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42話
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部屋ではギクシャクとした空気が流れていた。クリスが態と「コホンっ」と咳をした事により、どこかムズかゆかった雰囲気は落ち着きを取り戻す。
ソファーに座りながら、改めて部屋をぐるりと見渡した。学園全体の古風な様式とは一転し、近代的でお洒落かつ暮らしやすい造となっている。
まるで違う空間にいるみたいだ、、
クリスも裕福な貴族出身だが、古き良きな文化に重きを置いた歴史ある家系な為、王都を中心に発展しつつある近代的な思考・様式は家に隠れて書店や街の書物館から借りて自室でこっそり読むくらいだった。
このように実際に目にするのは初めてだった。
・・新しい生活スタイルに合わせた暮らしやすいシンプルな形状の家具、特にソファーは見た目も肌触りもふわふわした弾力もかなり良かった。中には何が敷き詰められているのだろうか、こんなに座り心地がいいのは初めてだ。
他にも書物で見た物がたくさん置いてあった。けど・・部屋を明るく照らしているこの照明器具・・見た事のない形だな・・
形は手のひらサイズでとても小さいのに、なんでこんなに明るく照らす事が出来るんだ?
思わずそれを手に取り、目を凝らしてよく見てみる。すると、小さな照明器具の奥に何か小さな石が嵌め込まれているのが見えた。
え!?・・これは、
「・・魔法石っ!?」
「ハっ!さすが俺のオメガだ!」
ローカスはご機嫌にクリスに二度拍手を送るとドカりと目の前のソファーに座って脚を組んだ。先程までのどこか気まづい空気は忘れたようだ。それとも、態となのか、、
「そう、これは魔法石だ。王室のみが生み出し、扱えると言われる人知を超えた力。」
「うそ、魔法文明は遥か昔に滅んだはずで、王族でも今現在魔法石が使える人間いないはずっ!」
クリスはあり得ないと、叫んだ。
自分は博識までとはいかないものの、三大貴族のロード家の嫡男として勉学には猛烈に勤しんだはずだった。
王宮で魔法の研究がされている何て目に鱗な事態だ。そんな重大な事を自分が知らなかったなんて。
そもそも、魔法石を扱えていたと言われる人物は王族の中でも獅子王の血をより濃く受け継いだと言われる1世と3世の王のみだったと語られている。
現王の10世王に至るまで魔法という概念は忘れ去られる程、今のクリス達には馴染みのない現実離れしたものだった。
「そう吠えるな。お前が知らないのは当たり前だか、この研究はかなり昔から王宮内だけで密かに行われている。魔法がこの世界から失われても我々は研究だけは続けて来たんだ。」
何が含みを持たせるような言い方だ。
「それを何で僕に教える?」
「教えるに決まってる。当たり前さ、お前は将来こちら側の人間になるのだから。まあ、極秘情報を知って外で生きている人間なんていないけどな。」
なっ!?
こいつは暗に、秘密を知ったならばコチラ側に来いと。来なければ、王族への反逆罪として罰則を与えると、言っているのだ。
なんて卑怯なやつ
わかってはいたけど、、かなりの性格の悪さだ。
「僕を嵌めたな、こんなんで僕が君に惚れるとでも?」
「何て事を言うんだ、俺はここで一緒に食事をしようと思ったださ。お前が目敏く魔法石に気づきさえしなければ俺もこんな事を言う必要は無かったのに。」
わざとらしく、肩をすくめるローカス。殴ってやりたい。やっぱりαの王なんて嫌いだ。
「まあ、俺が何回もお前に会いに行ったのに、部屋の鍵を閉めていっこうに無視を続けた自分を呪うんだな。初めは寛容に懐柔しようと思ったがお前はなかなか頑なだから少し強引に行くのも善かろう。」
なにが少しだ。お前はいっつもかなり強引なんだよ、!
