上 下
86 / 317

アオアイの町5 音色

しおりを挟む
 目覚めてみると朝だった……
 しかも太陽の位置が高い……
あのあと馬車の中で心地よい揺れと蘭紗様の良い香りですやすやと寝てしまったみたいで。
きちんと寝間着に着替えさせられていたので、侍女達がしてくれたのか……もしかして蘭紗様?

ベッドに座って一人で真っ赤になる僕。

まあ、今日は会議に向けて最終調整日なので蘭紗様は当然のようにそちらだろう。
僕は取りあえずベッドから降りて背伸びをした。

この白亜の広くて美しい迎賓館は、南側の山肌に階段状に作られているのでとても明るくて、そして解放感がある。
ふと外を見ると、眼下に広がる迎賓館の連なり、そしてその先のアオアイ本島の貴族街、そしてその周りの林に、海沿いに広がる色とりどりの屋台街、それに重なるように各国の王族が乗船してきた豪華客船が停泊している。港はとても広いのにほとんど隙間なくびっしりだ。

出港するときぶつからないかな?と余計な事考えてしまう。

その時扉がスッと開いて、仙が遠慮がちに入室してきた。

「薫様……お加減は?」

心配気に近寄ってくる。

「うん、もうすっかり元通りだよ!」

僕は開け放たれたバルコニーに近寄って大きく深呼吸した。
仙は嬉しそうに微笑んでいる。
きっと心配かけたよね、ごめんね。

「顔洗いたいなあと思って」
「あ、はい少々お待ちを」

仙は嬉しそうに洗面の用意をしてくれる。
日本にいたころはこんなことは自分ですることだったけど……
それは蛇口をひねれば思う通りの温度で水がいつでも出て、それが当たり前だったからなんだろうなと思う。

始めは侍女たちがお湯を用意してくれる姿に申し訳ないと思っていたし、自分でやると言ったこともあったけど、これは侍女の仕事なのだ。
彼女たちが誇りをもってしている仕事の邪魔をしてはいけない。

仙は優雅な仕草で洗面の準備を整えてくれた。
美しい青い花が描かれた陶器の洗面器には、花の香りのちょうどいいぬるま湯、そしてふわふわのタオルを持ってその横に立つ仙。

「うん、ありがとう」

僕はわしゃわしゃと顔を洗って、そして鏡をジッと見る。
実は……僕はちょっとした悩みがあった。

それは……おひげが伸びないんですよ……

元々体毛が薄い僕は、手足のムダ毛もほとんどなくて女子にうらやましがられたりしたし、
脇も……それから……お股の方も……ほとんど産毛のようなかわいい感じのもので。
顔のおひげも下手したら10日ぐらいはほったらかしても気にならなかったけど……
まだ19才でもさすがに全くお手入れなしだと、まばらにでも不精髭になるぐらいは僕だって男だったはず。

それなのに……この世界に来てこちらの時間でまもなく4か月経とうとする今まで、一度もお手入れしていないのだ。

……なぜなんだろう?
まあ、楽でいいけど……今度僑先生に聞いてみよう。

仙が差し出してくれたふわふわタオルで顔を拭くと、いつものようにミント水を渡されて口をゆすぐ。

そして、さっぱりした僕に着替えを用意してくれて、着つけてくれる。
今日の着物も南国仕様で紗のきれいな絹の着物を2枚重ねる。
一番下の白の着物に映えて美しく発色するのは今日も水色だ。
ポイントに金色のタッセルのついた美しい首飾りを付けてくれる。

足元は軽やかなサンダルで、それも金色だった。

「ねえ仙、蘭紗様と涼鱗さんは朝早く出たの?」
「そうでございますよ、お二人もですが、他の高官の方々もみなさまお出掛けです。カジャル様とお二人でお食事を取って先にお休みにとご伝言がございます」
「まあ、そうなるよねえ」

僕は溜息をついた。

昨日のことさえなければ、今日もカジャルさんと散策を楽しむつもりだったけど、さすがにやめておこうと思う。
カジャルさんに何事かあれば、涼鱗さんに顔向けできないし。
また蘭紗様にあんな顔をさせるのも嫌だし……
一日ぽっかり空いちゃったな。

