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第四章 阿羅国
アレクシス
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エルフの少年めいた顔が困惑で揺れていた。
だがやがて納得したかのように小さく頷いて、俺を見つめ返した。
「まあ……何とも理解しがたいのだが……お前たちがまことに国を興したというのなら、そうなのかもしれんな。あちらの荒地で何か動きがあることは聞いていたから」
「ほう、我らのことを聞いたことが?」
「ああ、あんな荒地を耕すなど酔狂な者がいるんだなと、我らは思っていた」
「そうか、そう思っても仕方ないだろう、それほど荒れていたからな」
彼は俺の言葉に少し笑みをこぼした。
少年のように見えるくせに笑うと妖艶だ。
「君の名を聞いてもいいか?」
「俺の名はアレクシス、あなたが王というのなら敬意を払うべきなんだろうが……にわかには信じられない」
「まあ、仕方ないさ、エルフたちから敬意がほしくて国を興したわけではないから、それはいい。だが、ここでの休憩は俺の子とその母の休息のために取ったものだ、しばしの逗留を許してほしい、むろん、さきほど聞いたそのスレイスルウとやらに手を出したり、また、その存在を脅かしたりはしないことを誓おう」
アレクシスはフフっとふたたび微笑んで、そして手を差し出した。
俺は握手をして、そして弓を返した。
「俺はこの辺りを警備している者だ。畑の世話は別のエルフが来るから、その前に飛び立ってほしい。その者にも説明するとなると難儀なことになりそうで、考えただけでうんざりする」
「ああ、そうしよう。ところで猶予はどの程度ありそうかな?」
「そうだな、日暮れ前には一度畑の様子を見に来る者があるだろうが、どうだ?」
「こちらは昼を食べればすぐに行く、大事ないな」
アレクシスは深く頷いて、森に戻ろうとした。
「お前、どこへ行く、こちらを油断させておいて一族でここを襲わせるなんてことないだろうな!」
クレイダはその背に問いかけた。
アレクシスはゆっくりと振り向いて苦笑した。
「さっきも言っただろう?異変があったことを伝えたらめんどくさいんだよ、そんなことしないさ、それよりとっとと飯を食って飛んでってくれよ」
クレイダはそれ以上何も言わず、困ったように俺を見た。
「ならば、彼の言う通りにしよう。さあ、みんな早く食べて出発だ、ユーチェン申し訳ないが、早めに出るぞ」
ユーチェンは固まっていたが、かくかくとした動作で何度もうなずいた。
だがやがて納得したかのように小さく頷いて、俺を見つめ返した。
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「ほう、我らのことを聞いたことが?」
「ああ、あんな荒地を耕すなど酔狂な者がいるんだなと、我らは思っていた」
「そうか、そう思っても仕方ないだろう、それほど荒れていたからな」
彼は俺の言葉に少し笑みをこぼした。
少年のように見えるくせに笑うと妖艶だ。
「君の名を聞いてもいいか?」
「俺の名はアレクシス、あなたが王というのなら敬意を払うべきなんだろうが……にわかには信じられない」
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アレクシスはフフっとふたたび微笑んで、そして手を差し出した。
俺は握手をして、そして弓を返した。
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「ならば、彼の言う通りにしよう。さあ、みんな早く食べて出発だ、ユーチェン申し訳ないが、早めに出るぞ」
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