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再起~新たなクエスト~
クエストコンプリート
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「まさかこんなに大胆に殺し始めるなんて思わなかったわ」
俺の膝を枕にすると、エリカは何食わぬ顔で本を読んでいる。
ここ最近毎日だ。
「男子寮に正面入口から入ってくるのも、相当大胆だと思うぞ」
「私の空間把握なら、見つからずにここまで来るのなんて簡単よ」
と本人は言っているが、何人かにはバレている。
死者多発で、自分の身を守ることに必死な奴らが多いだけだ。
半月ほど前までは徹矢と渉も来ていたが、最近は来なくなった。
まだ殺してはいない。が、ちょうど今から死ぬところだ、社会的に。
「そろそろ時間だな」
呟くと、エリカが本から顔を上げた。
「何かあるの?」
「ああ、耳をすませてみるといい」
待つこと数秒、いよいよ始まった。
ここから8部屋先の部屋で、事件は起きる。
「先生?それに先輩たちまで。怖い顔してなんだって言うんだよ」
聞こえてきたのは、徹矢の戸惑う声だ。
やつの部屋前には、教師3名と上級生5人がいた。
「なんだか面白いことをやっているのね」
直接現場にいなくても、俺達には起こっていることが分かる。
俺には影が、エリカには千里眼があるのだ。
「貴様には殺人の疑いがかけられている」
「なんで俺がそんなことをしないといけないんだよ」
「それは我々が聞きたいところだ」
先輩達は徹矢を突き飛ばすと、部屋の中に侵入し、迷わずクローゼットを開けた。
バタバタバタと音がして、中からは死体が落ちてきて、床に広がった。
「なんだよ、これ…」
部屋の主である徹矢は、その場の誰よりも驚いていた。
「確定だな」
怒りを噛み殺した声が、部屋の中に響き渡った。
「違う!俺は何も知らない!そうだ、同室の渉にも聞いてくれ!」
「彼にも殺人の疑いがかけられている」
「なんだとっ!?」
「つべこべ言わずささっと来い!」
徹矢は必死に抵抗したが、最終的にはボコボコに殴られ、死体の横に倒れた。
教師もその場にいたが、誰一人として止めようとはしなかった。
「カケルも酷いことするねえ…あの二人は友達でしょ?」
「友達、ねえ…」
二人はいい奴らだった。
もし何事もなく学園生活を送っていたら、エリカの言ったとおり友達になっていたかもしれない。
「それにしても、どうしてこんなやり方をしたの?いつもだったら直接殺していたでしょ?」
「徹矢の能力が厄介でな、それだと失敗する可能性があったんだ」
「そういえば、最初の授業の時も熱心に見ていたね」
徹矢の能力、断罪__コンビクション__#!は一時的だが魔術を無効化出来る。
下手をすれば、俺の存在が脅かされかねなかった。
「あの二人のことは、案外好きだったのかもな」
しみじみと言うと、エリカが体をくっつけてきた。
「なんだよいきなり」
「実は私、まだ一度もカケルから好きって言ってもらってないんだけど」
「別に好きじゃねえし」
「だって私にために強くなろうとしてるだけじゃん」
「それは利用しているだけだ」
「ベー。もう影なんて返してくれなくていいよーっだ」
エリカは舌を出すと、ベッドに戻って行った。
エリカとくだらないことを話す日々は、しばらく続いた。
その間も生徒は減り続け、アトラス魔術学園は閉校になることが決まった
学園最後の日、すべての生徒と教師は同じ船で出発した。
だが誰一人として、本土に帰ることは出来なかった。
船は海の上で、行方不明になったのだ。
☆☆
誰もいなくなった島で、俺達は話す。
「まとめて殺すのはつまらないな」
「どうして?」
「せっかく苦しい顔を見せてくれるのに、全員を見られないからな」
「楽しそうね、カケル」
「勘違いするなよ。これはすべてエリカのためだ」
闇ギルドのSランク昇格ミッションは、アトラス魔術学園を機能不全にすることだった。
手段は問われなかった。全員を殺すもよし、施設を使えなくするもよし、すべては俺の思ったままでよかった。
「それじゃあ俺は行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
口づけをすると、闇ギルドへと続く魔法陣に乗った。
