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第二章「セントエクリーガ城下町」
第二話「その場しのぎ」
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こうなることは薄々想像はしていた。
「学校に行きたくないの?」
ケイは小さく頷く。
「……そうか」
俺はケイの頭の上に手のひらを置いた。
正直、ケイが一人で学校に行けるのならそれはそれで良いと思った。
この状況で幼い少女を一人にするのは鬼畜の所業だということは自分でも分かっている。
しかし、実際問題、この見知らぬ土地で少女の世話をしながら暮らすのもリスクのある行動だ。
……しかたないか。
「はぁ……じゃあしばらく一緒にいる?」
俺はその場しのぎの言葉を口にするとケイが大きく頷いたので、頭にのせていた手でケイの手を握った。
ケイは俺の手を強く握り返す。
「行こうか」
「……うん」
ケイの返事は町の雑音にかき消されてしまうほど小さい。
俺はとりあえずオムさんが言っていたレゼンタックを探すことにした。
オムさんが大きな建物と言っていたのでとりあえず町の中心部に向かって歩き始める。
この町の人はウォロ村と違ってほとんどの人が茶髪で目が青く、まるで異国に迷い込んだようだ。
そして建物はほとんどが二階建てで一階部分には様々な店が構えられている。
ただえさえ色々な場所に目移りしてしまうのに、この町のいたるところに文字が溢れていて目が疲れてしまう。
少し歩くと、家を建築している現場にたまたま遭遇した。
それを見た瞬間、なぜか昂っていた心が急に冷えてしまった。
あの綺麗な煉瓦造りの外壁が、ただ煉瓦を積み上げているのではなく縦に鉄筋が入っている。
しかし、少し冷静になった俺の横でケイは首を上下左右に絶え間なく振っている。
その顔には笑顔があるものの、あの時のような騒がしさは無い。
それはただ単に、初めて見るものに呆気にとられているだけかもしれないが、少し心配になる。
「まじでどこだよ……」
1時間ほど歩いたが、レゼンタックと思われる大きな建物はなく、俺たちは完全に迷子になっていた。
ドッと足に疲労感が出てきて、もう動かない。
そして何を隠そうお腹が空いた。
ケイはおそらく遠慮して何も言わないが、先程からお腹の音が数回聞こえている。
「……なにか食べよっか」
俺はケイに苦笑いを向ける。
「……うん」
「はぁ……、<貧者の袋>」
「ステイ」
俺はオムさんから貰ったお金を取り出す。
この町の物価はまだいまいち把握出来ていないが、さすがにお金は足りるだろう。
「何食べたい?」
ケイは[デリカサンド]と書かれたお店を指差す。
俺はケイの手を引いてお店の方へ向かった。
「いらっしゃい!」
「注文は?」
店内に入ると元気なおじさんが出迎えてくれた。
メニューを見ると様々なサンドイッチがある。
しかし、写真が無いのでイメージがまったく湧かない。
「おすすめは何ですか?」
ベーコンサンドイッチやチーズサンドイッチなどの分かるものも多少あったが、せっかくなら一番人気を食べたい。
「うちはパストラミサンドが一番美味いよ!」
「セントエクリーガでも3本の指には入るね」
「ちょっと待ってな!!」
そう言い残しおじさんは厨房に入っていってしまった。
俺は安いチーズサンドがよかったのだが、期待は外れたようだ。
しかも、案の定パストラミなんて単語は人生で聞いたことが無い。
少し待っていると、おじさんが皿に山盛りの薄切り肉を乗せて戻ってきた。
「味見してみな」
山盛りの肉からは燻製と香辛料の香りが強烈に香っている。
俺は皿を受け取りケイの目の前に差しだすと、ケイは無言で一枚つまみ、口に入れた。
「ケイ、それでいい?」
ケイはうなずく。
「……じゃあ、それ一つで」
俺はおじさんに苦笑いを向けながら注文した。
「学校に行きたくないの?」
ケイは小さく頷く。
「……そうか」
俺はケイの頭の上に手のひらを置いた。
正直、ケイが一人で学校に行けるのならそれはそれで良いと思った。
この状況で幼い少女を一人にするのは鬼畜の所業だということは自分でも分かっている。
しかし、実際問題、この見知らぬ土地で少女の世話をしながら暮らすのもリスクのある行動だ。
……しかたないか。
「はぁ……じゃあしばらく一緒にいる?」
俺はその場しのぎの言葉を口にするとケイが大きく頷いたので、頭にのせていた手でケイの手を握った。
ケイは俺の手を強く握り返す。
「行こうか」
「……うん」
ケイの返事は町の雑音にかき消されてしまうほど小さい。
俺はとりあえずオムさんが言っていたレゼンタックを探すことにした。
オムさんが大きな建物と言っていたのでとりあえず町の中心部に向かって歩き始める。
この町の人はウォロ村と違ってほとんどの人が茶髪で目が青く、まるで異国に迷い込んだようだ。
そして建物はほとんどが二階建てで一階部分には様々な店が構えられている。
ただえさえ色々な場所に目移りしてしまうのに、この町のいたるところに文字が溢れていて目が疲れてしまう。
少し歩くと、家を建築している現場にたまたま遭遇した。
それを見た瞬間、なぜか昂っていた心が急に冷えてしまった。
あの綺麗な煉瓦造りの外壁が、ただ煉瓦を積み上げているのではなく縦に鉄筋が入っている。
しかし、少し冷静になった俺の横でケイは首を上下左右に絶え間なく振っている。
その顔には笑顔があるものの、あの時のような騒がしさは無い。
それはただ単に、初めて見るものに呆気にとられているだけかもしれないが、少し心配になる。
「まじでどこだよ……」
1時間ほど歩いたが、レゼンタックと思われる大きな建物はなく、俺たちは完全に迷子になっていた。
ドッと足に疲労感が出てきて、もう動かない。
そして何を隠そうお腹が空いた。
ケイはおそらく遠慮して何も言わないが、先程からお腹の音が数回聞こえている。
「……なにか食べよっか」
俺はケイに苦笑いを向ける。
「……うん」
「はぁ……、<貧者の袋>」
「ステイ」
俺はオムさんから貰ったお金を取り出す。
この町の物価はまだいまいち把握出来ていないが、さすがにお金は足りるだろう。
「何食べたい?」
ケイは[デリカサンド]と書かれたお店を指差す。
俺はケイの手を引いてお店の方へ向かった。
「いらっしゃい!」
「注文は?」
店内に入ると元気なおじさんが出迎えてくれた。
メニューを見ると様々なサンドイッチがある。
しかし、写真が無いのでイメージがまったく湧かない。
「おすすめは何ですか?」
ベーコンサンドイッチやチーズサンドイッチなどの分かるものも多少あったが、せっかくなら一番人気を食べたい。
「うちはパストラミサンドが一番美味いよ!」
「セントエクリーガでも3本の指には入るね」
「ちょっと待ってな!!」
そう言い残しおじさんは厨房に入っていってしまった。
俺は安いチーズサンドがよかったのだが、期待は外れたようだ。
しかも、案の定パストラミなんて単語は人生で聞いたことが無い。
少し待っていると、おじさんが皿に山盛りの薄切り肉を乗せて戻ってきた。
「味見してみな」
山盛りの肉からは燻製と香辛料の香りが強烈に香っている。
俺は皿を受け取りケイの目の前に差しだすと、ケイは無言で一枚つまみ、口に入れた。
「ケイ、それでいい?」
ケイはうなずく。
「……じゃあ、それ一つで」
俺はおじさんに苦笑いを向けながら注文した。
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