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第2章~ヴァルキリーを連れ出せ~
残されたヴァルキリーは2人になりました
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ここはイレギュラーの拠点。ユミネとアンナが加わり、いよいよ騒がしくなってきた。
「アンナっちの髪キレイ…」
「当然よ。カレン、あんたも悪くないんじゃない?」
いつの間にか持ってこられた姿見の前で、カレンとアンナはポーズを取り、髪型を変えながら、いちいち俺の方を見てくる。はいはい、全部似合ってますよーっと。
「なるほど、闇魔法にはそのような使い方もあるのか」
「…うん」
ソファーの上ではユミネとセイラが魔法の話をしている。そのほとんどが、ユミネの質問にセイラが答えるというものだ。
ラガナか?ちゃんといる。いつものように鎧姿のまま、ソファーの影で体育座りだ。
ミサは机に肘をつくと、うっとりした顔を浮かべる。その姿はさながら、女の子に囲まれて喜ぶおっさんのようだ。
「こうも華が多いと素晴らしいな」
「ミサは鼻の方が伸びていそうだな」
この言い方だとまんま鼻が長いようにも聞こえる。ミサの外見にあてはめるなら、さながら鼻の長い女海賊と言ったところか。パチンコで石でも撃って攻撃してきそうな響きだな。
「なんだ?私はピノキオだったのか?」
あまりに聞きなれた単語が混ざっていて、思わず戸惑った。
「なんでそんなもん知ってるんだよ」
「カレンに聞いた」
なぜカレンがピノキオなんて知ってるんだ?
童話の話なんてセイラぐらいにしかしたことがない。それなりに長い話だ。セイラが内容を伝えられるとは思えない。
それにカレンがそんなものに興味を持つのか?
「なんか馬鹿にされた気がするし」
口に出していないのに、ほっぺたを膨らませて睨まれた。なんという地獄耳…いや、心眼か。
「カレンは可愛いから、男の子としてはいじめたくなっちゃうのよね?」
ティナはさも当たり前のことばかりに言うと微笑んだ。うん、嘘を吹き込むのはやめようね。
あとさ、ミサまではとは言わないけど、鼻の下が伸びてるからな?
「そっかー、じゃあ仕方ないし」
おいおい、なんでカレンの奴、真に受けてるんだよ。
「ま、可愛さじゃ私も負けていないけどね。そうでしょ?」
アンナが張り合いだした。まあ、うん…間違いなく可愛いよ。二人のベクトルは全然違うけど。主に胸のあたりが…ロリ系となんだおおきめのギャル的な?
「って、あぶねえ!?」
飛んできた椅子を全力で回避した。あんなもんが当たったら失神ものだぞ。
「いかがわしい視線を感じたわ」
「年頃の男の子なら仕方がないわよ。それだけ意識されてるってことよ」
だからティナはなぜ、そう嘘ばかりを吹き込むのだろうか。しかもヴァルキリー達は、こぞって信じ込むのだから困ったものだ。
「ウチ的にはもっと見てくれても…というか、どうせなら二人っきりでもっと近くで…」
「ちょ、ちょっと、さすがにそれはだめよ!」
アンナはカレンの体を必死に揺すって煩悩を吹き飛ばす。うんいいぞ、それで胸が揺れなかったらもっとよかったんだけどな。
無駄に疲れたのでソファーに移動すると、ユミネの膝を枕に、セイラは眠っていた。俺以外に体を預けるところなんて初めて見たぞ…なんだか寂しい。って、別に嫉妬とかしてねえし?
