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第八章 紗国の悪夢
愛 R18
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夕刻、自室で俺はベッドに座って外を眺めていた。
玲陽が俺の横に座った、紗国を後にしてはや1ヶ月、飛翔隊はその間2度の往復をして、交易をしていた、そして持ち帰った正式な書簡、玲陽は真剣な顔で俺に差し出す。
「紗国の新王が即位されます、それと、あの事件についてのことの取り決めもなされました」
「その報告というわけか?」
俺はそれを手に取り広げた。
紗国の美しい文字が並ぶ、俺にはそれは日本語と変わらないように見える。
読み進め、そしてある文字で目が止まる。
「……ほう、紗国の第2王子、江利紗が即位か」
「はい」
玲陽は赤い目を俺に向け、うなずいた。
「2番目とはおかしいな、第一王子が玖羅紗、第二王子が白玖紗だったのでは?」
「あの者ははじめから無かったことにしたようですね」
「生まれたことすらなかったことにするのか?」
「よくあることです、歴史に残してはいけないことなら、無かったことにするのが一番ですからね」
「しかし、人々の記憶にはあるだろう?」
「はい、今はありますが、いずれ消えます、長い歴史の中に」
俺はため息をついて先を読み進めた、しかし、どこにも阿羅国の名は出てこない。
「白玖紗が亡き者となったならば、我らもその場にいたとは書けないだろうが……他国の城に侵入し、こともあろうに王子を殺した、俺の罪には目をつむるとそういうことなのか?」
断罪をある程度覚悟していたが、紗国は阿羅国のことには一切触れていなかった。
「ええ、そのようですよ。とりまとめた貴族らは、むしろ阿羅国に感謝しているとのことです……これは、城石様のご意向が含まれていることでしょう」
「なるほど……義父は俺をかばったか」
「実際、国を助けたのは阿羅彦様です、城石様の立場が私でも、そうしましたよ」
「第3騎士団も、同じ思いなら良いがな」
「あの者らは阿羅彦様に感謝を申し上げたいと、団長からの言づてがありました」
「……感謝か」
一国の王子を殺した者に、感謝とは……しかし、白玖紗の罪は大きい、できることなら生かして捕らえ、罪を暴き償わせたかった。
だが、あれが犯した罪の詳細を暴けば、紅葉の強姦・殺傷、兄殺し、船への放火、あまりに罪が大きすぎ、そして紗国にとっては恥ともいえる内容であることは確か。
はじめから無かったこととして納めるのが妥当……なのだろう。
「わかった、で、これはあれだな、戴冠式への招待状なのだな」
もう一つの豪華な書簡を指さして聞くと、玲陽はうなずいた。
「はい、戴冠式には正式に阿羅国国王としてご出席をとのことです、歴史ある紗国の戴冠式です、これは出席なさらないといけません」
玲陽の言葉に俺は曖昧な笑顔を返した。
「……そうか」
「気が進まないようですね」
玲陽は俺の手をそっと撫でた。
「少しな、さすがの俺も気落ちしている、疲れることばかりが続いてな」
「はい……」
俺は梢紗の顎に手をやり、顔を見つめると、口づけた。
玲陽の目が閉じられ、俺の背に手が回る、お互いに抱きしめ合って唇をむさぼった。
「玲陽、俺を避けるんじゃないよ、他の誰かと床にいても、お前がいなくて良いということではない」
「……はい」
「阿羅国にいる間は俺の近くにいろ」
「はい……」
玲陽の着物を脱がせようと手をかけた、しかしその手をさえぎり、彼は自分で着物を脱いだ、鍛えられた白く美しい体があらわになった。
俺も帯をほどき、着物を脱ぐ、そして押し倒すとまた激しくお互いの口内を舐めあった、玲陽の唾液は甘く、何もかもが愛おしい。
玲陽の体を優しく撫でる、弾力のあるなめらかな肌は吸い付くようだ、乳首にそっと触れ、指でこねる、玲陽は体を震わせて背に回した腕の力を強めた。
「気持ちいいのか?」