「よろしければ、お食事の後はバイオリンを楽しまれては?お持ちいたしますよ?」

仙はニコニコ笑顔である。
一度手にしたときに弾いたあれが、実は城内で働く人たちの耳に届き大騒ぎになっていたらしいのだ。

初めて聞く音色が、あんなに上等で素晴らしいバイオリンの音なんだからそれはもう人の心を打つだろう。
僕があれに相応しい演奏ができていたか?は疑問だけど……
プロの人ならもっと美しい音を出せたのかも……

「ああ、そうか……持ってきてたんだよね?」

以前は生活に染みつくほど弾いていたけど、今は違う。
単なる楽しみのために弾ける幸せに僕の心は浮き立つ。
練習を再開するにしても、心は楽だ。

「それじゃそうしようかな……でも……船の上ならともかく、うるさくない?この山肌にずっと続く迎賓館は各国の王族の皆様がいらっしゃるんじゃないの?」
「うるさいだなんてことありませんよ?各国の王妃様や王女様方はそれぞれに弦楽器や横笛など旅にお持ちになるのが普通ですから、皆さま良く奏でられるのですよ」
「そうなの?じゃあ大丈夫かな……」

僕はそのまま促されるままに部屋を出て食堂に向かった。
時間は朝も遅くなってそろそろ昼という頃だ、ブランチだね!

食堂はとても広くて豪華でちょっとしたパーティーにも対応できるようになっているそうだ。
そう聞いてちょっと思ったのは。
各国の王妃様方との交流はした方がいいのかな?ということ。
外交のことはサヌ羅さんに聞きたかったんだけど、全然会えない……みんな忙しいのだ。

「あ、カジャルさん」

食堂にはすでにカジャルさんが座っていた。

「もう食べたのですか?」
「いや、俺もさっき起きたんだ。こんな長時間寝たのは子供の時以来だ」
「そうですか、やっぱり昨日の影響でしょうかね?」
「かもしれんな……分析とやらは、いつ結果がでるんだろうか?」
「んー……」

給仕がにこやかに持ってきてくれたのは冷製のスープにさっぱりめのサラダ。
それからやわらかそうな白いパンだ。

卵の焼き方を聞かれて、2人で注文すると、お肉とお魚何が良いかも聞かれる。
僕はハムが食べたくなったので、ベーコンをお願いした。
この世界にも香りの高い燻製肉があるのだ。

それが運ばれてくるまでスープを一匙飲んでみる。
魚介類の塩味スープは日本のお吸い物にも似ていて、とても体に優しい。
2人とも昨日はおかしなことに巻き込まれたから、こういう優しい食事はとても嬉しい。

「薫様」
「どうしたの?」

僕はパンに手を伸ばしながら首を傾げた。

「ん……と、昨日は本当に迷惑かけてしまった、許してくれ」

しょんぼりしたカジャルさんが僕にちょこんと頭を下げた。
思いがけなくて僕は固まってしまってすぐに声が出ない。
でもそうか……カジャルさんは自分のせいで僕らがあんなふうになったと思ってたんだ……
一人で責任を感じてしまってるのか……

「カジャルさん、止めてよそんな風に言うの」
「でも」
「だってあの時、僕だって断れずにアーメ王子の邸宅に行くことを選んだじゃないの。それにアーメ王子だってこんなことになるとは思ってなかったようだし、誰も悪くないじゃない?」
「でも、それとこれとは違うだろ……俺は家臣だ、主人の薫様の身に危険を近づけてしまったんだから、本当なら罰を受けたっておかしくない」
「そこまで思いつめてるの?」

僕は手に持っていた白パンを一口食べて甘くておいしいことにびっくりした、そしてカジャルさんにも勧めた。

「ねえ!このパンすっごいおいしい!甘くてやわらかくって!食べて食べて!」
「へ?」

カジャルさんは口を開けて僕の顔を凝視したので、ささっと席を立ってパンをカジャルさんの口に押し込んだ。

「ぐ……むほ……」

びっくりしたカジャルさんがむせたので、笑いながらお水も勧めておく。

「ね?おいしいでしょ?このパン、紗国に帰っても食べたいな!」
「んむ……っ……んむ」

カジャルさんは苦労しながらパンを全部飲み込んだようだ。
水を飲んで一息ついてから睨んでくる。

「なんだよ急に……」
「おいしかったでしょ?なんか甘くて!」
「まあ……な」

カジャルさんは溜息をつきながら籠にもられたパンをじっと見る。

「薫様は怒ってないってことか?」
「怒るも何も……カジャルさんを責めるなんて、そんなこと思いもしなかった……蘭紗様だってそんなこときっと考えてないと思うよ」
「……そうか」