「いよいよSランクだ。さあ始めよう、復讐を」
俺の膝を枕にすると、エリカは何食わぬ顔で本を読んでいる。
ここ最近毎日だ。
「男子寮に正面入口から入ってくるのも、相当大胆だと思うぞ」
「私の空間把握なら、見つからずにここまで来るのなんて簡単よ」
と本人は言っているが、何人かにはバレている。
死者多発で、自分の身を守ることに必死な奴らが多いだけだ。
半月ほど前までは徹矢と渉も来ていたが、最近は来なくなった。
まだ殺してはいない。が、ちょうど今から死ぬところだ、社会的に。
「そろそろ時間だな」
呟くと、エリカが本から顔を上げた。
「何かあるの?」
「ああ、耳をすませてみるといい」
待つこと数秒、いよいよ始まった。
ここから8部屋先の部屋で、事件は起きる。
「先生?それに先輩たちまで。怖い顔してなんだって言うんだよ」
聞こえてきたのは、徹矢の戸惑う声だ。
やつの部屋前には、教師3名と上級生5人がいた。
「なんだか面白いことをやっているのね」
直接現場にいなくても、俺達には起こっていることが分かる。
俺には影が、エリカには千里眼があるのだ。
「貴様には殺人の疑いがかけられている」
「なんで俺がそんなことをしないといけないんだよ」
「それは我々が聞きたいところだ」
先輩達は徹矢を突き飛ばすと、部屋の中に侵入し、迷わずクローゼットを開けた。
バタバタバタと音がして、中からは死体が落ちてきて、床に広がった。
「なんだよ、これ…」
部屋の主である徹矢は、その場の誰よりも驚いていた。
「確定だな」
怒りを噛み殺した声が、部屋の中に響き渡った。
「違う!俺は何も知らない!そうだ、同室の渉にも聞いてくれ!」
「彼にも殺人の疑いがかけられている」
「なんだとっ!?」
「つべこべ言わずささっと来い!」
徹矢は必死に抵抗したが、最終的にはボコボコに殴られ、死体の横に倒れた。
教師もその場にいたが、誰一人として止めようとはしなかった。
「カケルも酷いことするねえ…あの二人は友達でしょ?」
「友達、ねえ…」
二人はいい奴らだった。
もし何事もなく学園生活を送っていたら、エリカの言ったとおり友達になっていたかもしれない。
「それにしても、どうしてこんなやり方をしたの?いつもだったら直接殺していたでしょ?」
「徹矢の能力が厄介でな、それだと失敗する可能性があったんだ」
「そういえば、最初の授業の時も熱心に見ていたね」
徹矢の能力、断罪__コンビクション__#!は一時的だが魔術を無効化出来る。
下手をすれば、俺の存在が脅かされかねなかった。
「あの二人のことは、案外好きだったのかもな」
しみじみと言うと、エリカが体をくっつけてきた。
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「実は私、まだ一度もカケルから好きって言ってもらってないんだけど」
「別に好きじゃねえし」
「だって私にために強くなろうとしてるだけじゃん」
「それは利用しているだけだ」
「ベー。もう影なんて返してくれなくていいよーっだ」
エリカは舌を出すと、ベッドに戻って行った。
エリカとくだらないことを話す日々は、しばらく続いた。
その間も生徒は減り続け、アトラス魔術学園は閉校になることが決まった
学園最後の日、すべての生徒と教師は同じ船で出発した。
だが誰一人として、本土に帰ることは出来なかった。
船は海の上で、行方不明になったのだ。
☆☆
誰もいなくなった島で、俺達は話す。
「まとめて殺すのはつまらないな」
「どうして?」
「せっかく苦しい顔を見せてくれるのに、全員を見られないからな」
「楽しそうね、カケル」
「勘違いするなよ。これはすべてエリカのためだ」
闇ギルドのSランク昇格ミッションは、アトラス魔術学園を機能不全にすることだった。
手段は問われなかった。全員を殺すもよし、施設を使えなくするもよし、すべては俺の思ったままでよかった。
「それじゃあ俺は行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
口づけをすると、闇ギルドへと続く魔法陣に乗った。
「いよいよSランクだ。さあ始めよう、復讐を」
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