「は……い」
上気した頬が、夕焼けに照らされ、さらに赤くなって美しい。
「お前は俺の者だ、常に俺のそばに……わかっているか?」
「はい……はい、あらひこさ……ま……ぁ」
「逃げるな……」
「はい、に、逃げたりなど……」
「俺のそばにずっとだ」
「はい……」
玲陽の眦に涙が浮かんだ、その涙を舐めて、その甘さは美酒のようだった。
玲陽の固くそそり立ったモノが俺の腹をつつく、それを擦りあげる。
「あぁ……ああ、駄目です、いってしまう」
「許してはあげないよ」
「あぁ、あらひこさま……ぁ」
余裕のない玲陽の表情を見ていて、ふつふつと湧き上がる支配欲が苦しい。
「いれ、て、いれてください」
「ああ、わかった」
俺は玲陽の両足を開き、穴に指を入れ、そっと出し入れする。
サイドテーブルから取った香油をたっぷりとかけ、やわらかく俺の指を吸い込む穴に塗り込めていく、丁寧にゆっくりと。
「あぁ……もう……もう……」
「いくよ」
俺は一気に玲陽を貫いた。
「あぁ!」
「あ……気持ちいいよ、玲陽」
「は……い、私も、あらひこさま……ぁ」
俺はそのまま獣のように腰を振り続け、玲陽の体を揺らした。
久しぶりに抱いた玲陽が愛おしかった。
「玲陽」
「あらひこさま……ああ……」
玲陽の体が震え、ビクビクと反応している、中の締め付けがきつくなった、玲陽が精を放ったのだ。
俺の腹にヌルヌルとした精液がついた、その温かい精液さえも俺の気持ちを高ぶらせた。
必死でしがみつく玲陽に口づけ、俺は再び玲陽のモノが大きくなっていくのを感じながら、ガンガンと奥まで届くほど激しく腰を動かした。
「今度は一緒に……あらひこさま」
「ああ、いくよ……」
「はい、あらひこさま」
俺は右手で玲陽のモノをしごきあげながら動いた。
「ああ! 気持ちいいです……ああ……」
そして玲陽の中に射精した、ビクビクと何度も痙攣するようにドクドクと大量の精液が玲陽の中にたっぷりと入っていく。
「玲陽……愛しているよ」
「はい……私もです、愛しています、阿羅彦様」
玲陽の目から涙が落ちた。
玲陽が俺の横に座った、紗国を後にしてはや1ヶ月、飛翔隊はその間2度の往復をして、交易をしていた、そして持ち帰った正式な書簡、玲陽は真剣な顔で俺に差し出す。
「紗国の新王が即位されます、それと、あの事件についてのことの取り決めもなされました」
「その報告というわけか?」
俺はそれを手に取り広げた。
紗国の美しい文字が並ぶ、俺にはそれは日本語と変わらないように見える。
読み進め、そしてある文字で目が止まる。
「……ほう、紗国の第2王子、江利紗が即位か」
「はい」
玲陽は赤い目を俺に向け、うなずいた。
「2番目とはおかしいな、第一王子が玖羅紗、第二王子が白玖紗だったのでは?」
「あの者ははじめから無かったことにしたようですね」
「生まれたことすらなかったことにするのか?」
「よくあることです、歴史に残してはいけないことなら、無かったことにするのが一番ですからね」
「しかし、人々の記憶にはあるだろう?」
「はい、今はありますが、いずれ消えます、長い歴史の中に」
俺はため息をついて先を読み進めた、しかし、どこにも阿羅国の名は出てこない。
「白玖紗が亡き者となったならば、我らもその場にいたとは書けないだろうが……他国の城に侵入し、こともあろうに王子を殺した、俺の罪には目をつむるとそういうことなのか?」
断罪をある程度覚悟していたが、紗国は阿羅国のことには一切触れていなかった。
「ええ、そのようですよ。とりまとめた貴族らは、むしろ阿羅国に感謝しているとのことです……これは、城石様のご意向が含まれていることでしょう」
「なるほど……義父は俺をかばったか」
「実際、国を助けたのは阿羅彦様です、城石様の立場が私でも、そうしましたよ」
「第3騎士団も、同じ思いなら良いがな」
「あの者らは阿羅彦様に感謝を申し上げたいと、団長からの言づてがありました」
「……感謝か」