「随分と仲良くなったんだな」
「ああ、セイラ君はこう見えてかなり知的だ。話していて面白い」
セイラと知的。俺の中で、全くマッチングしない単語をイコールでつなげられた。
「考えてもみるんだ。彼女は闇と光、正反対の2属性の加護を持っているんだぞ?」
魔法の属性には相性がある。水が得意だと火が苦手になる。光と闇は、互いにかき消してしまって、両方を持つことは出来ない。
セイラの加護は光魔法と闇魔法。出会った時からそうだったから気にしていなかったが、よく考えれば異質だ。
「セイラは実は凄いのか?」
本人に聞いても「んー」と寝言をを呟いただけで、答えはなかった。
☆☆
さて、俺は理由もなくイレギュラーの拠点にいるわけではない。
マユミさんにお願いして、レッドラグーンの動向を探ってもらっているのだ。今はユレイルがその報告書を受け取りに行っている。
待ち人はついに来た。扉が開くと、音もたてずにローブを揺らして入ってきた。
ヴァルキリーも、イレギュラーの面々もその影に目もくれない。すっと俺の前に立つと、持っていた紙を手渡された。内容は次のようなものだった。
レッドラグーンはクエストに失敗し続け、ギルドとしても見過ごせない事態となっている。全クエストの4割を彼らがこなしていたとなれば、想像も容易いだろう。このままではクエストは溢れ、ギルドの機能も停止してしまう。レッドラグーンの活動を継続させるべく、ギルドも協力を始めた。
以上が報告に書かれていた概要だ。
レッドラグーンに残っているヴァルキリーはあと二人。
ブリュンヒルデ、水魔法の加護と歌姫の特性を持つレティ。
ロスヴァイセ、風魔法の加護と飛行の特性を持つメルロ。
加護で考えるのならば、どちらから助けに行ってもそれほど違いはない。一番の差は特性だ。
メルロのもつ飛行は、白馬など空を飛ぶ幻獣を扱うことが出来るようになるものだ。レッドラグーンの情報伝達の要は、ここにあると言っていい。仮にふたりのヴァルキリーのところに戦力を分散させているとすれば、先にメルロの元に向かうべきだ。そうすればすぐには加勢は来なくなる。
気になることがあるとすれば、レティの性格だ。果たして彼女はおとなしく俺を待っていてくれるのだろうか?行く時には必ず半日は拘束される。捕まったら最後、なかなか離してはくれない…って、これなら後にした方がいいのか。
知らないうちに結論は出ていた。
すまない、レティ。すぐに迎えに行くから。
「行くのか?」
「ああ」
頷くと駄弁っていたはずのヴァルキリー達が振り向いた。
「頑張るし!」
「負けるんじゃないわよ」
「くれぐれも怪我には気を付けるんだよ」
「イエス。無理はなさらず」
「…ぷすー」
ヴァルキリー達はそれぞれの言葉で声援をくれる。これだけで頑張れる気がする。
だけどこれだけじゃない。ここにはイレギュラーもいるのだ。
「ヤマト、危なくなったらすぐに助けを呼べ」
「ええ、私たちはいつでも助けに行くから」
「ちょうど用事もないしな」
「……」
皆の言葉を背に俺は拠点を出る。あと2人、まだここに加えたい相手がいるのだ。
「アンナっちの髪キレイ…」
「当然よ。カレン、あんたも悪くないんじゃない?」
いつの間にか持ってこられた姿見の前で、カレンとアンナはポーズを取り、髪型を変えながら、いちいち俺の方を見てくる。はいはい、全部似合ってますよーっと。
「なるほど、闇魔法にはそのような使い方もあるのか」
「…うん」
ソファーの上ではユミネとセイラが魔法の話をしている。そのほとんどが、ユミネの質問にセイラが答えるというものだ。
ラガナか?ちゃんといる。いつものように鎧姿のまま、ソファーの影で体育座りだ。
ミサは机に肘をつくと、うっとりした顔を浮かべる。その姿はさながら、女の子に囲まれて喜ぶおっさんのようだ。
「こうも華が多いと素晴らしいな」
「ミサは鼻の方が伸びていそうだな」
この言い方だとまんま鼻が長いようにも聞こえる。ミサの外見にあてはめるなら、さながら鼻の長い女海賊と言ったところか。パチンコで石でも撃って攻撃してきそうな響きだな。
「なんだ?私はピノキオだったのか?」
あまりに聞きなれた単語が混ざっていて、思わず戸惑った。
「なんでそんなもん知ってるんだよ」
「カレンに聞いた」
なぜカレンがピノキオなんて知ってるんだ?
童話の話なんてセイラぐらいにしかしたことがない。それなりに長い話だ。セイラが内容を伝えられるとは思えない。
それにカレンがそんなものに興味を持つのか?
「なんか馬鹿にされた気がするし」
口に出していないのに、ほっぺたを膨らませて睨まれた。なんという地獄耳…いや、心眼か。
「カレンは可愛いから、男の子としてはいじめたくなっちゃうのよね?」
ティナはさも当たり前のことばかりに言うと微笑んだ。うん、嘘を吹き込むのはやめようね。
あとさ、ミサまではとは言わないけど、鼻の下が伸びてるからな?
