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昇格~敵の実力~
不登校者への試練
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最初の実習で怪我をしてから四日、ようやく真崎からの登校許可が下りた。
危うく暇すぎて暇死するところだった。
体がうずいて仕方がない。早く人の苦しむ顔が見たいと。
徹矢と渉はあの後も何回か見舞いに来て、授業のことを教えてくれた。
クラスの雰囲気は良い、とは言えないが、最悪は抜け出したようだ。
ところで学校と言う場所で登校三日目から来なくなった奴はいじめられたり、ハブられたりすると聞いたことがある。
俺がそうなることは気にならないが、人間観察としては興味があった。
授業の10分前に教室に入ると、困ったことがあった。
座る場所がない。
俺が最初に座っていた席には別の生徒が陣取っていて、他の場所もグループで集まっている様だった。
これがハブられるというやつか。
まあ、適当に座ってしまえばいいか…。
「おーいカケルー、こっちだこっち!」
教室の後ろで金髪が手を振っていた。
大声を出すものだから、皆の視線を集めてしまった。
「あいつ来たんだ」とか「死神かよ」とかひそひそ言っているのも聞こえる。
必ずしも歓迎されているわけではないようだ。
呼び出しに応じて、金髪こと徹矢のグループへと加わった。
隣では渉が腕を組みながら仁王立ちして、ちらちらと俺を見ているやつらを睨みつけている。
「気にすんなよ」
「ありがとう」
本当にいい奴らだ。
だが、どこかで消す必要がある…が、今はまだその時ではないだろう。
程なくして、オールバックに無精ひげ、革ジャンの担任が入ってきた。
名前は…何だったっか。会うのが久しぶりすぎて思い出せない。
「おー黒沢、生きてたかー、残念」
俺に気が付くなり、嬉しそうに手を振ってくる。
「久し振りの登校で死んでるんじゃないかと心配していたが、その様子なら大丈夫そうだな」
俺が、徹矢や渉に囲まれているのを見て、「うんうん」と頷いている。
見た目によらず、まともな教師なのかもしれないな。
初の座学だ。どんなものか見させてもらおうか…って、おい。
あろうことか、徹矢は立ち上がると、担任に向かって手を向けた。
「ちょっと先生、こいつに言うことがあるんじゃないっすか?」
「さて、なんだろうな」
担任は無精ひげをなぞりながら、首をかしげている。
この感じ、分かってやっているに違いない。
「こいつはアンタのせいで死にかけたんすよ」
そうだったっけ?あー…そっか、そういうことになってるのか。
あの金髪美少年を殺したときに、一緒に襲われたフリをしたんだっけ。
…もう忘れていた。
「それがどうした。生きているならそれでいいじゃないか」
「な」
徹矢は絶句し、言葉を失った。
徹矢だけじゃない。渉も他の奴らも、顔面が真っ赤か蒼白のどちらかだ。
「あの後にも言ったが、改めて言っておく。魔術師、この仕事は常に死と隣り合わせ。絶対に生きて帰れるなんて保証はない。文句があるなら、今から家に帰って普通の学校にでも通うといい。いつでも転出届は用意してやる」
「そういうことじゃなくて、カケルは…」
「もういい」
俺が首を横に振ると、徹矢はやり切れない顔を浮かべた。
それでも唇を噛みしめると、最後には頭を下げた。
「授業の邪魔をしてすみませんでした」
「分かったならいい。座れ」
徹矢は座っても、下を向いたままだった。
唇をぐっと噛みしめたままで、肩はガタガタと震えていた。
危うく暇すぎて暇死するところだった。
体がうずいて仕方がない。早く人の苦しむ顔が見たいと。
徹矢と渉はあの後も何回か見舞いに来て、授業のことを教えてくれた。
クラスの雰囲気は良い、とは言えないが、最悪は抜け出したようだ。
ところで学校と言う場所で登校三日目から来なくなった奴はいじめられたり、ハブられたりすると聞いたことがある。
俺がそうなることは気にならないが、人間観察としては興味があった。
授業の10分前に教室に入ると、困ったことがあった。
座る場所がない。
俺が最初に座っていた席には別の生徒が陣取っていて、他の場所もグループで集まっている様だった。
これがハブられるというやつか。
まあ、適当に座ってしまえばいいか…。
「おーいカケルー、こっちだこっち!」
教室の後ろで金髪が手を振っていた。
大声を出すものだから、皆の視線を集めてしまった。
「あいつ来たんだ」とか「死神かよ」とかひそひそ言っているのも聞こえる。
必ずしも歓迎されているわけではないようだ。
呼び出しに応じて、金髪こと徹矢のグループへと加わった。
隣では渉が腕を組みながら仁王立ちして、ちらちらと俺を見ているやつらを睨みつけている。
「気にすんなよ」
「ありがとう」
本当にいい奴らだ。
だが、どこかで消す必要がある…が、今はまだその時ではないだろう。
程なくして、オールバックに無精ひげ、革ジャンの担任が入ってきた。
名前は…何だったっか。会うのが久しぶりすぎて思い出せない。
「おー黒沢、生きてたかー、残念」
俺に気が付くなり、嬉しそうに手を振ってくる。
「久し振りの登校で死んでるんじゃないかと心配していたが、その様子なら大丈夫そうだな」
俺が、徹矢や渉に囲まれているのを見て、「うんうん」と頷いている。
見た目によらず、まともな教師なのかもしれないな。
初の座学だ。どんなものか見させてもらおうか…って、おい。
あろうことか、徹矢は立ち上がると、担任に向かって手を向けた。
「ちょっと先生、こいつに言うことがあるんじゃないっすか?」
「さて、なんだろうな」
担任は無精ひげをなぞりながら、首をかしげている。
この感じ、分かってやっているに違いない。
「こいつはアンタのせいで死にかけたんすよ」
そうだったっけ?あー…そっか、そういうことになってるのか。
あの金髪美少年を殺したときに、一緒に襲われたフリをしたんだっけ。
…もう忘れていた。
「それがどうした。生きているならそれでいいじゃないか」
「な」
徹矢は絶句し、言葉を失った。
徹矢だけじゃない。渉も他の奴らも、顔面が真っ赤か蒼白のどちらかだ。
「あの後にも言ったが、改めて言っておく。魔術師、この仕事は常に死と隣り合わせ。絶対に生きて帰れるなんて保証はない。文句があるなら、今から家に帰って普通の学校にでも通うといい。いつでも転出届は用意してやる」
「そういうことじゃなくて、カケルは…」
「もういい」
俺が首を横に振ると、徹矢はやり切れない顔を浮かべた。
それでも唇を噛みしめると、最後には頭を下げた。
「授業の邪魔をしてすみませんでした」
「分かったならいい。座れ」
徹矢は座っても、下を向いたままだった。
唇をぐっと噛みしめたままで、肩はガタガタと震えていた。
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