいくつか架かっていて、そこから顔を見せる本が少し不思議な気分にさせる。
「アレンはなに読みたいの?」
入り口を入ってすぐの所でボーっとしていると、ヒナコに肩を叩かれた。
「あぁ……うん、とりあえず歴史とレベル、職業関係の本かな」
俺はそう言いながら辺りを見渡す。
見える範囲で目につくのは子供と絵本なので、一階は子供向けの本が多く置かれているようだ。
「うーん、だったら三階かなー」
ヒナコがそう言うと、ケイが突然、俺の手を持って階段まで引っ張っていった。
どうやらケイは早く上の階に行きたかったようだ。
俺はケイに連れられて螺旋階段を上り三階に行くと、適当な本を三冊取ってテーブルの席に座った。
ケイは生物図鑑と歴史が混ざったのような大きな本を選び、ヒナコはそれを一緒に見るようだ。
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