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38話 事件の全貌
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クリスは寮の自室に戻り1人考えに耽っていた。
今日聞いたミルシェの話を思い出しながら、頭の中を整理する。
ミルシェによると、ケリン兄様は一人でいた時に襲われたらしい。
彼が襲われた場所は、学園内でも人が立ち入りにくく、昔は書物庫として使われていた古い建物の中だったと。その場所はあの離塔のさらに奥にあると言う。
そして、ケリン兄様が無残に横たわった姿を発見したのはジェラルドだったらしい。兄様の頸についたアルファの噛み跡に呆然になったと言っていた。けど、直ぐにミルシェ達を呼びにいき彼を保護したと。
保護された彼は治療の為、学園の診療室に運ばれることとなり、ミルシェ達も一緒に付き添ったらしい。ベッドに横たわった彼を見て、自分たちは泊まり込みで見守ろうとしたが、教師陣に一度寮に戻るよう強く注意され帰されてしまったらしい。
次の日にまた出直そうと思っていたミルシェ達だったが、その日がケリンの姿を見た最後になったと。
次の日診療室に伺うと、ケリンが寝かされていたベッドには誰もいなかった。
寝具は綺麗に整えられ、彼の痕跡を全て消し去っていた。
これが、ミルシェ達が知るその日の事件の全貌だと。
ジェラルドは言った。あの日のケリンの姿が忘れられないと。彼の頸についたアルファの噛み跡が今でも頭によぎり彼を助けられ無かったことをずっと後悔していると。
他の3人も同じように項垂れ肩を落としていた。
ーーケリンを助けて欲しいーー
あの3人は頭を下げ、声を揃えてもう一度クリスに頼み込んだ。
「・・勿論だよ。僕の友達でもあるからね。」
・・わからない。
だけど、1つわかった事もある。やっぱり彼等を完全に信用するのはもう少し考えてからにしよう。
兄様は何故、わざわざ主塔から離れたそんな場所にいたのか?
誰にでも優しく、思慮深い彼なら敵は作りにくい。アルファを怒らせる事も無いはず。
何故、アルファに狙われたのか?
その日は運悪く発情期だったとしても、兄様なら抑制剤が効きやすかったはず、、
何度考えてもわからないことばかりだ。
もう少し、探る必要があるな。
今日聞いたミルシェの話を思い出しながら、頭の中を整理する。
ミルシェによると、ケリン兄様は一人でいた時に襲われたらしい。
彼が襲われた場所は、学園内でも人が立ち入りにくく、昔は書物庫として使われていた古い建物の中だったと。その場所はあの離塔のさらに奥にあると言う。
そして、ケリン兄様が無残に横たわった姿を発見したのはジェラルドだったらしい。兄様の頸についたアルファの噛み跡に呆然になったと言っていた。けど、直ぐにミルシェ達を呼びにいき彼を保護したと。
保護された彼は治療の為、学園の診療室に運ばれることとなり、ミルシェ達も一緒に付き添ったらしい。ベッドに横たわった彼を見て、自分たちは泊まり込みで見守ろうとしたが、教師陣に一度寮に戻るよう強く注意され帰されてしまったらしい。
次の日にまた出直そうと思っていたミルシェ達だったが、その日がケリンの姿を見た最後になったと。
次の日診療室に伺うと、ケリンが寝かされていたベッドには誰もいなかった。
寝具は綺麗に整えられ、彼の痕跡を全て消し去っていた。
これが、ミルシェ達が知るその日の事件の全貌だと。
ジェラルドは言った。あの日のケリンの姿が忘れられないと。彼の頸についたアルファの噛み跡が今でも頭によぎり彼を助けられ無かったことをずっと後悔していると。
他の3人も同じように項垂れ肩を落としていた。
ーーケリンを助けて欲しいーー
あの3人は頭を下げ、声を揃えてもう一度クリスに頼み込んだ。
「・・勿論だよ。僕の友達でもあるからね。」
・・わからない。
だけど、1つわかった事もある。やっぱり彼等を完全に信用するのはもう少し考えてからにしよう。
兄様は何故、わざわざ主塔から離れたそんな場所にいたのか?
誰にでも優しく、思慮深い彼なら敵は作りにくい。アルファを怒らせる事も無いはず。
何故、アルファに狙われたのか?
その日は運悪く発情期だったとしても、兄様なら抑制剤が効きやすかったはず、、
何度考えてもわからないことばかりだ。
もう少し、探る必要があるな。
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