その時、給仕がおいしそうなスクランブルエッグとベーコンの乗ったお皿を持ってきてくれた。
カジャルさんは、お魚のグリルと茹で卵だ。

「でも、昨日のあれで、今日は外にも出れない……本当なら今日は海岸を案内するつもりだったんだが」
「海岸?」
「ああ……」

カジャルさんはお魚を食べながら返事をした。
姿勢もきれいだし、食事の作法も完璧で本当に黙っていれば貴族感がすごいんだよなあ……

「海に行けば泳ぎが達者な薫様なら喜ぶかと思って、料理長にも軽食を頼んでたんだがな」
「むー……それは残念すぎる」
「まあ、しかたないな……」
「ですねえ……」
「もう蘭紗様と涼鱗さんに余計な心配かけたくないですしねえ」
「あぁ……」

カジャルさんは遠い目をして窓の外を眺めた。

「なんかあったんです?」
「……聞くな」
「はい」

僕は笑ってしまった。
きっとこれは……涼鱗さんにねちっこく絞られたに違いない。
涼鱗さんはカジャルさんが可愛くて仕方ないんだから。
ものすごく心配したはずだ。

「まあ、今日はゆっくり過ごそうね」

食事のあと、僕はカジャルさんに「後でバイオリンを聞きに来て」って伝えて部屋に一度戻った。





 少し時間を置いてお茶の用意をしながらバイオリンの調弦をしていると、カジャルさんがフルーツを侍女に持たせてやってきた。

さすが南国というだけあってトロピカルフルーツが満載だ。
どれもこの庭で今朝取れたというから驚いたけど……

「フルーツまで植わってるんですか?」
「ああ、山側にあるぞ、料理長が便利なようにそこに香草畑などもある」
「なるほど……」
「ところでその……バイオリンとやらはパーリィヤに似ているな」
「ええ、形は似てますかね?弦がありますし……でも音の趣は結構違うんじゃないかな?」

この世界にはパーリィヤというリュートに似た楽器がある。
蘭紗様が得意だと聞いて、いつか弾いてほしいなと密かに思っているのだ。
でもお忙しい蘭紗様に無理は言えないよね。

「ふむ……」

難しい顔をするカジャルさんにソファーを勧め、僕は肩にバイオリンを置いて、深呼吸をした。
南国のゆったりした時間を感じる空気が美味しく感じる。

僕は目を瞑り大好きな小曲を弾いた。
楽しく弾むような曲で、なんだかこの空気にピッタリな気がして。
日本にいる頃はこういう曲調が実は苦手だった。
体力がなくて弱い僕には眩しすぎて……
でもアオアイにはぴったりだ!
極彩色の鳥が飛んで、そして舞い降りて、僕の肩に。

そんなイメージで弾いて……弾きおわって目を開けてみると、驚愕の表情で固まるカジャルさんと、真っ赤な顔で音を鳴らさずに小さく拍手する侍女たち数名の姿が見えた。
扉前には興奮した様子の近衛二名の姿もあった。

「……すごいな……びんって響いてくるようなのびやかな素晴らしい音だ……しかもその曲は……なんというかとても素晴らしい!」

カジャルさんはぎこちなく立ち上がって大きく拍手して破顔した。

カジャルさんにこんな風に手放しでほめられるのは初めてじゃないのかな?
僕は嬉しいけどちょっとくすぐったくて、恥ずかしくなってしまった。

「ふふ……ありがとう!」

僕はもう一曲弾こうとして弓を構えた……その時。

バサっとバルコニーから音が聞こえて、部屋の隅に控えていた近衛が顔色を変えサッと動いたのが視線の端に見えた。
僕は「ん?」と思いながらゆっくり顔をバルコニーに向けると……
逆光を浴びた黒い人影が一人、そこに立っていた。