「そっかー、じゃあ仕方ないし」
おいおい、なんでカレンの奴、真に受けてるんだよ。
「ま、可愛さじゃ私も負けていないけどね。そうでしょ?」
アンナが張り合いだした。まあ、うん…間違いなく可愛いよ。二人のベクトルは全然違うけど。主に胸のあたりが…ロリ系となんだおおきめのギャル的な?
「って、あぶねえ!?」
飛んできた椅子を全力で回避した。あんなもんが当たったら失神ものだぞ。
「いかがわしい視線を感じたわ」
「年頃の男の子なら仕方がないわよ。それだけ意識されてるってことよ」
だからティナはなぜ、そう嘘ばかりを吹き込むのだろうか。しかもヴァルキリー達は、こぞって信じ込むのだから困ったものだ。
「ウチ的にはもっと見てくれても…というか、どうせなら二人っきりでもっと近くで…」
「ちょ、ちょっと、さすがにそれはだめよ!」
アンナはカレンの体を必死に揺すって煩悩を吹き飛ばす。うんいいぞ、それで胸が揺れなかったらもっとよかったんだけどな。
無駄に疲れたのでソファーに移動すると、ユミネの膝を枕に、セイラは眠っていた。俺以外に体を預けるところなんて初めて見たぞ…なんだか寂しい。って、別に嫉妬とかしてねえし?
「随分と仲良くなったんだな」
「ああ、セイラ君はこう見えてかなり知的だ。話していて面白い」
セイラと知的。俺の中で、全くマッチングしない単語をイコールでつなげられた。
「考えてもみるんだ。彼女は闇と光、正反対の2属性の加護を持っているんだぞ?」
魔法の属性には相性がある。水が得意だと火が苦手になる。光と闇は、互いにかき消してしまって、両方を持つことは出来ない。
セイラの加護は光魔法と闇魔法。出会った時からそうだったから気にしていなかったが、よく考えれば異質だ。
「セイラは実は凄いのか?」
本人に聞いても「んー」と寝言をを呟いただけで、答えはなかった。
☆☆
さて、俺は理由もなくイレギュラーの拠点にいるわけではない。
マユミさんにお願いして、レッドラグーンの動向を探ってもらっているのだ。今はユレイルがその報告書を受け取りに行っている。
待ち人はついに来た。扉が開くと、音もたてずにローブを揺らして入ってきた。
ヴァルキリーも、イレギュラーの面々もその影に目もくれない。すっと俺の前に立つと、持っていた紙を手渡された。内容は次のようなものだった。
レッドラグーンはクエストに失敗し続け、ギルドとしても見過ごせない事態となっている。全クエストの4割を彼らがこなしていたとなれば、想像も容易いだろう。このままではクエストは溢れ、ギルドの機能も停止してしまう。レッドラグーンの活動を継続させるべく、ギルドも協力を始めた。
以上が報告に書かれていた概要だ。
レッドラグーンに残っているヴァルキリーはあと二人。
ブリュンヒルデ、水魔法の加護と歌姫の特性を持つレティ。
ロスヴァイセ、風魔法の加護と飛行の特性を持つメルロ。
加護で考えるのならば、どちらから助けに行ってもそれほど違いはない。一番の差は特性だ。
メルロのもつ飛行は、白馬など空を飛ぶ幻獣を扱うことが出来るようになるものだ。レッドラグーンの情報伝達の要は、ここにあると言っていい。仮にふたりのヴァルキリーのところに戦力を分散させているとすれば、先にメルロの元に向かうべきだ。そうすればすぐには加勢は来なくなる。
気になることがあるとすれば、レティの性格だ。果たして彼女はおとなしく俺を待っていてくれるのだろうか?行く時には必ず半日は拘束される。捕まったら最後、なかなか離してはくれない…って、これなら後にした方がいいのか。
知らないうちに結論は出ていた。
すまない、レティ。すぐに迎えに行くから。
「行くのか?」
「ああ」
頷くと駄弁っていたはずのヴァルキリー達が振り向いた。
「頑張るし!」
「負けるんじゃないわよ」
「くれぐれも怪我には気を付けるんだよ」
「イエス。無理はなさらず」
「…ぷすー」
ヴァルキリー達はそれぞれの言葉で声援をくれる。これだけで頑張れる気がする。
だけどこれだけじゃない。ここにはイレギュラーもいるのだ。
「ヤマト、危なくなったらすぐに助けを呼べ」
「ええ、私たちはいつでも助けに行くから」
「ちょうど用事もないしな」
「……」
皆の言葉を背に俺は拠点を出る。あと2人、まだここに加えたい相手がいるのだ。
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