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33話 オメガ達の茶会1
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「それにしても、やはりクリスさんは凄い人ですよね。あのαの王であり王族でもあるローカス様のご友人に選ばれたんですから。私たちとは世界が違います。」
「そうですよね!僕たちオメガの事もご自分を犠牲されてまで助けて下さいましたし、クリス様は本当にΩの王に相応しい素敵な方です~。このヒルト、クリス様に一生ついて行きますね!」
今、クリスは学園内にある庭園で数人のオメガ達とお茶会をしている。
声がした上から順に元Ωの王のミルシェ・レナードと同じく元Ωの王のヒルト・キャメル
その他にクリスとネルを合わせて6人のオメガ達が庭園のバラ園の中央に置かれたテラスにて紅茶とアフタヌーンティーを嗜んでいた。
2人の元Ωの王たちは、余程クリスに助けられたのが嬉しかったのか、こうしてよく上位貴族のオメガ達が集まる茶会にクリス達を招待してくれるようになった。
2人ともとても丁重にクリスに接してくれるが、ヒルトに至ってはそれはもう恥ずかしくなるくらいクリスを褒めちぎり、尊敬の眼差しを向け、熱烈に慕ってくれている。
それを白けた目でネルは見ており、2人の相性は良いとは言えない。
まあ、確かに本意ではない相手に無理矢理首を噛まれたオメガの行先は暗い。精神的ストレスにより最悪死に至る事例もあると言われるくらいだ。そう考えると、ヒルトにとってクリスは絶望の中に光を差し込んでくれた神のような存在に感じたことだろう。
「いや、僕はそんな皆んなに褒められるような人柄ではないよ。あの時はたまたまそう行動しただけだから。だから、何度も言うけど、ヒルト、もう僕のことは様付けじゃなくていいから。あと、コホン。これは重要な事だけど、僕はαの王の学友になるのなんて認めてないから!アイツは嫌いなんだよ!」
ヒルトが僕のことを尊敬しすぎて、同じ上位貴族なのに様付けで呼ぶことはまあいい。大したことじゃないから。
だが、、
アイツのご学友という名の側近に本人が認めていないのに勝手に周囲にそう認識されているのはいただけない。
「アイツは僕を蹂躙した本人なんだ。そんな危険な奴の側に行くバカが何処にいる?」
「ちょっ、クリスさん、、ここには今俺たちしかいませんが聞こえたら不敬罪に問われてしまいますよっ」
「そ、そうですよ。そ、それに、αの王のご学友に選ばれるなんて、と、とても名誉なことなんですからっ」
クリスの発言に対して他2人のΩたちが慌てて周囲を確認し、誰もいなかったからかホッと肩を撫で下ろすと小声でクリスに注意する。
「おい!クリス様に小言を申すなんて、お前ら失礼だぞ!」
2人のクリスに対する態度にプンプンと鼻息を立てて怒るヒルト
すると、その様子をみかねたミルシェが3人を制し、クリスにゆっくりと丁寧に語りかける。
「私の友人がクリスさんに失礼な事を言ってしまいすみません。クリスさんは身体を張って私たちを守ってくれたのに・・。ですが、ユーリとジュリアスもクリスさんの事を思っての発言なんです。本来なら、王族のご学友は幼少期から決められた将来の側近しかなれない決まりですから。貴族として、羨ましいとも思います。ローカス様に立ち向かうどころか呆気なく他のアルファに噛まれて番にされた私が言える事ではありませんが、、。それでも、ローカス様はαの王だけではなく本物の王族としての地位もあるので不敬罪となると修学性の身分で、いかにΩの王だとしても厳重な処罰の対象になりかねません。十分に注意が必要かと思われます。」
「・・ミルシェ」
この4人の中で1番冷静そうに見えるヒルトが言葉を選びながらもクリスに真剣に話をしてくれた。
確かに、、発情状態だったとはいえクリスはローカスが王族だと知っても反抗的な態度は一切変えなかった。番関係を要求されたが全力で突っぱねたし。