「おや?ここだよね?……何今の音楽、素晴らしいねえ……誰が奏でていたの?」

聞いたことのない声がして僕の体が跳ねる。
カジャルさんも慌てて僕のそばに駆け寄ってきて僕を背後に隠そうとする。

でも僕はしっかり見えていた。

バルコニーの男がゆっくりと室内に入ってくる。
影の部分が薄れて段々とはっきり顔が見えてきた。

男はものすごく高身長でたくましい体を持った大男だった。
……そして、射貫くような視線で僕をまっすぐに見つめてくる。

……僕はその男と目が合った瞬間、冷たい氷で背筋を撫でられたように寒気を感じて、動けなくなってしまった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

今日から始める最強伝説 - 出遅れ上等、バトル漫画オタクは諦めない -

ふつうのにーちゃん
ファンタジー
25歳の春、転生者クルシュは祖国を出奔する。 彼の前世はしがない書店経営者。バトル漫画を何よりも愛する、どこにでもいる最強厨おじさんだった。 幼い頃の夢はスーパーヒーロー。おじさんは転生した今でも最強になりたかった。 その夢を叶えるために、クルシュは大陸最大の都キョウを訪れる。 キョウではちょうど、大陸最強の戦士を決める竜将大会が開かれていた。 クルシュは剣を教わったこともないシロウトだったが、大会に出場することを決める。 常識的に考えれば、未経験者が勝ち上がれるはずがない。 だがクルシュは信じていた。今からでも最強の座を狙えると。 事実、彼の肉体は千を超える不活性スキルが眠る、最強の男となりうる器だった。 スタートに出遅れた、絶対に夢を諦めないおじさんの常勝伝説が始まる。

二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族(ハーレム)を増やす〜

北条氏成
ファンタジー
一度目の世界を救って、二度目の異世界にやってきた主人公は全能力を引き継いで吸血鬼へと転生した。 この物語は魔王によって人間との混血のハーフと呼ばれる者達が能力を失った世界で、最強種の吸血鬼が眷族を増やす少しエッチな小説です。 ※物語上、日常で消費する魔力の補給が必要になる為、『魔力の補給(少しエッチな)』話を挟みます。嫌な方は飛ばしても問題はないかと思いますので更新をお待ち下さい。※    カクヨムで3日で修正という無理難題を突き付けられたので、今後は切り替えてこちらで投稿していきます!カクヨムで読んで頂いてくれていた読者の方々には大変申し訳ありません!! *毎日投稿実施中!投稿時間は夜11時~12時頃です。* ※本作は眷族の儀式と魔力の補給というストーリー上で不可欠な要素が発生します。性描写が苦手な方は注意(魔力の補給が含まれます)を読まないで下さい。また、ギリギリを攻めている為、BAN対策で必然的に同じ描写が多くなります。描写が単調だよ? 足りないよ?という場合は想像力で補って下さい。できる限り毎日更新する為、話数を切って千文字程度で更新します。※ 表紙はAIで作成しました。ヒロインのリアラのイメージです。ちょっと過激な感じなので、運営から言われたら消します!

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

使い捨ての元神子ですが、二回目はのんびり暮らしたい

夜乃すてら
BL
 一度目、支倉翠は異世界人を使い捨ての電池扱いしていた国に召喚された。双子の妹と信頼していた騎士の死を聞いて激怒した翠は、命と引き換えにその国を水没させたはずだった。  しかし、日本に舞い戻ってしまう。そこでは妹は行方不明になっていた。  病院を退院した帰り、事故で再び異世界へ。  二度目の国では、親切な猫獣人夫婦のエドアとシュシュに助けられ、コフィ屋で雑用をしながら、のんびり暮らし始めるが……どうやらこの国では魔法士狩りをしているようで……?  ※なんかよくわからんな…と没にしてた小説なんですが、案外いいかも…?と思って、試しにのせてみますが、続きはちゃんと考えてないので、その時の雰囲気で書く予定。  ※主人公が受けです。   元々は騎士ヒーローもので考えてたけど、ちょっと迷ってるから決めないでおきます。  ※猫獣人がひどい目にもあいません。 (※R指定、後から付け足すかもしれません。まだわからん。)  ※試し置きなので、急に消したらすみません。

処理中です...