一国の王子を殺した者に、感謝とは……しかし、白玖紗の罪は大きい、できることなら生かして捕らえ、罪を暴き償わせたかった。
だが、あれが犯した罪の詳細を暴けば、紅葉の強姦・殺傷、兄殺し、船への放火、あまりに罪が大きすぎ、そして紗国にとっては恥ともいえる内容であることは確か。
はじめから無かったこととして納めるのが妥当……なのだろう。
「わかった、で、これはあれだな、戴冠式への招待状なのだな」
もう一つの豪華な書簡を指さして聞くと、玲陽はうなずいた。
「はい、戴冠式には正式に阿羅国国王としてご出席をとのことです、歴史ある紗国の戴冠式です、これは出席なさらないといけません」
玲陽の言葉に俺は曖昧な笑顔を返した。
「……そうか」
「気が進まないようですね」
玲陽は俺の手をそっと撫でた。
「少しな、さすがの俺も気落ちしている、疲れることばかりが続いてな」
「はい……」
俺は梢紗の顎に手をやり、顔を見つめると、口づけた。
玲陽の目が閉じられ、俺の背に手が回る、お互いに抱きしめ合って唇をむさぼった。
「玲陽、俺を避けるんじゃないよ、他の誰かと床にいても、お前がいなくて良いということではない」
「……はい」
「阿羅国にいる間は俺の近くにいろ」
「はい……」
玲陽の着物を脱がせようと手をかけた、しかしその手をさえぎり、彼は自分で着物を脱いだ、鍛えられた白く美しい体があらわになった。
俺も帯をほどき、着物を脱ぐ、そして押し倒すとまた激しくお互いの口内を舐めあった、玲陽の唾液は甘く、何もかもが愛おしい。
玲陽の体を優しく撫でる、弾力のあるなめらかな肌は吸い付くようだ、乳首にそっと触れ、指でこねる、玲陽は体を震わせて背に回した腕の力を強めた。
「気持ちいいのか?」
「は……い」
上気した頬が、夕焼けに照らされ、さらに赤くなって美しい。
「お前は俺の者だ、常に俺のそばに……わかっているか?」
「はい……はい、あらひこさ……ま……ぁ」
「逃げるな……」
「はい、に、逃げたりなど……」
「俺のそばにずっとだ」
「はい……」
玲陽の眦に涙が浮かんだ、その涙を舐めて、その甘さは美酒のようだった。
玲陽の固くそそり立ったモノが俺の腹をつつく、それを擦りあげる。
「あぁ……ああ、駄目です、いってしまう」
「許してはあげないよ」
「あぁ、あらひこさま……ぁ」
余裕のない玲陽の表情を見ていて、ふつふつと湧き上がる支配欲が苦しい。
「いれ、て、いれてください」
「ああ、わかった」
俺は玲陽の両足を開き、穴に指を入れ、そっと出し入れする。
サイドテーブルから取った香油をたっぷりとかけ、やわらかく俺の指を吸い込む穴に塗り込めていく、丁寧にゆっくりと。
「あぁ……もう……もう……」
「いくよ」
俺は一気に玲陽を貫いた。
「あぁ!」
「あ……気持ちいいよ、玲陽」
「は……い、私も、あらひこさま……ぁ」
俺はそのまま獣のように腰を振り続け、玲陽の体を揺らした。
久しぶりに抱いた玲陽が愛おしかった。
「玲陽」
「あらひこさま……ああ……」
玲陽の体が震え、ビクビクと反応している、中の締め付けがきつくなった、玲陽が精を放ったのだ。
俺の腹にヌルヌルとした精液がついた、その温かい精液さえも俺の気持ちを高ぶらせた。
必死でしがみつく玲陽に口づけ、俺は再び玲陽のモノが大きくなっていくのを感じながら、ガンガンと奥まで届くほど激しく腰を動かした。
「今度は一緒に……あらひこさま」
「ああ、いくよ……」
「はい、あらひこさま」
俺は右手で玲陽のモノをしごきあげながら動いた。
「ああ! 気持ちいいです……ああ……」
そして玲陽の中に射精した、ビクビクと何度も痙攣するようにドクドクと大量の精液が玲陽の中にたっぷりと入っていく。
「玲陽……愛しているよ」
「はい……私もです、愛しています、阿羅彦様」
玲陽の目から涙が落ちた。
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