絶対王政のこの国で王族に逆らう事は重罪だ、、
本来ならローカスの気分次第でクリスなんてどうにでもなる。
運が良かったのかもしれない。
「そうですよね!僕たちオメガの事もご自分を犠牲されてまで助けて下さいましたし、クリス様は本当にΩの王に相応しい素敵な方です~。このヒルト、クリス様に一生ついて行きますね!」
今、クリスは学園内にある庭園で数人のオメガ達とお茶会をしている。
声がした上から順に元Ωの王のミルシェ・レナードと同じく元Ωの王のヒルト・キャメル
その他にクリスとネルを合わせて6人のオメガ達が庭園のバラ園の中央に置かれたテラスにて紅茶とアフタヌーンティーを嗜んでいた。
2人の元Ωの王たちは、余程クリスに助けられたのが嬉しかったのか、こうしてよく上位貴族のオメガ達が集まる茶会にクリス達を招待してくれるようになった。
2人ともとても丁重にクリスに接してくれるが、ヒルトに至ってはそれはもう恥ずかしくなるくらいクリスを褒めちぎり、尊敬の眼差しを向け、熱烈に慕ってくれている。
それを白けた目でネルは見ており、2人の相性は良いとは言えない。
まあ、確かに本意ではない相手に無理矢理首を噛まれたオメガの行先は暗い。精神的ストレスにより最悪死に至る事例もあると言われるくらいだ。そう考えると、ヒルトにとってクリスは絶望の中に光を差し込んでくれた神のような存在に感じたことだろう。
「いや、僕はそんな皆んなに褒められるような人柄ではないよ。あの時はたまたまそう行動しただけだから。だから、何度も言うけど、ヒルト、もう僕のことは様付けじゃなくていいから。あと、コホン。これは重要な事だけど、僕はαの王の学友になるのなんて認めてないから!アイツは嫌いなんだよ!」
ヒルトが僕のことを尊敬しすぎて、同じ上位貴族なのに様付けで呼ぶことはまあいい。大したことじゃないから。
だが、、
アイツのご学友という名の側近に本人が認めていないのに勝手に周囲にそう認識されているのはいただけない。
「アイツは僕を蹂躙した本人なんだ。そんな危険な奴の側に行くバカが何処にいる?」
「ちょっ、クリスさん、、ここには今俺たちしかいませんが聞こえたら不敬罪に問われてしまいますよっ」
「そ、そうですよ。そ、それに、αの王のご学友に選ばれるなんて、と、とても名誉なことなんですからっ」
クリスの発言に対して他2人のΩたちが慌てて周囲を確認し、誰もいなかったからかホッと肩を撫で下ろすと小声でクリスに注意する。
「おい!クリス様に小言を申すなんて、お前ら失礼だぞ!」
2人のクリスに対する態度にプンプンと鼻息を立てて怒るヒルト
すると、その様子をみかねたミルシェが3人を制し、クリスにゆっくりと丁寧に語りかける。
「私の友人がクリスさんに失礼な事を言ってしまいすみません。クリスさんは身体を張って私たちを守ってくれたのに・・。ですが、ユーリとジュリアスもクリスさんの事を思っての発言なんです。本来なら、王族のご学友は幼少期から決められた将来の側近しかなれない決まりですから。貴族として、羨ましいとも思います。ローカス様に立ち向かうどころか呆気なく他のアルファに噛まれて番にされた私が言える事ではありませんが、、。それでも、ローカス様はαの王だけではなく本物の王族としての地位もあるので不敬罪となると修学性の身分で、いかにΩの王だとしても厳重な処罰の対象になりかねません。十分に注意が必要かと思われます。」
「・・ミルシェ」
この4人の中で1番冷静そうに見えるヒルトが言葉を選びながらもクリスに真剣に話をしてくれた。
確かに、、発情状態だったとはいえクリスはローカスが王族だと知っても反抗的な態度は一切変えなかった。番関係を要求されたが全力で突っぱねたし。
絶対王政のこの国で王族に逆らう事は重罪だ、、
本来ならローカスの気分次第でクリスなんてどうにでもなる。
運が良かったのかもしれない。
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