「まあ。とりあえずは俺の側近として側に侍ろ。ああ、すまん、ご学友だったなぁ。」
この言い方、僕をわざと怒らせようとしているのか。
でも、それとなく魔法石から話題を逸らされた気もした。
ソファーに座りながら、改めて部屋をぐるりと見渡した。学園全体の古風な様式とは一転し、近代的でお洒落かつ暮らしやすい造となっている。
まるで違う空間にいるみたいだ、、
クリスも裕福な貴族出身だが、古き良きな文化に重きを置いた歴史ある家系な為、王都を中心に発展しつつある近代的な思考・様式は家に隠れて書店や街の書物館から借りて自室でこっそり読むくらいだった。
このように実際に目にするのは初めてだった。
・・新しい生活スタイルに合わせた暮らしやすいシンプルな形状の家具、特にソファーは見た目も肌触りもふわふわした弾力もかなり良かった。中には何が敷き詰められているのだろうか、こんなに座り心地がいいのは初めてだ。
他にも書物で見た物がたくさん置いてあった。けど・・部屋を明るく照らしているこの照明器具・・見た事のない形だな・・
形は手のひらサイズでとても小さいのに、なんでこんなに明るく照らす事が出来るんだ?
思わずそれを手に取り、目を凝らしてよく見てみる。すると、小さな照明器具の奥に何か小さな石が嵌め込まれているのが見えた。
え!?・・これは、
「・・魔法石っ!?」
「ハっ!さすが俺のオメガだ!」
ローカスはご機嫌にクリスに二度拍手を送るとドカりと目の前のソファーに座って脚を組んだ。先程までのどこか気まづい空気は忘れたようだ。それとも、態となのか、、
「そう、これは魔法石だ。王室のみが生み出し、扱えると言われる人知を超えた力。」
「うそ、魔法文明は遥か昔に滅んだはずで、王族でも今現在魔法石が使える人間いないはずっ!」
クリスはあり得ないと、叫んだ。
自分は博識までとはいかないものの、三大貴族のロード家の嫡男として勉学には猛烈に勤しんだはずだった。
王宮で魔法の研究がされている何て目に鱗な事態だ。そんな重大な事を自分が知らなかったなんて。
そもそも、魔法石を扱えていたと言われる人物は王族の中でも獅子王の血をより濃く受け継いだと言われる1世と3世の王のみだったと語られている。
現王の10世王に至るまで魔法という概念は忘れ去られる程、今のクリス達には馴染みのない現実離れしたものだった。
「そう吠えるな。お前が知らないのは当たり前だか、この研究はかなり昔から王宮内だけで密かに行われている。魔法がこの世界から失われても我々は研究だけは続けて来たんだ。」
何が含みを持たせるような言い方だ。
「それを何で僕に教える?」
「教えるに決まってる。当たり前さ、お前は将来こちら側の人間になるのだから。まあ、極秘情報を知って外で生きている人間なんていないけどな。」
なっ!?
こいつは暗に、秘密を知ったならばコチラ側に来いと。来なければ、王族への反逆罪として罰則を与えると、言っているのだ。
なんて卑怯なやつ
わかってはいたけど、、かなりの性格の悪さだ。
「僕を嵌めたな、こんなんで僕が君に惚れるとでも?」
「何て事を言うんだ、俺はここで一緒に食事をしようと思ったださ。お前が目敏く魔法石に気づきさえしなければ俺もこんな事を言う必要は無かったのに。」
わざとらしく、肩をすくめるローカス。殴ってやりたい。やっぱりαの王なんて嫌いだ。
「まあ、俺が何回もお前に会いに行ったのに、部屋の鍵を閉めていっこうに無視を続けた自分を呪うんだな。初めは寛容に懐柔しようと思ったがお前はなかなか頑なだから少し強引に行くのも善かろう。」
なにが少しだ。お前はいっつもかなり強引なんだよ、!
「まあ。とりあえずは俺の側近として側に侍ろ。ああ、すまん、ご学友だったなぁ。」
この言い方、僕をわざと怒らせようとしているのか。
でも、それとなく魔法石から話題を逸らされた気もした。
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